河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

波の鼓動と風の歌

2024-09-18 20:49:56 | 読書(小説)

佐藤さくら、集英社文庫。
異世界流離譚。
引っ込み思案の女子高生ナギは、
遠足でやってきた先の湖に転落して、
気づくと、人と獣が混じった「まじりもの」の姿で
異世界に来ていた。
人として扱われず、奴隷として労働に駆り出されていたが、
暴動が起き、サージェという紺碧の瞳を持つ少年に助け出される。
陸地が、王柱と呼ばれる柱で支えられ、崖下は星の海という世界。
サージェは「聖王」の生まれ変わりだとして都を目指すが。

王柱は、文字通り、王が身を捧げてできるという。
この先どうなるんだろう、ナギは帰れるのか、帰る気あるのか?
というあたりは一通り解決を見るが、
結構なオープニングとも言える。同級生のありさはどうなった。
しかし、帯には「令和の「ナルニア国物語」」とか、
解説には「「十二国記」を思い出す」とか、ひどすぎんか。
結構オリジナリティあって面白いのに。
ちょっとひかわ玲子の「九大陸物語」を思い出したけど。

相変わらずこの作者は愛すべきダメ人間を描くのがうまいけど、
いつになくかっこいい王様が出てきたな。

コメント
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