碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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週刊現代で、「パナソニック」CM拒否問題についてコメント

2013年07月18日 | メディアでのコメント・論評

『パナ』のCM拒否
テレビ業界の旧すぎる「体質」

「民放が横並びで特定の製品を拒否するというのは、前代未聞です。テレビ局にはユーザー・ファーストという概念がないのでしょうか」(メディア業界に詳しい上智大学の碓井広義教授)

パナソニックが発売した「スマートビエラ」シリーズのCM放映を民放各局が拒否したことが明らかになった。

同製品は電源を入れると放送番組と一緒にウエブサイトなどが画面に表示される新型テレビだが、これが「テレビの起動時にはテレビ映像を画面全体に表示するのが望ましい」という業界のガイドラインに反するというのが民放側の言い分だ。

この点についてスマートテレビに詳しいジャーナリストの西田宗千佳氏が解説する。

「放送局側としては、『テレビ番組とインターネットの情報が同時に流れれば視聴者が混同する』というわけですが、実際に混同するかと言えば、しないですよね。これでは一般の視聴者からの理解は得られないのではないかと思います。また、パナソニックにとっては寝耳に水でしょう」

実際、当のパナソニック側も困惑を隠せずにいる。同社関係者はこう嘆息してみせた。

「発売直後の大事な時期にCMを流せないのは痛いですよ。ガイドラインにあるのは、”望ましい”という曖昧な表現で解釈も分かれます。仮に『スマートビエラ』が”望ましくないことができる商品”だとしても、違反しているというのはちょっと厳しいというのが正直なところです・・・・」

大広告主に対して与えられた前代未聞の対応。この背景に、テレビ局側が持つ驕りとネットへの危機感を指摘するのは、前出の碓井教授だ。

「テレビが『娯楽の王様』だった昔とは状況が全く違います。いまやネットを含むメディア全体の〝ワン・オブ・ゼム〟に過ぎないわけで、テレビ局は自らの立ち位置についての自覚がない。

同時に、スマートテレビの登場で同じ土俵(画面)に並んだ際、ネットに視聴者を奪われないかという不安があるのだと思います。

でもスマートテレビの台頭は、家電であるテレビにとって必然の流れなんです。それをテレビ局がメーカーと一緒に後押ししないで、どうやって今後生き残っていくのか。このままでは、自分で自分の首を絞めることになりかねません」


旧い体質を引きずったままのテレビ局。かつての娯楽の王様は、どうやら「老害」になりつつある。

(週刊現代 2013.07.27/8.03号)

【気まぐれ写真館】 アイスコーヒーの季節 (歐林洞)

2013年07月18日 | 気まぐれ写真館

「出張講義」の帰り道 (鎌倉ミニ散策)

2013年07月18日 | 日々雑感

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館




川喜多映画記念館 




和辻哲郎旧居




鏑木清方記念美術館




多くの映画人が通った、鰻の「つるや」




鎌倉学園高校で「出張講義」

2013年07月18日 | 大学

出張講義
『テレビをつくる テレビをまなぶ』 

日本でテレビ放送が始まったのは1953年のことで、今年は60周年に当たります。テレビは最も身近なメディアとして、様々なことを伝えてきました。そして今、デジタルメディア社会の中で、あらためてテレビの在り方が問われています。

テレビには、本来二つの側面があります。一つは「ものづくり」、つまり「創造」の場であること。もう一つは「ビジネス」、すなわち「産業」の場であることです。

テレビの世界において、この二つが、それぞれどのように行われているのか。そのことが、テレビの受け取り手である皆さんに、どんな影響を与えているのか。また、テレビをはじめとするメディアを学ぶことの意味とは何なのか。一緒に考えてみたいと思います。

●テレビとはどんなメディアか

●テレビ番組を作る

●メディアについて学ぶということ

●高校生の皆さんへ

●質疑応答