以前このブログで俳句を読むことと詠むことを題目だけあげたような 「つぶや
き」 をしました。 ( 俳句を「詠むと読む」。2014-05-01 )
それは合同句集が出されるに当って、感想文としてつけたのもです。
その 「句集」 を肴に懇親の場を持とうとの誘いがあり、参加してきました。
これがそれです。七人が百句づつで七百句が載っています。
この句会の名前になっている「KS」とは「鎌倉シニア…」の頭文字で、さら
に説明すれば、「シニア情報生活アドバイザー」 を言わねばなりません。
その説明に必要ですので、「認定証」なるものを。
これで見ると、10年前に認定されています。たしか十余時間かの講習を受け
簡単な認定テストに受かると認定されるのです。ところがkaeru氏は落第、再
試験を受けさせてもらいやっと手にした「認定証」でした。いかにPC音痴かの
証明証でもあるわけです。それで、三年後の更新には行かず、今はその「資格」
はありません。
これは横道で、俳句の話です。
その懇親の場で聞いたところ主宰と私をのぞいて、5人は俳句を詠むのは
はじめてとのこと。私はその前からインターネット句会にも投稿するなどして
いました。
そのなかのひとりにこんなことを聞きました。
「俳句を詠む前から、俳句を読んでいたと思いますがその当時と詠んでいる
いまと俳句についての受け止め方はどう変わりましたか?」
すると、彼女は芭蕉の一句
五月雨をあつめて早し最上川 をもって答としてくれました。
この句はよく知られているように最初は
五月雨をあつめて涼し最上川 で、句会の場での挨拶句でした。
山本健吉は著書 『芭蕉』 でこの句を評した加藤楸邨の「眺められた最上川
から、体験せられた最上川に飛躍した」 を紹介しています。
俳句を読んでいる時期、それは「眺めている」 時期であり、舟に身を託して
急流を実感しているのは「体験している」時期です。何事も眺めている間は、
真のことはつかめ得ません。体験をつうじて真に迫ることができます。
彼女の芭蕉の句の引用はこのことを示したのものだと、酔い心地をさらに
深くしてもらいました。