kenharuの日記

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冷燻の水分量

2013-01-08 | 食べ物
チャンスがあれば、冷燻で「生ハム」を作ってみたいと思っている。
しかし、生ハム作りは、1ヶ月間も燻煙をかけ続けなければならない。
頻繁にクルマ旅に出る今の生活では、残念ながら作れそうもない。

昔読んだ立花隆の「農協」という本に、日本の生ハムは水ぶくれだという話が出ていた。
ハム業界の過当競争が、水増しで重さを稼ぐ「水ぶくれ生ハム」を生み出しているというのである。

生ハムというのは、本来が塩漬け肉なのだから、生肉よりも水分が少なくなるはずなのに、調味料と称する水を含ませて、生肉よりも水分量が多くなっているのだそうだ。
たしかに、市販の薄切り生ハムにはビショ濡れのものが多い。

食肉業界では、肉の重さを増やすために、水を注射してマッサージ機にかけるということが行われていたらしい。
水増しで重さを1%増やせば、増えた分の売上げが、まるまる利益になるのだから、やりたくなる気持ちはわからないでもない。

何年か前、「鶏肉に注射針で水を注入していた業者が摘発された」という新聞記事を見たことがあるから、今でもどこかで行われていそうだ。
実際、スーパーで買った豚ロース肉がやたらに水っぽくて、フライパンで焼いたら、透明な水がどんどん滲み出てくるのに驚いた経験がある。
浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ、である。

ところで、冷燻サーモンの話。
燻製の勉強のため、スーパーで出来合いのスモークサーモンを買って、食べ比べているのだが、「水増し生ハム」と同じように、水浸し状態の製品が多い。
ボクが作るスモークサーモンは、塩漬けと風乾で肉が締まっていて、ネットリとした食感に仕上がる。
ところが面白いことに、カミさんは「刺身みたいに水っぽい方が美味しい」と言う。

まっとうな作り方や伝統的な作り方が喜ばれるとは、必ずしも言えないのである。
調味料と称する水を注射して、業者と消費者の両方が旨みを感じるのなら、良い話なのかもしれない。

というわけで、今日はカミさんの希望に応えるべく、水分量の多いスモークサーモン作りに挑戦してみた。
醤油ベースで塩分の強い液に短時間漬け、扇風機の強風で手早く表面だけを乾かして油を塗り、濃厚な燻煙で2時間ほど燻して・・・刺身なみに水分のあるスモークサーモンを作った。

なかなか良い感じである。
燻煙が済んだら、風に当てたりせずに、すぐにラップで包んで冷蔵庫で寝かせ、塩分と燻煙成分を内部に浸透させる。

数日後が楽しみだ。
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