ゲストのむろさんさん情報によると、大阪「カラヴァッジョ展」サイトから《ホロフェルネスの首を斬るユディット》の画像が消えている!とのこと。確かに、消えていた!!
https://www.aham.jp/exhibition/future/caravaggio/
カラヴァッジョ《ホロフェルネスの首を斬るユディット》バルベリーニ古典絵画館
杞憂に終われば良いのだが、北海道の遅延8作品とともに、大阪展の目玉《ユディット》も来日しない可能性がありそうだ(-_-;)
今回の件は、実は私的にもなんとなく予想していたことではあった...。以前、拙ブログの「ロンドン「マンテーニャとベッリーニ展」展評を読むのも大変(^^;」で、キース・クリスチャンセンの展評に触れ、下記のように書いたことがある。
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ちなみに、この展評の中に「展覧会」について結構醒めた見方をしている興味深い一説があった。
「By their nature, exhibitions are artificial constructs defined by practical limitations. Some are self-imposed to underscore specific objectives. Others are the result of the realities of what can or cannot be lent or displayed.」(P.1040)
なんかだか、8月から始まる日本での「カラヴァッジョ展」に想いを馳せてしまった...
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結局のところ、今回の「カラヴァッジョ展」も「the result of the realities of what can or cannot be lent or displayed.」なのだと思う。
http://m-caravaggio.jp/pdf/info20190927.pdf
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/knb/caravaggiodannnenn.pdf
イタリア側監修者の奥さんがボルゲーゼの館長とのことなので、名古屋展のダヴィデは大丈夫だろうと思っていますが、大阪展のユディトはどうなるのか、心配ですね。
ついでにカラヴァッジョ関係の学術雑誌情報を一つ。
Burlington Magazineの2019年9月号(No.1398)に「Caravaggios other Judith and Holofernes」(by JOHN GASH)という論文が載っています。貴ブログ2016.4.13の「屋根裏からカラヴァッジョ?!《ホロフェルネスの首を斬るユディット》」で紹介されたトゥールーズで発見された作品について、X線や赤外線撮影の結果を使い、ナポリのフィンソン作品やカラヴァッジョ本人のいくつかの真作と比較しながら論じています。結論として、「ナポリで1607年に描かれ、長い間失われていたオリジナル作品」としています。
なお、この論文中にプラドのダヴィデのゴリアテの頭部のX線写真が載っていますが、現状の油彩画表面の表情と異なり、いかにもカラヴァッジョが描きそうな顔なので、このダヴィデの絵は今は完全に真作と認められているのでしょうか。
やはり札幌は遅延→断念になってしまったようですね。観たい8作品だったのに...残念です。きっと名古屋でも欠品なのでしょうね(-_-;)
>イタリア側監修者の奥さんがボルゲーゼの館長
なんと!!(・・;)。このご夫妻のおかげで名古屋のダヴィデが見られそうなのが救いです(^^;。大阪のユディットは本当に心配ですよね。
>Burlington Magazineの2019年9月号
私はまだ9月号を見ていないのですが、あのユディットが真作だとは...(・・;)。だとしたら、急いでトゥールーズでオークションしなくとも良いのに(^^;。上京の際にぜひ9月号チェック!したいと思います。
で、プラドのゴリアテのX線も出ているとは...。こちらの画像を見るのも楽しみです。
>完全に真作と認められているのでしょうか。
研究者によって見解は違うとは思いますが、一般的には真作とされていますよね。私的にはダヴィデはカラヴァッジョらしいと思うので、ゴリアテのX線に興味津々です(^^ゞ
また、これもついでですが、東京での講演会情報を一つ。
12月21日午後に青山学院大学青山キャンパスで「東西の聖なるもの―比較文化論を拓く」というシンポジウムがあります。西洋美術2件、日本美術2件で入場無料、申し込み不要です。美術展ついでにお時間があったらどうぞ。
http://www.ri.aoyama.ac.jp/event/191221souken.html
で、シンポジウムのテーマに興味津々です。東京に住んでいたら行けるのに...(涙)。むろさんさんがもし参加されるようでしたら、レポートを期待しておりますよ~(^^)
https://www.aham.jp/news/index.html#topics_170
http://m-caravaggio.jp/pdf/info20191107.pdf
また、ある情報によると、9月の札幌での宮下先生の講演会の時に宮下先生にこの件についてお尋ねしたところ、ユディトの代わりにカラヴァッジョの別の作品が来るかもしれないと言われたとのこと。
以下は私の全くの妄想ですが、上記コメントに書いた「イタリア側監修者とボルゲーゼの館長との関係」を考えると、バルベリーニのユディトに匹敵する作品を出してもらうには、ボルゲーゼに泣きついて「蛇の聖母(パラフレニエーリの聖母)」を出してもらうしかないのではないか。もしそうなったら私は名古屋に行ってきたばかりなので、大阪には0泊3日往復夜行バスの弾丸ツアーでもやって見に行こうかと考えています。
バルベリーニのユディトは5年ぐらい前に行ってしっかり見てきたので、元々大阪に行くつもりはなかったのですが、ボルゲーゼには何十年も行っていないので、そのうち行くつもりでした。予約・入れ替え制で長い時間見ていられないとのことなので、日本で見られるものはなるべく見ておいて、現地で見る作品は少なくして、その分少数作品に時間をかけたいと思っているところです。ボルゲーゼの所蔵品では、今回名古屋でダヴィデを見たので、あとは札幌に来ていた病めるバッカスとパラフレニエーリの聖母ぐらいです。(予約制になる前の大昔に行っていますが、その当時はカラヴァッジョにはあまり興味がありませんでした。)
でも、上記アドレスのあべのハルカスの文章には代わりの作品のことを何も書いていないので、要望は通らなかったのでしょうか。やはり私の妄想?!
で、公式サイトでは、「大阪展だけ作品」が《執筆する聖ヒエロニムス》になっています。
http://m-caravaggio.jp/exhibition.html
展覧会図録に作品掲載されていても、名古屋展では展示されていないので、もしかして、ユディットの代替作品が聖ヒエロニムス(ボルゲーゼ所蔵)かもしれません(謎)。推測ですが、もしかして、え名古屋展開催時点で決まっていたと言うことでしょうか??
むろさんさんの妄想(?)通りに《蛇の聖母》が代替作品として来日してくれたら、もちろん!私も大阪に行きたいです~!!