河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

君たちはどう生きるか

2023-08-21 20:09:41 | 読書(小説)
吉野源三郎、岩波文庫。
宮﨑駿の映画を見て、もう一回見るなら、
この本読んでからにしようと思って。

なんか、思ったより面白い本だった。
想定されている読者は、コペル君のように
金持ち、上層階級だったのだろうか。
今は、たくさんの人が大学に行くようになったけど、
これ読んで共感する読者はこの辺りになるのかな。

上層階級目線ではあるけれど、とてもフラット。
デパートの屋上から下界を眺めて、
あの屋根の下、それぞれに、人がいると気づく。
宮﨑駿も好きなテグジュペリの南方郵便機にもそういうのあったなあ。
粉ミルクが自分の手元に届くまでの、人間の数に思いを馳せたり。
友達との約束と友情、後悔や苦悩、
痛みを感じて初めて、健康に気づくだとか、
哲学、倫理学の初歩の読本という立ち位置がよくわかる。

アニメ映画にどの辺が影響したかってのは、
よくわからないなあ。
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片喰と黄金10

2023-08-21 20:01:11 | 読書(マンガ)
完結。
カリフォルニアに到着するまでの、
いろんな人の、それぞれの葛藤。
ラスト2話でそんな展開になって、
ほんとに終わるのか!?って思ったけど、
思いの外キレイに終わって、
それは最後の後日譚でさらにまとめる。
後日譚の、実在のあの人や架空のあの人の訃報とか、
4コマや一コマでさっくり描かれるのだが、
4コマのオチがあんなにしんみりするのも珍しい。
そして、後日譚の登場人物が思い出せないので、
もう一回読み直してみる。
人が、成長して、怒りが全ての原動力だった人が、
怒りだけじゃなくなっているという説明が、
なんか、幾つになっても成長するっていいよね、と思わせてくれる。
主人公の目玉ぐるぐる模様は結局そういう模様だったんか。
飢餓状態がさせているのかと思ってたけど。
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