二〇一三年六月二日に始めたこのブログは今日から五年目に入ります。この四年間毎日投稿し、何回かは日に二つの記事を投稿したこともありましたから、記事総数は千五百本あまりになりました。
随分いろいろ書いたようにも思いますが、まだ四年間ですし、いつも言うように、浅学菲才は如何ともしがたく、旧記事を読み返して、なんだこんなことしか書けていなかったのかと、自分が情けなくなることも一再ならずあります。それでも、自己満足にすぎないとしても、自分で気に入っている記事もなくはありません。
最初は、当時の精神的危機をなんとか自力で乗り越えるために、いわば自己治療法として書き始めたに過ぎませんでした。いつまで続くか自分でもわかりませんでした。ただ、もともと文章を書くことには職業柄慣れてはいましたし、ブログを始める以前にすでにそれなりに文章修業は積んできてはいました。
しかし、毎日ブログの記事を書くことが習慣化したことによって、そこに書くことが研究ノート・講義ノート・読書記録などになったり、あるいはもっと自由な思索の実践になったりして、今ではすっかり自分の生活の欠かせない一部になっています。それには、拙ブログの記事を読んでくださる方がいらっしゃるということも大きく与っています。もし、自分だけが見るノートとして書き始めていたとしたら、ここまで続かなかったのではないかと思っています。
あるテーマについて連載の形で書くことは、一定の問題について、それぞれの日に何があろうとも、とにかく毎日考え続けることを可能にしてくれます。そのときの思いつきや感想をただ記すだけであっても、そのことが自ずと自分を対象化し、自分を観察することを可能にしてくれます。読んだ本について記事を書くことは、読み方をより積極的・生産的なものにしてくれます。いずれの場合も、書くことと考えることとが追いつ追われつしていて、随想録になったり、随録想になったりしています。
日暮れて途遠しの感は日に日に強まるばかりですが、その日その日に考えることをこれからも毎日書き続けていくつもりです。