久しぶりで虫えい(虫こぶ)の話題です。
先日、会議があって前橋市役所の脇を通った時、クヌギに灰褐色の綿毛が球形状になって桃紅色の斑点があるクヌギハナカイメンフシがたくさん付いているのに気が付きました。その時は雨が降っていて撮影が出来なかったので昨日撮り直してきました。1週間くらいの間で雄花穂の多くは落下し色も褪せてきて完熟虫えいに近づいてしましました。
クヌギハナカイメンフシは「クヌギハナカイメンタマバチ」が雄花に作った虫えいです。つまり、クヌギのハナ(雄花)に作られたカイメン(海綿)状の虫えい(フシ)という命名です。
虫えいは芽吹きとともに現れ5月下旬頃に熟して成虫が現れます。この時は雌雄の成虫が現れます(両性世代)。そして、これらの成虫はクヌギの葉裏に産卵します。
葉裏に産卵されたものは7月中旬頃から赤褐色の球形で表面に微毛が生えた虫えいを作り始めます。こちらはクヌギハケタマフシと呼ばれます。虫えいを形成するタマバチも「クヌギハケタマバチ」と呼ばれ単性世代だそうです。(下の写真は昨年の夏に同じ木で撮影したものです)
葉裏の虫えいは9月下旬頃になると落下して、その中で成虫となって羽化するのですが、そのまま越冬して3月に外に出て花芽に産卵するそうです。
これがクヌギハナカイメンフシになるのですから同じ蜂の虫えいとは思えませんよね・・・何ともややこしい生き方ですね!