「吉本隆明、死去。」
のニュースが流れましたね。
埴谷雄高が逝き、江藤淳が逝き、
鮎川信夫、小川国夫が逝き、
そして清水昶も昨年
ひっそりと逝ってしまいました。
次々といなくなってしまいます。
新刊本が出れば
ほぼ必ず買う著作家は
吉本隆明、古井由吉、柄谷行人、
中井久夫あたりでしょうか。
生前、最後の新刊本でしょう。↓ たぶん。
吉本隆明の本は
20代の頃からの長いつきあいです。
「固有時との対話」から
「転位のための十編」への展開が
なべさんにとって
最も印象深いものです。
深く深く潜れるだけ潜り、
反転してまっすぐに
水面に浮かび上がったとき
歴史と火花を散らした!
そんなイメージを持っています。
何年か前に、吉本が
溺れて死にかけたという
伊豆の土肥の海を、
その後度々訪れることがあります。
その度に
「あ~ここが吉本が死にかけた海や。」
と、なぜだかしみじみと眺めておりました。
なべさんの友人O氏は
なべさん以上に吉本ファンでありました。
何時間でも吉本の話が
尽きない友人でありましたね。
「吉本の自宅付近まで行って
路地を歩く吉本を見かけたんやけど、、、。」
と、学生時代の話も聞かされました。
その友人も2年前に亡くなって、今や
「吉本亡くなったよね。」
と、お酒を酌み交わす相手もおりませんな。
87歳だったとか。
充分生きて最後まで働いたのだと思います。
(寂しいけど。)