遊びをせんとや

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あきない世傳 金と銀 ~名古屋の女呉服店主~

2024-01-28 07:21:01 | ブックリスト

図書館で借りたあきない世傳 金と銀 12巻、13巻読了。
読み始めたら途中であまり止められない。
これで一旦物語は大円団を迎えるが、特別編が短編集として上下巻出るということですでに上巻が出版されている。
慌てて、予約を入れるも、10冊あって150番目。出遅れた。

この小説には波乱万丈な女主人公の物語の面白さもさることながら、江戸中期の昔の商家の暮しが細かく描かれている。
季節の移ろいや鳴く鳥の声、吹く風、雨。季節の食べ物。その頃の食生活。
読んでいるだけでタイムスリップしたみたい。
暖房も十分でなく、クーラーもなかったその暮しに根差した衣類。暑さ、寒さをしのぎ、その人らしさを表現する衣類の工夫。
そんな江戸日常の庶民の生活が興味深い。
そして主人公が江戸に店を出してからは歌舞伎や相撲の話がでてきたり、して楽しい。特に歌舞伎役者が着る着物の模様や色も流行の元になるというのが面白い。「江戸の粋」が上手く使われている。

この小説、実は元になった実話があるそうだ。
調てみると名古屋のいとう呉服店というのちに松坂屋になった呉服店の伊藤宇多という女主人。
本当に二兄弟に嫁ぎ、早世した夫に代わって10代目店主になりはってまた婿養子を迎え、その人に11代目を繋いだそうだ。
見事な中継ぎ。

その時に生きた家訓が功を奏した。その家訓とは
訓は、八代目祐清が家督相続した時に、隠居していた五代目の祐寿が定めたもので、主人としての心得を説いた内容だ。主人に了見違いがある時は、別家が意見すること、身持ちの悪い主人だった場合は隠居させることなど、別家の役割を重んじた内容になっている。この家訓の末尾には別家が署判していて、この趣旨を守ることを誓わせている。つまり、この家訓は、当主と別家が協力して行うことを誓約したものだった。このように、当主と別家が署判するのは後にも度々行われた。
愛知千年企業(江戸時代編)というHPより。このHP面白いです。
https://www.nagoya-rekishi.com/chapter3/nagoyasyounin/06-1.html

こういう客観的な視点を交えて家が成り立つ当主を立てて長い間家を存続させたのだ。

テレビもシーズン1は来週で最終話を迎える。できたら最後までやってほしいな。

第1巻から読んでみようと思う。

昨日の晩御飯はカレー。牛すね肉。


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