今日も風は冷たいが青空が広がり、初冬らしい日和となった。
空を見上げると、時々雲が流れてくるが、大きく広がることはなかった。
どちらの空でも巨大なクレーンが、休みなく資材を吊り上げているのは、いつもと変わらぬ風景だ。
久しぶりに、円空仏彫刻の基本となる千面菩薩の練習をした。
荒子観音寺には、円空が仁王像を彫った時に出た木っ端で作ったと言われる、千面菩薩が数多く所蔵されている。
木っ端仏とも呼ばれる小さな像は、デザインが簡素化され、粗々しい鑿跡を残しながも、優しい微笑みをたたえている。
三角柱の木片を、手数少なく大胆に彫れと先輩に教わっているが、未だにコツが呑み込めない。
作り手の顔に似るとか、心穏やかに彫れば微笑みも自然に出てくると、先輩に言われているが、その境地には未だ至らない。