今週、日刊ゲンダイが、NHK朝ドラのモデルとなった老舗料亭が閉店することを伝え、私はロケ地やロケ場所の「おわコン(終わったコンテンツ)現象」とコメントしました。
発売中の「サンデー毎日」最新号は、NHK大河ドラマの誘致合戦に関する記事を掲載しています。
こちらでも、ドラマ効果によるブームが去ることで発生する「地域のおわコン化」という話をしました。
勝負はドラマが終わってから
NHK大河の熱い“誘致合戦”
観光客増加による経済効果を狙って、NHK大河ドラマの誘致合戦が各地で繰り広げられている。
千葉県館山市が中心となって立ち上げたのは「里見氏大河ドラマ化実行委員会」。曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」刊行200年を迎える2014年に向けて活動を展開していた。来年は福岡市の「軍師勘兵衛」に決まったが、引き続き運動は継続する。
また、京都府と兵庫県の11市町では「NHK大河ドラマ誘致推進協議会」を発足させた。細川ガラシャと明智光秀を中心とする戦国時代のドラマ誘致を目指している。
そこまでするのには理由がある。現在放映中の「八重の桜」は、地域活性化に大きく貢献しているという。
「舞台の会津若松市は、年明け以降、観光客が予想以上に増加。福島県内の経済波及効果は113億円と試算しています」(日本銀行福島支店)
だが良いことばかりでもない。上智大の碓井広義教授(メディア論)が指摘する。
「放送が終了してブームが去ると、その地域が“流行遅れ”のように感じられ、これまで普通に来ていた観光客まで来なくなる。つまり『地域のおわコン(終わったコンテンツ)化』を招くのです」
映画、ドラマのロケ地を巡る「フィルム・ツーリズム」に詳しい元参議院調査情報担当室長の筒井隆志氏もこう言う。
「毎年新しいご当地が生まれますが、放映が終わって時間がたつにつれ、目新しさは失われる。放映翌年の観光客は平均約5%低下する地域が多く、『利家とまつ』の石川県では5年に14%も落ち込みました」(筒井氏)
成功例としては、『江~姫たちの戦国~』の滋賀県。放映終了後も関連情報を発信し、戦国関係のイベントを開くなど地域の魅力をアピールしている。ブームを一過性で終わらせないという意識が強かったのでしょう」(同)
ドラマ終了後からが本当の勝負のようだ。<白神ゆりこ>
(サンデー毎日 2013.07.21号)