碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

とらえどころのなさに戸惑う、宮崎駿監督作品「風立ちぬ」

2013年07月22日 | 映画・ビデオ・映像

楽しみにしていた、宮崎駿監督最新作「風立ちぬ」を観てきました。

で、先に言っちゃうとですねえ・・・・

何だか割り切れない気持ちで、映画館を出ました。

いや、宮崎作品としての見どころはいくつもあります。

「堀越二郎」という実在の人物。

飛行機、そして「飛翔感」。

「ものづくり」という生き方。

「堀辰雄」的世界。

初の「恋愛」映画(ラブシーンだってある)。

関東大震災を通じて描いた「震災」(このシーンの映像がすごい)。

そして、この国が経験した「戦争」・・・・。


しかし、それでも、もやもやした感じは消えません。

私も、子どもの頃からの飛行機好きです。

九式やゼロ戦などの戦闘機も嫌いではありません。

でも、それが飛行機であると同時に兵器であることは、ずっとどこかで引っ掛かっていました。

宮崎監督も、「美しくも呪われた夢」と表現しています。

映画の中の堀越二郎が「自分は美しい飛行機を作っているんだ」と言っても、やはりそれだけでは割り切れないはずで、その辺りを二郎はどう思っていたのか。

戦後、堀越二郎は「自分にも戦争責任があると言われているようだが、私はないと思う」と言ったそうだが、葛藤は本当になかったのか。

また、描かれている“時代”について、宮崎監督はパンフレット巻頭のメッセージで「まことに生きるのに辛い時代だった」と書いています。

そう、震災や戦争ですから、そうかもしれません。

しかし、この映画の中の二郎も菜穂子も、「避暑地の恋」が可能な、堂々の富裕層であり、震災や戦争の厳しさも、いわゆる庶民が味わったそれとはレベルが違うように思います。

それがいけない、と言うわけではないのですが。

まあ、そんなこんなで(端折って言えば)、二郎や菜穂子をはじめとする登場人物たちに、あまり感情移入することが出来ませんでした。

そして、全体の印象が、何とも、とらえどころがないのです。

宮崎監督が伝えたかったことも、私には、いまいちよく分かりませんでした。

残念ですが、これが見終わった直後の正直な感想です。


それにしても、自分の「好きなこと」「好きなもの」を、作品という形で思い切り表現できるなんて、監督冥利に尽きるでしょう。

しかもそれをたくさんの人が、お金を払って観てくれる。

さらに専門家たちも含め、「巨匠の新作」に多くの賛辞が寄せられるのです。

ふと、晩年の頃の黒澤明監督を思い浮かべました。

結果的に最後の作品となった『まあだだよ』(1993年)は、今回と同様、何だか割り切れない気持ちで映画館を出た記憶があります。

「巨匠であり続けることはシンドイことなんだなあ」と、その時も思いました。

とは言いながら、いつも宮崎アニメの新作を待っているし、新作が登場すれば、きっと勇んで観に行く私であります。


選挙特番のこと

2013年07月22日 | テレビ・ラジオ・メディア

選挙は、事前に言われていた予想通りの結果でしたが、ずっと選挙特番を見ていました。

各局を行ったり来たりしながら、番組内容をチェックしていたのですが、一番“滞在時間”が長かったのは、池上彰さんが出ていたテレビ東京でした。



番組としては、「池上教授の政治・選挙講座」と「選挙報道」を合体したような雰囲気(笑)。

それは、もしかしたら政治や選挙に関心が薄いといわれる若者層を意識した作りだったのかもしれません。

上智大学文学部新聞学科の学生(休学中?)である、春香クリスティーンも出ていたし(笑)。



他局が、いつもの報道番組の面々だったことも含め、あまりカラーを感じなかったのに比べ、やはり「池上選挙特番」は見ごたえがありました。


そうそう、フジテレビが途中から「サッカー中継」になったのにはびっくり(笑)。



まあ、横並びの選挙特番を避けてサッカーを見た人は、結構いたかもしれません。

ただ、テレ朝が「世界水泳」の生中継をBS朝日で流していたこともあり、さすがに「フジテレビ、いかがなものか」という感じです。

あとは、守本奈実アナウンサーが、スタジオの大画面をまるでタブレットかスマホみたいに扱いながら(笑)、次々と情報を見せていたNHKが印象に残りました。