国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

トリックス在職時代の南部信昭氏の作品ら

2023-12-18 15:48:36 | マジック

●トリックス在職時代の南部信昭氏による作品が一通り集まった思う。

 取りこぼしがあったら、教えていただければ幸いである。

 というか、非常に欲しい情報である。

●トリックス時代に考案されたが、再版されたものは再版版で入っているものがある。

●以下、順不同。

●『ワンダフルスモールワールド』(2003年)

 「意外性が重要なので、ここで詳しくは延べませんが」とあり、詳しくは書かないが、移動、奇抜な変化現象、手渡し可能というあたりが興味深いのではなかろうか。

●『奇跡のカードエスケープ』(1995年)

 「中央にスリットのある8枚のカードの中から、観客に、一枚のカードを選んで、覚えてもらいます。次に観客のカードを残りのカードに戻し、よく切り混ぜた後、スリットにリボンを通し入れます。~観客のカードだけがリボンよりエスケープしてしまうのです!」

 密室トリックみたいで良い。

●『ウルトラオン&オフ』(1994年)

 「シルバーのとbrassの2つのワッシャーが、一本のロープに繰り返し着脱する。連続貫通トリックです!!」

 トリックスのとある先行作品の改造版とも言えるものではなかろうか。「連続貫通」という点が面白い。

●『ハンディ―風船カード』(1995年)

 「観客が選んだカードを数編に破いて一片を観客に手渡し、残りの破片を燃やします。まず、8角形のフレームに風船を入れて閉じると、風船は破裂し、同時に観客のカードが復元してフレームの中央に~」

 大がかりな風船カードを持ち運べるようにした意欲作。

 ●『とらんぷホイホイ』(1994年)

  穴あきカードへのサンドイッチの現象だけでも、すごいというのに、もうひとひねりしたオチが素晴らしい。まあ、「2人の観客にゴキブリ役になって」もらったこともないし、「★こんな人におすすめ!!」にある「観客のカードを『ごきぶり扱い』にしちゃうという演出は、ブラックジョークの大好きなあなたにうってつけ!!」とあるんですが、私は「ブラックジョーク」好きじゃいし、「ゴキブリ扱い」したことはなくても充分楽しめるマジックだったよ、これは多用したはず。

●『すわ!敵が襲ってきた!』(1994年)

 「演出・手順・構成を、有機的に関連づけて構成した、新しいタイプのストーリーパケットマジックです!!」

 はじめて購入した南部作品ではなかっただろうか。パケットトリックに「ストーリー」があると初めて知ったマジック。絵本のように楽しめるが見せた相手は驚く。マジシャンでも驚いた人がいた。それにしても「すわ!」という言葉を目にしたのは現代語としてはこれが最後だったやもしれん。

●『C・Cツイスト』(2000年)

 ツイスト現象とカラーチェンジが行われるパケットトリックで比較的易しい。とある種類のカードらを有効活用した作品で合理的である。

●『イチャモンテ』(2005年?)

 「スリーカードモンテを行なうと見せかけて、カードがドンドン変化していき、アタリのカードが何なのか分からなくなります。」(MAJION)

 たしか、私も考案に携わっているはずである。スリーカードモンテのターゲットカードを「仲間はずれのカード」と呼んでいいかという話し合いをしたときに「これでも良いということですか」と見せられ、「いいんじゃないですか」と答えたのが、きっかけではなかったかとかすかな記憶ながら覚えている。違うかもしれない。

 のちにマンスリーマジックレッスンからも再版されたのだから傑作の一つであろう。

イチャモンテ by 南部信昭

●『コンセントレーション』(1998年)

 ESPカードとダイスという異色の組み合わせのマジック。「偶然の一致」→「選択の一致」→「予言の一致」とまあ、豪華な手順である。とあるギミックが効果的に用いられている。

●『ひねくれモンテ』(?)(再販は2012年

 現在、入手できる作品の中で一番、南部節が炸裂しているのはこれかなぁ。仲間はずれのカードがどんどん変化していく様はまさに「大作」である。私の記憶だと、トリックス当時はこれが文字だけで解説されていたのだ。今では(当時もか)ヘタレな私だというのによくもまあ、取り組んだものだ。人に見せまくっていた時期(トリックス時代)あり。皆さまにもお勧めする次第。

南部信昭の「ひねくれモンテ」

●『幻覚のESP』(トリックス版不明、再版2020年)

トリックスでは購入していなかった作品。ESPカードにもパケットトリックにも関心を持っていなかった時期の作品であろうか。南部氏らしく賢い手順となっている。

 再版されたときは嬉しかったものだ。

幻覚のESP 演技

『マジックカードA.M.A.』(2001年)(拡大復刻版2020年)

 作品数が最も多い南部氏の作品集と言えるだろう。ちなみにマジックバー「でぶまじっく」の小野田倫之さんは全作品を読んでいらっしゃって、全部読破した人っているんやなあと思ったものだ。

 他に全文読んだ方がいらっしゃったら教えてください。全作品、演じた方はより大歓迎。

●『突然!! 変化チーフ』(1994年)(Macic館)

 「一端に赤のスポットがある長方形の板を示し、演者の背後に回すとスポットは青に変色してしましまう。~観客は『板を裏返しているんでしょ』~(ところが)スポットは目の前で赤から青で変色し、さらに両端に赤と青のスポットが現われ~最後に~両端のスポットは一瞬にして赤と青の2枚のシルクに変化してしまうのです!!」

 これを最後に持ってきたのには理由がある。南部氏にしては珍しく純粋なサロンマジックであること(『ハンディ―風船カード』はトランプマジックですし)と、何よりこれでトリックス在職時代の南部作品をコンプリートしたはずなのである。

 

★他にもトリックス在職時代の南部氏作品があるということを知っている方は教えてください。これでコンプリートだと思うんだけどなあ。

 

 

コメント
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