河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

桐島、部活やめるってよ

2023-07-21 22:52:50 | 読書(小説)
朝井リョウ、集英社文庫。
2010年に作者が大学生の時、
出版されて賞を取って、ってあたりは、
知っていたけど、読んだことなかった。
19歳が描く17歳の風景ってなあ。とか思ってた。
実際、若いねえ、って感じの話ではあるのだが、
17歳がいろんなことくちゃくちゃ考えているあたりがとてもリアル。
スクールカースト上位の子等が多めだが、
彼らのうちの一人、宏樹を眩しく照らすのは、
自分は下位だと思っている前田だ。
物語は、バレーボール部の部長でリベロの桐島が
どうやら部活を辞めたらしい、というところから
始まり、5人の目線から語られる物語は、
桐島がいる世界だけど、各々が主人公の別の話。
彼が辞めたことへの波紋は大小あるけど、
各人が自分のことで色々悶々としてる。
そして、何かすごい進展があるわけでなく、
数日間でお話は終わるけど、
もっと読んでいたいような、
他の子の目線も見たいなあという感じ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

牛と土 福島、3.11その後。

2023-07-21 22:39:52 | 読書(その他)
眞並恭介、集英社文庫。
これまた積読だった本。
2018年、出た時に読んでれば。
なんとなく、愛護寄りなんだと思ってた。
全然違っててごめんなさい。
東日本大震災の後の福島の原発事故で、
人が皆避難してしまった土地で、
被曝しながら、通い詰め、または住み続け、
牛に餌をやり続けた牛飼いたちがいた。
多分、当事者たちの生の声は、作者のフィルターを
通して、かなりマイルドになって気がする。
そのおかげで最後まで読み切れた部分もあるかも。
どうしたって、産業動物は利用してナンボなので、
利用価値のないものを、生かし続けておくためには、
何某かの理由が必要なのは、税金を使うのであれば
必要なことかもしれない。
ただ、俺が責任持つから、やっちまえ!っていう
決定権を持った人が、近年この日本にはいないし、
結局自己責任って黙認するしかないのだ。
牛たちを放牧することで、田んぼは田んぼのまま維持されるという、
放牧地や田んぼは、「自然」ではないのだが、
里山的な手入れ前提の自然というふうに思ってるのかな。
そういうことにしとこう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする