橋本環奈を
「紅白司会」に起用したNHKの慧眼
一部マスコミの
“密約”邪推を吹き飛ばす圧倒的な力量
大みそかに行われた「第73回紅白歌合戦」で司会を務めた橋本環奈(23)を評価する声がやまない。橋本は大泉洋(49)、嵐の桜井翔(40)、桑子真帆アナ(35)ら、司会経験者を前に初司会ながら堂々の進行ぶり。〈ハキハキとしていて小気味良かった〉〈優勝は紅組でも白組でもなくて橋本環奈の一人勝ち〉など、ネット上は絶賛のコメントであふれている。
番組冒頭のトークで橋本は、「楽しみですね~」と満面の笑みで登場。「緊張は……してないんだよね!?」と大泉に振られると、「まだ(ニッコリ)。(幕が)開いたら緊張するかも知れない」と言いながらも、目を輝かせて心底ワクワクしているオーラが全開。その後もよどみない曲紹介、大泉との掛け合いなど、明るい雰囲気で場を盛り上げながら、約4時間半の長丁場をほぼノーミスで完走。途中、何度も出場者とのダンスにも参加していた。
例年、紅白の司会は、朝ドラや大河の出演女優など“功労者”が務めるのが慣例だが、橋本の異例の起用には当初、周囲はザワついた。
「『ちむどんどん』の黒島結菜、『カムカムエヴリバディ』の上白石萌音、『鎌倉殿の13人』の小池栄子などが本命視されていたので、今後の朝ドラや大河出演への“密約”を邪推したメディアもあった。広瀬すずや有村架純、綾瀬はるかなど、毎年、緊張しすぎだったり、天然だったり、女優の司会は何かと話題となるが、フタをあけてみれば、圧倒的な力量を見せつけた格好となった」(スポーツ紙芸能担当記者)
早くも“長期政権”の可能性を報じるメディアさえ登場しているが、メディア文化評論家の碓井広義氏も驚きを隠さない。
「緊張しすぎず、笑顔を絶やさず、大泉のことや出演者もフォローしつつで、安心して見ていられました。大御所の郷ひろみ相手に踊ったりしていましたが、進行とダンスなど演じることを素早くスイッチすることも容易ではありません。彼女は、今回の紅白の一番の収穫と言ったら言い過ぎでしょうか。しかし、彼女の潜在能力を見抜いた上での起用なら、これはNHKの慧眼と言っていいと思います」
橋本は2013年、地元福岡のローカルアイドル「Rev.from DVL」で踊っていた「奇跡の一枚」の写真がネットにアップされるや“1000年に1人の逸材”として話題となり一気にブレーク。その後、圧倒的な好感度を武器に、女優、バラエティー、CMと順調に駆け上がり、10年足らずで紅白の司会にまで上り詰めた。
■憧れは戸田恵梨香
ブレーク直後の15年、すでに10社近くのCMに出演し“次世代CMクイーン”と呼ばれていた彼女を取材したアイドル雑誌関係者はこう話す。
「当時、16歳でしたが、10代とは思えない落ち着きがあり、かつ機転が利いていて、すでに大物のオーラが漂っていました。これは単なるアイドルで終わる感じじゃないなと思ったことを覚えています。小学生の時から戸田恵梨香に憧れていることやハスキーな声がコンプレックスであることなどを話していました。『20歳になったらどうしていたい?』の問いには、『何事にも挑戦して、(いつまでも)好奇心旺盛でありたい』と答えていましたが、それを見事に体現してみせましたね」
一夜にして評価爆上げの橋本。卯年の今年は年女。脱兎の勢いで更なる高みへ駆け上がりそうだ。
(日刊ゲンダイ 2023.01.05)