■奥の細道の旅 (11月18日着信)
○現在地 松島に到着しました。おめでとうございます。
○次の目的地 石巻
○次の目的地までの距離 43.3km
○次の目的地までの歩数 58,068歩です。
松島、この地も到着に気付かずにいました。NHKの長谷川櫂さんによる
「おくのほそ道」では特別に重視している場所です。
実は20年位前に、そのころ勤めていた職場の仲間と東北旅行で、立ち
寄った筈なのですがどういうわけか憶えていないのです。そのあと廻った
浄土ヶ浜は印象に残っているのですが。
長谷川さんの「おくのほそ道」にもどります。≪≫引用文
松島にはなぜ芭蕉の句がないのか と長谷川さんの松島の文の
はじまりです。≪松島のくだりは 『おくのほそ道』 のなかでもっともいきいき
した文章でつづられています。
芭蕉はなぜ松島のくだりを高揚した筆致で描くことができたのか。ひとつ
の理由は~松島こそ芭蕉が訪ねたいと思った第一の場所だったかからです。
もっと大きな理由は松島が現に存在していたことです。(それまでの歌枕は
廃墟となったところを目にしてきたのでした)、松島にきてみて夢に見たとお
りの、いやそれ以上の美しい、これがうれしかったにちがいありません。≫
読者はこの美しい松島での芭蕉の一句を期待します。
≪しかし芭蕉はここで自分の句を披露しなかった。曽良の句だけ記して、
松島や鶴に身をかれほとゝぎす 曽良
予は口をとぢて、眠らんとしていねられず。旧庵をわかるゝ時、素堂、
松島の詩あり。 原安適、松がうらしまの和哥を贈らる。袋を解きてこよ
ひの友とす。 且、杉風、濁子発句あり。
「予は口をとぢて」 とはここは曽良にまかせて私は句を詠まないということです。
感激のあまり寝つけず、江戸の弟子や友人から餞別に贈られた松島の漢詩や
和歌や俳句を読んだというのです。≫
松島のあまりの素晴らしさに句ができなかったという説もありますが、長谷川さん
は芭蕉が松島で詠んだという一句を紹介しながら、なぜその句を 『おくのほそ道』
に入れなかったのか、それは芭蕉が 「予は口をとぢて」 と書いているとおり、自分
の句を入れたくなかった、つまり芭蕉の意志として入れなかったのだと論を進めて
います、そのことについては明日記します。(下線はkaeru)