大阪府岸和田市=凛くんの住んでいる街で、凛くんの通っていた小学校が
ある街です。そして、いま再放送が行なわれている「カーネーイション」の舞台
で、だんじり祭りの街です。そのだんじり祭りの日のことがかかれていますの
でそのことからふれたいと思います。
≪(五年生の6月、不登校を決めたあと=母・史さんの文章)
そんな学校にも、凛が「一番好き」と言う友がいる。同じクラスのR君だ。
地域のだんじり祭りの日、凛と祖母と三人で見学に行った時のことだ。はっぴ
姿で綱を持ち走る子どもたちの中から 「凛ちゃん!」 と声がする。見るとR君で
ある。R君はだんじりから離れ、見物する私たちのそばに駆け寄って来て声をか
けてくれた。
「凛ちゃん、また、学校に来て」
私も祖母も胸が熱くなった。祖母はR君を抱きしめていた。≫
だんじりやはっぴの友がわれをよぶ 凛 (11歳)
もうひとつ凛くんを励ましたおおきな存在について。
≪ショーン・ハート先生(母・史さんの文章)
ショーンは私たち親子にとって、英会話の師であり友である。
(略)
ショーンはアメリカ・ロサンゼルスの出身で温かな笑顔とユーモラスな会話は凛
も大好きだ。四人のお子さんがあり、日本語も堪能で、英語俳句を趣味として詠ま
れるので、家族と共に凛の俳句の共通理解者だ。
凛の俳句を持参すると英訳もしてくださる。ある時、ショーンが俳句や絵をCD-R
に焼いてくださった。
パソコンに疎い私にはできないことで、それは、我が家には驚異的な出来事だった。
パソコン画面に映る自分の絵や俳句に、凛は驚嘆の声を上げた。
そして、「僕、生まれてきて良かった」と言った。
凛の口から初めて聞くこの言葉に、母も祖母も、胸が熱くなった。まだ新聞に入選
する以前だったので、凛が自己肯定感を与えられた初めての出来事だった。≫
(太字はkaeru)
「不登校」選択後、変わってきた寝言。
≪これまで寝言で、「やめて!」「返して!」と叫んでいたこともあったが、寝言が笑い
声に変わっているのに気づいた。家族も共にストレスの無い生活の中で、家の中に
穏やかな時間が流れていった。≫