花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

塩野七生「小説 イタリア・ルネサンス4 再び、ヴェネツィア」を読んだ。

2021-01-24 19:08:21 | 読書

マルコ・ダンドロが装いも新たにヴェネツィアに帰って来た

朝日新聞社から随分昔に出版された塩野七生によるヴェネツィア・フィレンツェ・ローマの三都を主題にした殺人事件シリーズは既に読んでいたのだが、今回、新潮文庫から新たに「小説 イタリア・ルネサンス1~3」として改題・改装出版されたのまでは良いのだが、なんと!驚いたことに、書下ろし最新作として「小説 イタリア・ルネサンス4 再び、ヴェネツィア」まで出版されたのだ

内容は、あのマルコ・ダンドロが40代でヴェネツィア共和国に戻り、ノービレ(貴族)として政治中枢で働きながらの物語であり、ヴェネツィア(&神聖同盟)とトルコとのレパントの海戦を後半ハイライトとし、マルコの死に至るまでのルネサンス期ヴェネツィアの物語である。ある意味「海の都の物語」や「レパントの海戦」と重なる部分はあるものの、ヴェネツィア共和国栄光の時代の残照がマルコの「佇まいの美しさ(gentile aspetto)」を際立たせているように思えた。

今回、特に注目に値するのは、文庫に綴じ込まれたカラー口絵であり、小説内にも登場する当時のヴェネツィア派絵画が興を呼ぶ。ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレット、そして何よりも意外だったのは、マルコ・ダンドロが青年期にロレンツォ・ロットに肖像画を描かせているのだから!! 故に、表紙がロットの《若い紳士の肖像》(通称:Il Giovane malato)というのも頷ける

ロレンツォ・ロット《若い紳士の肖像》(1530年頃)アカデミア美術館

塩野七生さんって、もしかしてロレンツォ・ロット好きなのかな??



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2 コメント

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momoさん (花耀亭)
2021-02-01 23:35:38
おお!momoさんは全巻お買い求めのオトナ買いですね!!
新潮社さんの新装リニューアル戦略にしっかり乗せられたような?(;'∀')
momoさんにも豪華(?)カラー口絵の効果があったようですし(^_-)-☆
でも、塩野さんの第4巻書下ろしは嬉しかったですよね(#^.^#)
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Unknown (momo)
2021-02-01 19:26:29
私も買いました!
まだ読んでないですけど…(^_^;)
ついでに1〜3巻も買ってしまいました。
やっぱりリニューアルで全巻欲しい…久々のミーハー発揮(笑)
ちなみに以前の本はブックオフ…

確かに、花さまおっしゃる様に、カラー口絵にテンション上がりました(笑)
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