kaeruのつぶやき

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見逃せないこの2本、TVのこと。

2014-01-16 21:37:19 | 本のひと言

 「本のひと言」というより「TVのひと言」になるかも知れませんが、TVドラマ

の原作が「清張もの」ですから「本」にしました。

 最近めっきりTVを見なくなりました。定番の朝ドラの「ごちそうさん」にその

前のBS「ちりとてちん」と夜7時「ちゅらさん」はしっかり見ていますが、あとは

新しい「黒田官兵衛」の第1回だけ、いや先日NHKの「超常現象」の第1日目、

面白く全部見てしまいました、特に「生まれ変わり」は注目しました。

 

 さて、見逃せないというのはNHKではなく、テレビ朝日の18日、19日 2夜

連続「開局55周年記念」番組、戦後未解決事件を題材とした松本清張作品。

第1夜「三億円事件」 TV番組としての紹介は

ここで、 http://www.tv-asahi.co.jp/sanokuen/

清張の作品としては新潮文庫の短編集 『水の肌』 におさめられています。

文庫の「解説」に次のように書かれています。

≪~ そして、初歩段階の捜査の中に、空白地帯のあることを指摘し、その見

落としの理由をもさぐっている。

 作中にあるつぎの部分――

 「事件が起こってから満7年*に近づき、これまで投入した捜査人員は延べ

約12万人(最終発表では延べ17万1520人)、捜査費用は被害額の三億円

の3倍にも達しているというのに、これはおどろくべき初歩的な手落ちであった。

日本の警察は世界一捜査能力にすぐれているとの定評であるが、しかし、ある

いは有能者にしばしばみられる精神的空隙かもしれないと思った」

 というやや皮肉な言葉は、この事件捜査に関する作者の批判だともいえる。

 作者は事件の経過を再検討し、自殺した青年と、その周辺の人々に光をあて

ている。現実に迷宮入りのまま、一応捜査本部は解散され、その後あらたな情

報にも接しない現在、松本清張の推理も小説として読むほかないが、この作品

は三億円事件の影の部分を私たちにおしえてくれる。≫

 * 『小説 三億円事件』は「週刊朝日」に昭和50年12月に掲載されました。

 この「解説」は文芸評論家の尾崎秀樹(ほつき)によって、昭和57年に書かれた

もののうち該当作品に関する部分です。

 

 第2夜「黒い福音」、については明日にします。