二つの弊害のうちまずは・・・
●街並みがキレイにならない
北側の道路が敷地にとって唯一の接道である
ような場合でも、相変わらず、建物の表情で
最も良いものとなるところを南面にすることが多い。
建物の北面が、「どうでもいい」「捨てた」
感じのつくりになっている家をよくみかける。
住人自身はとにかく、家は外の他人にどう見えるか、
周囲の情景とどう溶け合っているか大事であり、
その観点からして、この家にとって一番大事なのは
建物の北面であるはずなのに、施主はそれを
重視しない。北面には、小型で形の揃わぬ窓が
不規則に並ぶ。トイレ、風呂、二階への階段の
踊り場、キッチン、洗面所などの窓である。
設計上、水周りと階段が北側に回されやすく、
それらの窓は小さく、かつ形や設置場所の高さが
ばらばらで、外から見たときにまったくの
不ぞろい。さらに敷地に対して皆が建物を北に
寄せて建てようとするから、北側はスペース的に
余裕がなく、そこに場合によっては様々な配管
やプロパンガスのボンベ、給湯器なども並ぶ。
外観どころではないのである。
北道路の区画が並ぶ街並みは、多くの場合、
美しく見えない。なんとかならないかと思う。