内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

ENOJP第三回国際シンポジウム三日目 ― 遅刻・遅延・入替え・短縮、しかし、何とか最終プログラム無事終了した……と思う

2017-11-04 21:39:21 | 雑感

 三日目最終日の今日は、場所をソルボンヌに移しての一日だった。午前中のセッションの司会進行を頼まれていたので、早めにホテルを出る。開始予定時刻四十五分前に会場の階段教室バシュラールに着く。そのときに二三の知り合いの参加者と一緒になる。三々五々と聴衆が集まってくる。
 ところが、今日一日のプログラムの辞を述べられるパリ第一パンテオン・ソルボンヌ大学哲学部の教授がいらして、さあ開始という時間になっても、最初の発表者である十七世紀・十八世紀哲学のスペシャリストで同大の准教授である先生がまだ会場に姿を見せない。開会の辞の後、シンポジウムの責任者と相談して、少し待つことにした。
 しかし、五分過ぎても現れないし、携帯にも連絡がつかない。このまま待っていてもいつ来るかわからないので、二番目の発表者から始めることにする。その発表が終わったところで、第一発表者が交通機関の麻痺で足止めをくらっていることがようやくわかる。どれだけ遅れるか予測できないので、そのことを会場にアナウンスしてから、第三発表者にマイクを渡す。
 この時点で予定より十五分以上遅れている。第三発表者の発表が私の時間制限の指示にもかかわらず長引き、質疑応答も長かったので、それが終わった時点で三十分の遅れ。
 予定ではここでコーヒーブレイクの予定だったが、まだその部屋の準備ができていないとのことだったので、ブレイク後の第二セッションの第一発表者に繰り上げて発表してもらうことにする。その発表中にようやく第一セッションの第一発表者が到着。第二セッション第一発表者が時間をきちんと守ってくれたのでさらなる遅れを出さずに済んだ。そこままで私はお役御免。三十分取っておいたコーヒーブレイクの時間を二十分に短縮し、昼食前の残り二つの発表を始める。結局、遅刻してきた第一セッションの第一発表者の発表を最後にする。
 これが制限時間を大幅に越えてしまった。しかし、内容そのものは大変に面白いものであった。
 招待客だけのレストランでの会食が始まったのはもう午後二時近かった。一時間あまりでまた会場に戻らなくてはならない。
 ちょうど席が最後の発表者である先生の真向かいになったので、いろいろお話できたのは幸いだった。もしかすると、ソルボンヌで日本哲学について私が発表する機会が近い将来に生まれるかもしれない。
 開始時刻を一時間遅らせた午後の部には、三つのパネルが同時に組まれていた。それを何とか終えて、最後の閉会講演が五時十五分過ぎに始まった。イナルコの教授による日本語の哲学的可能性についての大変に刺激的かつ示唆に富む話を聴くことができた。
 しかし、一旦ホテルに荷物を取りに帰ってから東駅まで移動する時間を考えると、その後の質疑応答までは残るのはリスクを伴う。それで、それこそ後ろ髪引かれる思いで会場を後にする。
 ホテルにバスで戻り、預けておいた荷物を引き取り、メトロを乗り継いで東駅に向かう。車内はかなり混んでいたが滞りなく駅まで移動できた。結果として、乗車するTGVの発車時刻五十分前には到着できた。
 今日もう一泊すれば、こんな慌ただしい思いをせず、シンポジウム責任者たちの労をねぎらい、打ち上げにも参加できたのだが、万聖節の休暇が開ける来週月曜日からまた忙しい毎日がクリスマス直前まで続くことを考えると、明日日曜日は少しだけ家でゆっくり体を休めたほうがよいと判断し、土曜日の最終TGVでストラスブールに帰ることにした。
 今頃は打ち上げで大いに盛り上がっていることだろう(正直、ちょっと羨ましい)。
 車中から、シンポジウムの成功を心より祝福します。シンポジウム責任者たちをはじめ、この数ヶ月様々な準備のために献身的に尽力されたすべての方たちに衷心からの感謝を申し上げます。みんな、ありがとう!

(この記事はTGVの中で書き、投稿した