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河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

ホワイト・ティース

2008-04-17 22:51:56 | 読書(小説)
ゼイティー・スミス、新潮クレストブックス。
ジャマイカ人とイギリス人の混血女性が書いた、
世紀末ノンストップノベル。っていっていいのか?
主人公は、アーチーなんだろうな。
白人の、木訥なおじさん。彼が自殺未遂するところから始まる。
彼は、ジャマイカ人の混血女性クララと出会い、
けっこうな年の差にもかかわらず結婚し、女の子が生まれる。
もう一人、アーチーの親友、サマード。ベンガル人。
イギリス軍で戦争に行った経験を共有する二人は、
無二の親友となっている。
物語は、二人の3人の子どもたち、アーチーの娘、アイリーと、
サマードの双子の息子、マジドとミラトが成長し、
チャルフェン一家と関わりを持つようになったところから急速に動き出す。
作者、24歳の時に書いたらしいけど、おじさんたちの心理や、
白人、ベンガル人、ジャマイカ人たちの心理を、飄々と描く。
アーチーのような、人種の差異に偏見のない人は少ないけど、
この物語の中で、悩めるベンガル人もジャマイカ人も白人も、
ホントに同じ舞台に立っていて、とても好感が持てる。
人間描写だけでなく、宗教や動物学などストーリーもスケールがでかい。
上下巻、けっこう分厚かったけど、面白かったよ。
コメント
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