幼少の頃私が読んだ外国小説には、貧しさを表現する食事として「パンとスープだけ」というのがよく出て来た。当時の私は「パンとスープなんて、カッコいいじゃん!」と思ったものだ。しかしその後、私はスクスクと育って、とてもパンとスープだけなんて食事じゃ満足出来なくなった。さらにその後どんどん私の体は変化した。最近では霜降りの肉を美味しいとは思うものの、たくさんは食べられなくなって来ている。「爺さん」になったのである。
決定的な現象が、赤ワインの消費量がガクンと減ったことである。つまり食事の中心が肉から魚あるいは野菜へと移り、肉を食べる場合でも牛豚よりは鶏が多くなっているのだ。ロースのとんかつも美味しいが、あっさりとした雑炊も同じくらい美味しいと思うようになった。すき焼きも美味しいが、水炊きも同様にと言うか、それ以上に美味しいと思うようになったのである。
本日の主役はタマネギ。北村先生のレシピをパクリ、勝手に作る。そう、タマネギ! これだけだ。シンプルなタマネギだけのスープで体内を洗う。寒かった今日のお昼は、このタマネギのスープとパン。上述の質素な「パンとスープだけ」の食事を地で行くのである。
2人分で必要なモノは以下のとおり:
● タマネギ大 1個半~2個
あとは調味料だ・・・
● オリーブオイル
● 水(勝手に酒を後で足す)
● 塩(勝手にコンソメを後で足す)
● 黒胡椒
● パルミジャーノ・チーズ
なんと潔い!
侮ってはいけない!
タマネギは野菜の中で王様のポジションを占める。
料理の面白さは、具材や調味料の組み合わせとプロセスにある。
そしてそれらを少し変えるだけで、同じ材料が全く異なる外観、味、香りに。そうした意味で、タマネギほど変化の激しい忍者みたいなヤツは少ない。王様でありながら忍者。
まずは縦に半分に切って、サクサク薄切り。このようにね。
出た! かなりヘンで大きくて茶色い犬。
「それでいいからちょっとでいいからちょうだい!」と言っている。
無視して調理を続行する。細く薄く切ったタマネギをボウルに入れ、塩を振り、オリーブオイルをかけ、よく混ぜる。
「頼むから、オリーブオイルなめさせて」と言っている。
無視して調理を続行する。
「もらえない。もらえない・・・」と、しぶとく立って待っているうちに、立ったまま寝そうになっている。放っておけば、そのうち彼も諦める。
今日もCRISTEL。お鍋はこれを。使いやすいですよ。この中に塩とオリーブオイルで混ぜたタマネギを入れ、蓋をして弱火で蒸らす。
弱火ですよ。5分ほど。
蓋を開けると、タマネギがぐにゃあとなっているので、炒める。どんどん炒める。タマネギは変幻自在。切る時には涙が出そうになるタマネギだが、炒めているうちに甘いニオイでキッチンを満たしてくれる。たまりませんねぇ。弱火でゆっくり丹念に炒めましょう。
タマネギがゴールデン(「茶色」とも)になったら、ボウルに一旦出す。あぁ~疲れた。腰が痛いなぁ。たかがタマネギのスープで準備が大変!
ふとダイニング・テーブルを振り返ると・・・妻はライサチェック研究に余念がない。フィギュア・スケートのエグズィビションだ。ゴールド・メダリストの余裕。妻も余裕。私には余裕はない。
(Source: NewYork Times)
これはキッチンにあったものの、今回の料理と関係のないザーサイ。妻はこれを使い、本日のディナーで中華料理の新作に挑むらしい。私はランチ担当。妻はディナー担当。フェアな社会(かしら?)。
さて、話をライサチェックとザーサイからスープに戻そう。炒めたタマネギをボウルに戻し、鍋にはそのまま水を800ccほど入れて沸騰させる。タマネギの焦げが鍋の内側にはついているが、それが良いダシになる。その焦げをこそげ落としながら、沸騰させる。だから水が茶色いでしょ。
沸騰したら炒めたタマネギを鍋の中に戻す。さらに弱火で煮込む。ここで勝手に酒を足す。さらに勝手にコンソメ(顆粒)も入れて味を調整する。
煮込むこと10分以上。なんともいい感じになる。そこでパルミジャーノ・チーズを! 北村先生は固形のチーズを切ることをお勧めなさるのだが、そんなエレガントなものは家にないので、米国製のお安いパルミジャーノ・チーズの粉末をドバッと入れる。黒コショウもガリガリと加えよう。
さらに煮込んでコクが出たところで、火を止める。出来たぞ。順番に味をみながら作ったので、塩加減もちょうど良い。タマネギだけのスープ。潔いでしょ?
我が住宅街「西武七里ガ浜住宅地」内に半年ほど前に出来たパン屋さんKondoのフォカッチャ(フカッチャとも)。フォカッチャで、こういう外見のは初めてだなぁ。オリーブ・オイルが練り込まれていて味が濃い感じがするぞ。これをムシャムシャ食べる。そしてタマネギのスープをすする。シンプルな食事。脂っこいものはもはや多くは要らない私の老体。食べ物の不思議。タマネギの魔術。料理の楽しみ。
スプーンですくうごとに感じるタマネギの甘み。
おまけ。
七里ガ浜のパン店「Kondo」名物、鯛焼き!!!
