河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

烏金(からすがね)

2007-11-12 23:22:22 | 読書(小説)
西條奈加、光文社。
烏金、とは、朝借りて夕方返すお金のこと。
「おれ」こと浅吉が、声をかけた金貸し婆お吟。
浅吉は、お吟の仕事を手伝い、家に居座るのだが、
彼が語らない過去、お吟との関係は、何か。
借金の借り方とか利子の付けられぶりとか、
江戸時代版金融雑学付き。面白い。
さらには、借金を返して行くにはどうしたらいいのかとか、
なんだかんだいって人情篤い浅吉の対応ぶりも興味深い。
そして、浅吉の正体は。
彼の身の回りの恋は全部ダメになっちゃうあたりは、
ほかが全部ハッピーエンドなだけに、あれれ、という感じ。
作者はぱっと見、名前で女性かと思ったけど、たぶん違うな。
烏だとか孤児だとか花魁だとかいろんなものが出てくる。
ただ、最後の山を売る云々は、そういう、土地に値段があるって概念、
江戸時代にはなかったんじゃなかったっけ?と思ったが、まあいいや。
コメント
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