パラッツォ・バルベリーニ(国立古典絵画館)を一通り見、ボッロミーニの階段を降りて外に出ると、もう既に昼を過ぎていた。午後はパラッツォ・マッシモ(国立考古学博物館)を訪ねようと計画していた。
ローマには何度も来ていたが、最近まで古典古代苦手だったもので、今回が初めてのパラッツォ・マッシモ見学だった。去年の秋から塩野七生さんの「ローマ人の物語」を再読し始め、やはり見ておかなければなぁ、と思うところもあったしね。なので、特にアウグストゥス帝政期の登場人物たちの頭像を興味深く眺めてしまった。
さて、目を惹かれた作品を少しばかり超サクッと紹介したい。
ブロンズ像《休息する拳闘士》 《円盤投げ》背中部分。特に円盤を持つ指に注目!
《ラビカーナ通りのアウグストゥス帝》 フレスコ画《田舎の暮らし(ワインを注ぐ)》
《リヴィアの家のフレスコ画》美しい庭園風景が室内4壁にぐるっと描かれている。
実に写実的で、背景が淡く近景が濃い空気遠近法的なテクニックもニクイ
もちろん、画像で紹介したのは極一部だが、古典古代を苦手としていたことの反省もしてしまった。
で、おっしゃる通りこのアウグストゥス像はトーガを頭で覆っているので、最高神祇官(ポンティフェクス・マクシムス)の装いで表現されているようです。
アウグストス像のトーガの一部が頭を覆っているのは、アルヴァレズ神官としてのオクタビアヌスの表現だと思います。ユルスナル「ハドリアヌスの回想」の最終章に犠牲を捧げるハドリアヌスのトーガが頭部から滑り落ちてしまった、という下りがありますから。