「てんがらもんラジオ」130回は、
http://www.ustream.tv/recorded/51949633 です。
今日のタイトルの「感動は人生の窓をひらく」はゲストの畠野さんが紹介
された椋鳩十の色紙の言葉です。畠野さんは「椋鳩十の遺徳をしのぶ松風
会」事務局長です。
畠野さんが今日私たちに椋鳩十の話をすることになったのは、まさにこの
言葉通り、自分の中学2年の時椋鳩十の『月の輪グマ』に感動したことに端
を発していました。そして大学のとき椋鳩十の名に出会い、鹿児島在住とい
うことに心を動かされたそうです。
私がそれまで名前だけしか知らなった椋鳩十の作家で詩人で教師であり
図書館長をつとめ、そして信州の出身者である、この人をより知る機会を得
たことにある種の感動を受けています。
畠山さんの話の前の向井さんの西郷隆盛の銅像の話でも、感じたのですが
同じことでもそれを何によって知ったか、誰から聞いたかによって受け取り方が
ずいぶん違います。 銅像のことも椋鳩十のこともパソコンを視聴しながら、イン
ターネットで検索してみて事実としての事柄を知ることができました。
でもそのことが胸に落ちるように理解されるのは、直接そのことをよく知ってい
る人から聞く時が多いのではないでしょうか。
「北の宮沢賢治、南の椋鳩十」と言われたそうです。そのことを聞きながら
インターネットで知った椋の辞世の詩の一節が浮かんできました。
「精神的にも肉体的にも / 松風になりたい」、この番組では松風会の名前
の由来は触れていなかったと思いますが、ここからきていると考えて間違い
ないでしょう。
そして、「椋鳩十の遺徳をしのぶ」という古風な表現も納得でき、思想家と
しての椋鳩十の研究も価値あることと思いました。たとえば、離島の人々の
生活に関して「離島は政治のひずみがくる、このことはものを書く人間として
黙っていられない」と 『離島物語』 を書いたり、戦争が終わった時 「ああ、
終わったか」 と言っただけなど、この人の思想家としての面を知りたいと
思います。