果樹園の風

愛知県豊橋市で無農薬のレモンを栽培している河合果樹園です。
目指せ!楽しむ農業、楽しませる農業!

原点と悪魔のレトリック

2016年04月04日 20時24分21秒 | 日記・エッセイ・コラム
ソメイヨシノが満開となり、梅田川沿いのコントラストが美しい。
堤防から湖西連峰を見渡せば、もこもこと色とりどりのパッチワークに見える。
露地みかんの小さな蕾が顔をのぞかせている。
暖かさと雨で一気に生育が進むが、実はまだ剪定が終わっていないという現実がある。
新芽と蕾を見ながらの剪定になることはもはや確実。
こんな年もないなと、ここのところ一筋縄ではいかない空を見上げる。
今はみかん作りの新しい年に入ったばかりの時期、
不安は物事を考える原点になり、時間とともに希望が生まれ、
まだ見ぬ豊穣の時に期待を膨らませる。
一生の間にそう多くない経験のルーティーン階段を少しずつ上る。


無農薬レモンの剪定は、まるでおもりをつけられたような
肩や肘の痛みをだましながら終えることができた。
1月の異常低温のせいだろうか、細い枝から直接蕾が出ていた。
このままいくと花を咲かすのにエネルギーを使い果たし、
レモンの木はぐんぐん弱っていくことになる。
そのため、蕾を落とす作業をすることに。
寒さにやられて落葉した枝の蕾を、すーとなでるように引いてすべて落とす。
意外と楽に落ちるが、判断スピードの要求値は高い。
状態が悪いと再度蕾が出てくることがあるが、先のことを考えたらできない。
心の中の悪魔はささやきの中に、いつもレトリックを使う。
無農薬レモン作りは楽=楽しいという公式は成り立たない。
甘い言葉をやり過ごしながら、いつも罪悪感なしの作業をしていきたい。

河合果樹園 http://kawaikajuen.jp/






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