普通の鯛焼きとちゃうで! 生地ブリオッシュで焼いたもの。七里ガ浜に来られた方は是非試してみて。大変ユニーク!
決定的な現象が、赤ワインの消費量がガクンと減ったことである。つまり食事の中心が肉から魚あるいは野菜へと移り、肉を食べる場合でも牛豚よりは鶏が多くなっているのだ。ロースのとんかつも美味しいが、あっさりとした雑炊も同じくらい美味しいと思うようになった。すき焼きも美味しいが、水炊きも同様にと言うか、それ以上に美味しいと思うようになったのである。
本日の主役はタマネギ。北村先生のレシピをパクリ、勝手に作る。そう、タマネギ! これだけだ。シンプルなタマネギだけのスープで体内を洗う。寒かった今日のお昼は、このタマネギのスープとパン。上述の質素な「パンとスープだけ」の食事を地で行くのである。
2人分で必要なモノは以下のとおり:
● タマネギ大 1個半~2個
あとは調味料だ・・・
● オリーブオイル
● 水(勝手に酒を後で足す)
● 塩(勝手にコンソメを後で足す)
● 黒胡椒
● パルミジャーノ・チーズ
なんと潔い!
侮ってはいけない!
タマネギは野菜の中で王様のポジションを占める。
料理の面白さは、具材や調味料の組み合わせとプロセスにある。
そしてそれらを少し変えるだけで、同じ材料が全く異なる外観、味、香りに。そうした意味で、タマネギほど変化の激しい忍者みたいなヤツは少ない。王様でありながら忍者。
まずは縦に半分に切って、サクサク薄切り。このようにね。
出た! かなりヘンで大きくて茶色い犬。
「それでいいからちょっとでいいからちょうだい!」と言っている。
無視して調理を続行する。細く薄く切ったタマネギをボウルに入れ、塩を振り、オリーブオイルをかけ、よく混ぜる。
「頼むから、オリーブオイルなめさせて」と言っている。
無視して調理を続行する。
「もらえない。もらえない・・・」と、しぶとく立って待っているうちに、立ったまま寝そうになっている。放っておけば、そのうち彼も諦める。
今日もCRISTEL。お鍋はこれを。使いやすいですよ。この中に塩とオリーブオイルで混ぜたタマネギを入れ、蓋をして弱火で蒸らす。
弱火ですよ。5分ほど。
蓋を開けると、タマネギがぐにゃあとなっているので、炒める。どんどん炒める。タマネギは変幻自在。切る時には涙が出そうになるタマネギだが、炒めているうちに甘いニオイでキッチンを満たしてくれる。たまりませんねぇ。弱火でゆっくり丹念に炒めましょう。
タマネギがゴールデン(「茶色」とも)になったら、ボウルに一旦出す。あぁ~疲れた。腰が痛いなぁ。たかがタマネギのスープで準備が大変!
ふとダイニング・テーブルを振り返ると・・・妻はライサチェック研究に余念がない。フィギュア・スケートのエグズィビションだ。ゴールド・メダリストの余裕。妻も余裕。私には余裕はない。
(Source: NewYork Times)
これはキッチンにあったものの、今回の料理と関係のないザーサイ。妻はこれを使い、本日のディナーで中華料理の新作に挑むらしい。私はランチ担当。妻はディナー担当。フェアな社会(かしら?)。
さて、話をライサチェックとザーサイからスープに戻そう。炒めたタマネギをボウルに戻し、鍋にはそのまま水を800ccほど入れて沸騰させる。タマネギの焦げが鍋の内側にはついているが、それが良いダシになる。その焦げをこそげ落としながら、沸騰させる。だから水が茶色いでしょ。
沸騰したら炒めたタマネギを鍋の中に戻す。さらに弱火で煮込む。ここで勝手に酒を足す。さらに勝手にコンソメ(顆粒)も入れて味を調整する。
煮込むこと10分以上。なんともいい感じになる。そこでパルミジャーノ・チーズを! 北村先生は固形のチーズを切ることをお勧めなさるのだが、そんなエレガントなものは家にないので、米国製のお安いパルミジャーノ・チーズの粉末をドバッと入れる。黒コショウもガリガリと加えよう。
さらに煮込んでコクが出たところで、火を止める。出来たぞ。順番に味をみながら作ったので、塩加減もちょうど良い。タマネギだけのスープ。潔いでしょ?
我が住宅街「西武七里ガ浜住宅地」内に半年ほど前に出来たパン屋さんKondoのフォカッチャ(フカッチャとも)。フォカッチャで、こういう外見のは初めてだなぁ。オリーブ・オイルが練り込まれていて味が濃い感じがするぞ。これをムシャムシャ食べる。そしてタマネギのスープをすする。シンプルな食事。脂っこいものはもはや多くは要らない私の老体。食べ物の不思議。タマネギの魔術。料理の楽しみ。
スプーンですくうごとに感じるタマネギの甘み。
おまけ。
七里ガ浜のパン店「Kondo」名物、鯛焼き!!!
普通の鯛焼きとちゃうで! 生地ブリオッシュで焼いたもの。七里ガ浜に来られた方は是非試してみて。大変ユニーク!