歩いているときと違って、泳いでいるときは、何かについて集中して考えることはむずかしい。むしろ、余計な考えを追い払って、泳ぐことそのことに集中することで、心身のリフレッシュ効果が得られる。
毎日泳ぎながら、手足の動かし方や位置、肩や上体が水面からどれだけ出ているか、腰のひねり方、キックのタイミングや頻度などに注意を払い、ターンの度に泳ぎ方を微調整し、それによってスピードがどれくらい変化するか、水中での体感がどのように変化するか、自己観察している。よく水に乗れているときは、それらの微調整もうまくいっているときなのだが、逆に、どう微調整しても体が重く、水に乗れないときもある。
その日の調子は、プールによっても違うし、水深・水温・水質によっても違ってくる。屋外プールの場合、当然のことながら、外気温・天候にも左右される。日常的に利用している二つのプールは、どちらも設備としては悪くないのだが、パリに住んでいた頃に通っていたいくつかのプールに比べると、なぜかちょっと泳ぎにくく感じる。原因はよくわからない。