■■茶席での沈思黙考 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.118 昼休みのブログ<o:p></o:p>
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昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>
昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。<o:p></o:p>
【本書の読み方】 脚注参照<o:p></o:p>
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■11 新しい企業作り 3 通算118回 茶席での沈思黙考 <o:p></o:p>
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印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。<o:p></o:p>
竹根と幸が初めて会ったのは、1970年代半ばである。場所はロスアンゼルスの空港で会った。幸が預け入れたスーツケースがなくなるという、20代後半の、海外経験のない二人にいきなりトラブルが襲ってきたのである。<o:p></o:p>
それから10年の年月を経て、竹根の講演会の席で偶然二人は再会するのである。社長になっていた幸は、それを機に、竹根に顧問就任を依頼する。社内の反対があったが、ようやく顧問契約が成立し、幹部を対象とした社内研修を体験する。<o:p></o:p>
竹根の提案した五カ年計画を審議する取締役会が始まった。幸が議案説明をすると、驚きの声が会議場に上がった。それもそのはず、「ノンファブリック」等という印刷業界では聞いたことのない提案であった。当然のことながら賛否両論で、意見は真っ二つに割れた。反対派の急先鋒は、やはり筆頭常務の金山工場長であった。<o:p></o:p>
しかし、竹根の論理的な説明に一同は納得し、ノンファブリック戦略の実子が決定された。<o:p></o:p>
第11話「新しい企業作り」は、現代の戻り、東京の靖国神社境内である。経営コンサルタントの竹根に誘われて、印刷会社ラッキーの幸社長が肩を並べて散策をしている。<o:p></o:p>
散策をしながら、幸は竹根のブログへの取り組み姿勢について質問をし、自社にも参考になると考えた。<o:p></o:p>
竹根に誘われて幸は、洗心亭という靖国神社境内にある茶室に入った。茶道の経験のない幸は、竹根の言葉で観念をしてその席に着いた。<o:p></o:p>
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【現代】 <o:p></o:p>
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程なく茶が出され、あまり仰々しくなく飲めたからか、このような席で初めて飲むお茶はおいしいとは言えないまでも、何となく茶を楽しむ人たちの気持ちがわかるような気がした。気持ちが落ち着いてきた幸は、これまで体験したことのない茶席という雰囲気の中で、また竹根との再会の頃の世界に戻った。<o:p></o:p>
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――あのときは、竹根先生の顧問就任や経営計画は、幸いなことに満場一致で可決された。竹根先生の支援があればこそ、役員会がスムーズに諮れたが、決定事項をうまく推進できるのかどうか、あのあと不安でならなかったな。不安に襲われ眠れなかったことも多かったな――<o:p></o:p>
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幸の思い出は、まだ続いた。<o:p></o:p>
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――世間では、中小企業が、経営コンサルタントを入れると引っかき回されたり、かえって経営が苦しくなることもあるということも情報としてあちらこちらから入ってきたから、余計心配になってしまったな。ひどい時には、魅力ある中小企業を買収するという大手企業へのサービスも経営コンサルタントが担当するということも聞いていたのでそんな心配もした。本当に自分の決断が正しく、またラッキーという自分の会社が新しい企業に生まれ変われるのだろうかと竹根先生を疑るようなことも考えたな――<o:p></o:p>
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幸の無言をしずかに見守っている竹根に気がついて、幸は我に返った。<o:p></o:p>
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竹根に促されて、池の見える側に席を移した。水面をじっと見ている間に再び昔の世界に沈んでいった。<o:p></o:p>
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< 次回に続く お楽しみに ><o:p></o:p>
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■■ 脚注<o:p></o:p>
本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。<o:p></o:p>
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