遊びをせんとや

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ふりさけ見れば ~壮大な物語~

2024-01-18 06:28:22 | ブックリスト
図書館で予約を入れて、先に下巻が来てしまい、一度返却して上巻から読みだしたのが去年の暮。
タイミングよく下巻も借りることが出来て読了。

安倍龍太郎著 「ふりさけ見れば」


新聞書評欄に載っていたので、読みたいなと思ったので予約。
最初読み始めからストーリーが巧みで、文章にリズムもあるので引き込まれた。
何しろ長編であるのと中国名の漢字が頭に入ってこないので登場人物が頭に入らない。
でも、主要人物は書き込んであるので筋書は解りやすい。

激動の平城京時代。唐との関係や遣唐使の詳細。玄宗皇帝、楊貴妃。聖武天皇など日本と中国の歴史の変換期を上手く描いてあると思う。感心した。

登場人物が豪華。

阿倍仲麻呂と吉備真備が主人公で波乱万丈の人生がまさに日本と中国の歴史と絡む。

私がこの本を読み始めたのは吉備真備について知りたかったからだ。
吉備大臣入唐絵巻のユーモラスな内容。いったいどんな人だったんだろうかと興味が尽きなかった。

写真はwebからお借りしました。
これが吉備大臣入唐絵巻である。現在はボストン美術館にある。前が阿倍仲麻呂で後ろが吉備真備である。ひゅーと飛んで行く。
一緒に遣唐使として唐に渡り、鬼に化した阿倍仲麻呂の助けを借り色々な難題を解決していく。碁の勝負をして「あっ」と驚かせて相手の視線を外し、碁石を飲みこんでいしまうなんて子供が思いつきそうな手段でどんどん出世していく。ある意味ファンタジーな物語の主人公。そんな伝承の生まれる物語の主人公ってどんな人だったんだろうと。

実際二人は遣唐使で唐に渡り、吉備真備は日本に帰り、右大臣にまで登りつめた人で81歳の長寿を全うした。
岡山県の生まれ。

阿倍仲麻呂は日本に帰る舟が難破してベトナムに流され、最後はベトナムの役職に就きその地に73歳で亡くなる。

その間の鑑真和尚来日もあり、安禄山の乱あり、楊貴妃の物語もあり、縦に横に物語は壮大に編まれていくが、ストーリーが明快なので読みやすく「この時代、そうだったんだ。」と興味は尽きない。

特に私が感心したのは阿倍仲麻呂が文書をビジュアルで瞬時に記憶できる天才で、武芸にも優れ、人物も申分ない人格者だったので唐の政治の中心で重宝されたという点である。どんどん出世していったのである。
外国人でも能力のある者は取り入れるという大陸のおおらかさがすごいなと思った。
日本では考えられない。

というわけで波乱万丈のその時代、是非大河で取り上げていただきたいと思う次第。
主人公二人はなかなかキャスティングが難しいかな。

昨日の晩御飯はお昼が外食だったのでカラスガレイの煮つけ、豆腐とネギ。シイタケの玉吸。ほうれん草のバターソテー。トマト、キュウリの糠漬け。蓮根、人参、ゴボウのきんぴら。




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2 コメント

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Unknown (motamota)
2024-01-21 10:35:49
日経新聞の連載で読みました。
阿倍仲麻呂が身体能力もすごくて超能力者か?の特殊技能もあって、モテモテで…実際こんな感じだったのでしょうか?
面白かったです。
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普通の人ではない (kayorin)
2024-01-21 14:55:18
motamotaさんコメントありがとうございます。

ブログには書き忘れましたが、今大河の「光る君へ」に出てくるユースケサンタマリアの安倍晴明は阿部仲麻呂の子孫といわれているようです。

さすが!
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