現在、東京都美術館で「永遠の都ローマ展」が開催されているが...
福岡市美術館への巡回展で、なんと!カラヴァッジョ《洗礼者聖ヨハネ》が展示されるようだ!!(むろさんさん情報に感謝!!)
・会場:福岡市美術館
・会期:2024年1月5日(金)~3月10日(日)
カラヴァッジョ《洗礼者聖ヨハネ》(1602年)カピトリーニ美術館(カピトリーナ絵画館)
ゲストのむろさんさん情報によると...
「美術館のホームページにはまだカラヴァッジョ作品出品の情報は書かれていません。福岡市美術館の担当者から聞いたのは...
福岡限定の絵は、カラヴァッジョの洗礼者聖ヨハネ、グエルチーノの洗礼者聖ヨハネ、パルマで活動したフランドル派の氏名不詳の画家の洗礼者聖ヨハネ(16世紀後半)の3点とのこと。
そして、上野展と共通の図録であり、その図録に掲載されている出品作品リストには2館の限定出品作品の情報も出ているそうです。」とのこと。
今回の「永遠の都ローマ展」はローマのカピトリーニ美術館の所蔵作品から構成されている。彫刻作品だけかな、と思っていたら、絵画館からも出展されているようで嬉しい。
(美術館入り口垂れ幕には「 Musei Capitolini」と書いてある)
で、カラヴァッジョ作品来日とあれば、もちろん、私的には福岡で観たい!!(来年のことを言うと鬼に笑われる?)
で、おっしゃる通り、全期間展示!なのも嬉しいですよね(*^^*)
やはりチラシに麗々しく《洗礼者聖ヨハネ》が登場すると嬉しいものです(*^^*)。《メロンをもつ若者》を含め、できたら観に行きたいなぁと思っています。
私が福岡市美術館へ電話したのが10/8で、確認後すぐにこの花耀亭さんのブログにコメント投稿しましたから、この1週間の間にチラシが公開されたのですね。確かに福岡市美術館ホームページの同展案内やチラシのどこにも展示期間のことは書かれていないので、全期間展示なのでしょう。
のところをみると、なんと
このカラヴァッジョが麗々しく大きく第一にチラシなどに使われてます。
これは、どうも本当らしい。これで中止なんて、コロナ来襲でもないとありえない。
確実です。また展示期間限定とかも書いていないので全展示期間OKのようですね。
無名画家のメロンをもつ若者も、なかなか面白そうですね。
美術史家Rodolfo Papiを検索したのですが、Rodolfo Papaがヒットしました。多分、誤植だったのかもしれませんね。
石鍋氏の本のP559下の3人目がRodolfo Papa、4人目がGianni Papi、5人目がRodolfo Papi となっていますが、これは5人目のPapiが誤記でPapaが正しいということなのでしょうか?
なるほど、都美の目玉はヴィーナスで、福岡の目玉がカラヴァッジョ(&バロック絵画)、ということですね(^^)。いずれにせよ、楽しみです♪
>カラヴァッジョ研究者にパーピが3人いるということでしょうか?
・Federica Papi
フェデリカ・パピは、美術批評史の論文でラ・サピエンツァ大学を卒業し、ローマ・トレ大学で「芸術と建築のオブジェクトの歴史と保存」の博士号を取得しました。2016年以来、カピトリーノ美術館の美術史家であり、現在はピナコテカ(絵画館)の責任者を務めており、技術科学および保存活動を担当しています。
https://www.museicapitolini.org/jp/didattica/storia-conservativa-di-un-capolavoro-barocco-il-ratto-delle-sabine-di-pietro-da-cortona
・Rodolfo Papa
ロドルフォ・パパ、画家、彫刻家、理論家、歴史家、芸術哲学者。アーバンアカデミーオブアーツの会長。司教会議のXIII通常総会の専門家。さまざまな学術機関の美学理論史の教授。彼の最新の出版物の中で:「カラヴァッジョ,ル・オリジニ・エ・ル・ラディチ」(フィレンツェ、ジュンティ,2010)。
https://www.ladolfieditore.jp/index.php/it/chi-siamo/autori/papa-rodolfo.html
ちなみに、FedericaがGianni Papiと親戚筋なのかわかりません。Federicaはカピトリーナ絵画館の責任者なので、図録の解説は了解できますね。(URLのjpはitです)
上野展と福岡展の限定出品は前コメントに書いたとおり、上野がカピトリーノのヴィーナス1点、福岡がカラヴァッジョの洗礼者聖ヨハネなど3点でした(このことは図録末尾の出品作品リストではなく、出品作の解説ページ直前の執筆者等一覧の下の方に文章で小さく書かれているだけ)。
バロック絵画の出品作について、下記に概略を書きます。
カラヴァッジョ以外の福岡限定2点は、
パルマで活動したフランドルの画家(16世紀後半) 洗礼者聖ヨハネ、16世紀末、油彩、銅板、49.5×39.5cm
グエルチーノ 洗礼者聖ヨハネ、1645―49年、油彩、カンヴァス、81×65cm
上野、福岡共通出品として、
アンニバレ・カラッチ 悔悛の聖フランチェスコ 1538年頃、油彩、カンヴァス、63×71cm
ドメニコ・ティントレット キリストの鞭打ち 1590年代、油彩、カンヴァス、186.5×117cm
カヴァリエル・ダルピーノ 狩人としての女神ディアナ 1600―10年頃、油彩、カンヴァス、44×32.5cm
カラヴァッジョ派の画家(17世紀前半) メロンを持つ若者(嗅覚の寓意) 1626―29年、油彩、カンヴァス、76×61cm
グイド・レーニ ルクレツィア 1640―42年、油彩、カンヴァス、91×73cm
ジョヴァンニ・ランフランコ エルミニアと牧人たち 1633―37年、油彩、カンヴァス、146×196cm
ピエトロ・ダ・コルトーナ 2点
教皇ウルバヌス8世の肖像 1624―27年、油彩、カンヴァス、199×128cm
聖母子と天使たち 1625―30年、油彩、カンヴァス、185×137cm
その他 バロック絵画4点
作品解説者は、カラヴァッジョの洗礼者聖ヨハネがFederica Papi、訳深田麻里亜、その他の絵の解説もほとんど全てFederica Papi
図録掲載論文として絵画関係では、都美の学芸員小林明子氏の「カピトリーノ美術館の『絵画館』と教皇ベネディクトゥス14世」(5ページ)に「1627年に没したデルモンテ枢機卿の遺産から、1628年にカラヴァッジョの洗礼者聖ヨハネと女占い師 他の4点が購入された」ということが書かれていました(カラヴァッジョ作品への言及はこれだけ)。
図録をざっと見た限りでは買う必要もないと思ったので、カラヴァッジョの洗礼者聖ヨハネの解説部分(1ページと全体図)をコピーしただけです。
なお、この絵の解説者Federica Papiの名前を見て疑問に思ったのですが、例えば石鍋氏の「カラヴァッジョ ほんとうはどんな画家だったのか」の参考文献P559を見ると、Gianni PapiとRodolfo Papiの名が出ています。パーピというのはGianni Papiだと思っていたのですが、カラヴァッジョ研究者にパーピが3人いるということでしょうか?