内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

パリ・ナンテール大学シンポジウム初日 ― つまりは「佳き一日」

2022-12-01 23:59:59 | 雑感

 午前中のストラスブールでの授業をいつもより少し早めに切り上げ(それを嫌がる学生はいない)、路面電車でストラスブール中央駅まで移動。そこまでは問題なし。ところが、電光掲示板を見ると、乗る予定のTGVは15分の遅れ。やれやれ。まあ、ドイツのシュトゥットガルト発のTGVには割りと頻繁にあることだ。
 省エネのためなのか、駅構内の暖房が切ってあり、構内広場に立っていると、じっとしていられないほど寒い。小刻みに足を動かして、時間が過ぎるのを待つ。到着番線が掲示され、ホームに移動するが、そこは吹きさらし、さらに寒い。そこで10分以上待たされる。
 予定時刻から20分くらい遅れて、ようやく静静と発車。遅れを取り戻す努力をするつもりがなかったようで、パリ東駅に着いたのは予定時刻より25分おくれの14時30分。まあ自分の発表時間には余裕で間に合うからいいか、といったところ。
 ところが、地下鉄4番線に乗ってシャトレー・レ・アルまで移動しようとしたら、「隣駅のホーム上の自動開閉扉が故障し、現在修理中でいつ回復するかわかりません」とのアナウンス。思わず舌打ちする。扉が開いたままだった車両から降りて7番線に移動。こちらはちゃんと動いているよう。オペラで下車、駅構内を RER A 線の Auber 駅まで歩いて移動。
 パリ・ナンテール大学方面行きは通常運行しているようだ。ところが他方面に向かう線で事故があり、途中から運行停止中。そのためにその方面(かつての職場に向かう電車で、8年間よく利用したもので、アクシデントは日常茶飯事と心得ている)に向かう電車が折り返し運転をしており、その影響が私の乗りたい路線にも影響を及ぼしている模様。Auber 駅に乗りたい電車が到着したのはいいものの、5分ほど停車したまま、なんのアナウンスもない。
 一旦その電車が動き出してからは Nanterre Université 駅まで順調に運行。結果として、発表開始時間20分前には会場に到着することができた。まあ、こんなもんですね、パリというところは。
 発表そのものは会心の出来(テーマが十八番だったということもありますが)。発表後の質問も多数。しかも哲学部の院生たちからの当を得た質問ばかりで、答え甲斐があった。
 私の発表が初日最後の発表だった。終了後、主催者・発表者たち6人とパリ5区のカルティエ・ラタンの中心にあるレストランで会食。予約に手違いがあり、予定していたレストランに付属するバーに移動させられたが、事実上貸し切り状態で、約二時間余り、大いに歓談。楽しかった。
 ホテルまで移動するために4番線に最寄り駅のサン・ミッシェルから乗ろうとしたら、主催者の教授から少し先の駅まで歩かないかと誘われたので、ライトアップされたノートルダム大聖堂のファサードを右手に見ながら(修復工事はかなり進捗しているようだ)、サン・ミッシェル橋を渡り、シャトレー・レ・アルの駅前で、「じゃぁ、明日また」と、教授と別れて、東駅からさらに北に4駅先の駅近くのホテルに向かう。
 つまりは、佳き一日でありました。