遊びをせんとや

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逃げても、逃げてもシェイクスピア 翻訳家・松岡和子の仕事 草生亜紀子著

2024-07-02 07:18:21 | ブックリスト

新聞の書評欄に載っていたのですぐに図書館で予約。その時、2位だったのでわりと早くに回ってきた。

松岡和子。蜷川幸雄や野田秀樹のシェイクスピア劇の脚本家。
でも私、観てないな。

読んでみるととても面白かった。
彼女がほんの小さい頃、中国から命からがら母親と逃げてきて、九死に一生を得て、
またソ連に捕虜として捕まっていた父も戦後、11年経って生きて帰ってきた。
この事実が凄い。
彼女の母が3人の乳飲み子を含めた幼児を抱えながら職を得て、働き、生計を立て、子どもを育てて、101歳まで生き切る。
帰国した父親も脅威の記憶力でソ連抑留時代の記録を出版し、90代の天命を全うしたことにも感動した。
凄い強い人達だし、父親が職を得た後は母は潔く職を辞し、好きに暮らしたというのも素敵だ。
環境に沿って自分を自在に変えていくしなやかさも見習いたい。

松岡和子自身も20代の前半で結婚し、2人の子供を産み、それでもしたいことにまい進する。
この本には、旦那さんとの葛藤があったことも書かれている。
海外で膨大な数の演劇を観て、どんどんシェイクスピアの翻訳を出版していく彼女に嫉妬したこともあるようだ。
やっぱり、大変だな。
それでも若い弟を見送り、旦那を自宅で看病し、自分のやりたい事をしなやかにやり遂げていく姿は清々しい。

よく考えたら私、シェイクスピアの演劇って観たことはなかった。
ちょっと読んでみようかなと松岡和子のシェイクスピア関連の本を借りてきた。


河合隼雄との対談「怪読シェイクスピア」これも面白かった。
シェイクスピアは実在の事件を元に戯曲を書いているのを初めて知った。日本の江戸時代の戯作者と同じだ。
ジュリエットは実際の事件だは16歳だが14歳にしたことに大きな思春期の問題があるとか。17世紀に書かれた戯曲には人間の本質が宿っている。だから膨大な数の戯曲からシェイクスピアが残ってきたのだと書かれていた。
日本語に英語のような未来形がないとも書かれていた。言葉の成り立ちはとても深い。なるほど。

もう一冊は「深読みシェイクスピア」これは未読。

ちょっとこの夏はシェイクスピアの戯曲でも読んでみようかな。松岡和子の訳で。

買い物に行く道で見つけたまさに朝顔

ひまわりとの対比の色が夏

昨日の晩御飯、焼き鮭。サニーレタス、ワカメのサラダ。白菜、人参、セロリの葉のお味噌汁。糸コン、焼き豆腐、玉ねぎの煮物。





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