国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

追悼 佐藤忠志先生

2019-09-25 21:00:00 | その他・雑文
●「金ピカ先生」こと、佐藤忠志先生が今日、亡くなられたとテレビのニュースで知る。

●私にとって、英語の佐藤忠志先生は「手段」を教えてくださる先生であった。

●私は代々木ゼミナールの某校舎で一番上のクラスにいたが、英語が伸び悩み、二学期からそのクラスにいられるか怪しかった。

 そこで相談すると、3分ほどの間に今のクラスにいる手段を教えられた。

 具体的には言えない(想像してください)が、その手段は有効で、私は一番上のクラスにいられた。

●私は佐藤忠志先生から「頭がいい」と褒められたことがある。

 佐藤忠志先生が授業中に作った問題に30秒で答えたからである。

 宮尾慈良先生に習った英文解釈のコツと、中2レベルの英単語を活用して答えたのだが、中2レベルの範囲で答えた私を褒めてくれたのだった。

 佐藤忠志先生に「頭がいい」と褒められたことは、今でも自慢してもいいと思う。

●国語ができた私にその国語の英語の活かし方を教えてくれたのは佐藤忠志先生であった。

 文脈を推測し、もっともらしい日本語で答える。

 これを国語の偏差値80が行うと、すごいぞとアドバイスをくださったのだ。

●こんなことがあった。

 「犬の訓練」についての長文問題を解いた時のことである。

 推測するに、犬の訓練が段階的に行われ、そして最終段落に傍線が引いてあった。

 「by the whistle」(theじゃなくて aだったらごめんなさい)という言葉が目についた。私はそれだけを根拠に「笛の音一つで、犬が言うことを聞くようになったらその訓練は終わったといえる」というような訳をしたのである。

 その長文問題は大学入試で実戦の場であったが、そのアドバイスは有効で、私はその学部に上位5人に入るレベルで合格した(大学からいただいた奨学金の条件が「5人程度」だった)。

 国語と日本史は偏差値70以上だったとは言え、英語ができなければ「上位5人」は厳しかったろう。

 そして、その時の英文和訳はきっと、その「上位5人」に入るときに役立ったことだろう。

 佐藤忠志先生流に言うなら「ゲリラ戦」を実行したのだ。

●その後、大学院入試でも英語は一番だったらしく(その年は受験生の英語のレベルが低かったのだろう)、佐藤忠志先生からいただいた「英語力(純粋な英語力とは微妙に違う力)」は人生で有利に働いた。

●外見の派手さが目立つ先生であったが、短時間の質問時間(人気講師でしたからね)で適切なアドバイスができた先生であった。

 そして、私に「頭がいい」と言ってくださった唯一の先生であった。





●ご冥福を心よりお祈り申し上げます


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