私の提案は以下の通り。
『通りに向けて家を建てよう!』
『南至上主義を捨てよう!』
である。
この提案を優れていると私が考える理由は
以下の通り。
●日本の住宅街も街並みをそろそろ考える
べきだ。自分の家だけでなく、それが周囲の
中でどう溶け合うか、周囲全体の街並みが
外から見て楽しいかどうかを考慮して家を
建てるべきだろう。北側の悲劇を繰り返す
のはそろそろ止めよう。敷地が道路に対して
どの方向にあろうとも、建物は道路に向いて
最も良い形を示すように建てるべき。そうで
ないと日本の街並みはいつまで経ってもpoor
なままである。
●日本の多くの地域は、もはや熱帯雨林気候
並みの高温多湿である。そんなところで
わざわざ室内を暑くする家を建てる必要はな
い。どんな敷地であれ、道路付きであれ、
面積であれ、建物を北いっぱいに寄せて、かつ
建物の南側に精一杯の開口部を設けるなどと
いう日本の多くの人が行うことは、もはや避
けるべき。日本よりはるかに緯度の高い寒冷な国
の人々だって、そんなことはしないのだ。
「南にデカイ窓を並べる」ことを至上の建築哲学
とする国などない。ましてやこの温暖化である。
そんなに室内を暖めてどうするのだろう?南面
全面開口部ということをやっても良いと思われ
る建物は、↓で紹介した桂離宮のような建物
くらいである。居室の外には廊下や縁側があり、
なおかつそれらを覆ってその先さらに1mは伸びる
軒があるような家だけだ。直射日光が家の中に
一日中差し込むようなことは弊害ですらある。
英国関係エッセイで知られる林望先生のご自宅の
敷地は北側に道路があって、建物は精一杯南側に
寄せて北向きに全体を見せる家を建てたという。
北面の玄関を入る時、涼しくて良いともいう。
「これ!」である。皆、これを考えるべきだ。
これを皆がすれば、北道路の並びもキレイに見える
ことと思う。電柱、電線、新建材、統一感のない
デザイン、originがどこだかわからないが明らか
に日本風のスタイルで雑然とした日本の住宅街
の風景のネガティブな面が少しは減る。