旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

アスワン~フィラエ島イシス神殿

2016-12-08 15:20:49 | エジプト

クルーズ船がアスワンへ到着する前、夜が明けるころにデッキへ出てみた。夜明け前の星は不思議な輝き↓

川岸に日本の援助でつくられた、ポンプがいくつも見える↓

こちらも日本の援助でできた橋、しずかにくぐってゆく↓

一度部屋へ戻って、皆が朝食へ行く頃には、船はアスワンに到着し、西岸に懐かしい砂の丘が見えていた↓中腹にある古い貴族の墓に、どうしても行きたくて、六年前の《手造の旅》で、はじめて訪れた記憶がよみがえった↓

・・・アスワンに上陸 ハイダムを訪れてから、イシス神殿へ向かう。ダムの堰堤→ダムからアスワンの街方向↓

イシス神殿は、1903年のアスワンダム建設によっ半ば水没していた。解体され、となりにあった島へ再建築されているので、船で向かわなくてはならない。桟橋にはアフリカからのお土産品がたくさん↓

オイルの匂いが漂うダム湖をしばらくクルーズすると、二千年前の神殿が見えてきた↓

上陸する。よくもまぁこれだけの神殿を解体して別の場所に組み上げたものだ↓

柱の上部にある愛と美のハトホル女神の顔が刻まれた柱↓表情が神殿に近づくほど笑顔になっているなんと、今回のガイドさんに指摘されたはじめて知った↓最初の顔はちょとふきげんそう↓

あ、笑顔です↓

こういう細部のこだわりがおもしろい。

内部には水没していた時代の水面の後がくっきりと残されている↓

一画にホルスの見事な彫。しかし、真ん中に×じるし?↓

後年、キリスト教時代につけられたシンボルと考えられている。この神殿は、ローマ時代AD660年に閉鎖され、三つの別のキリスト教会が内部構造をりようしてつくられていた。

そのうちのひとつの入口が、もとの神殿では裏口にあたるような場所に残されている↓

入口左右に十字架を深く刻み込んでいる↑↓

古代エジプトで生命の鍵とされたアンクを、ちょうど十字架に彫りかえてある場所も多い↓これは、カイロのコプト博物館でもよく見られた事。つまり、キリスト教の十字架のルーツは、古代エジプト信仰からきているのかもしれない。イタリアでは聞けないはなしだ。ローマカトリックは絶対認めないだろう↓

ナポレオンもこの神殿にやってきたとされる。遠征隊が残したというら落書きが刻まれていると説明されたが、どこだかよくわからない。フランス語も英語も、18・19世紀の年号が見られる。ただ、「ナポレオン」と書かれていても、それがほんとうにナポレオンによって刻まれたとは、限らないのだが↓

遺跡のカフェで売られていたカルカデ(ハイビスカス)のお茶↓

再び小船にのってもどる↓

 

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アスワン~ハイダム

2016-12-08 00:04:44 | エジプト

下の写真、どんな場所だとおもいます?

これは、アスワンハイダムの建設記念碑。ダムは1970年に当時のソ連の援助によって完成した。

このダムが出来た事で、毎年のナイル川氾濫はなくなり、安定して水の供給が可能になり、電力も得られるようになった。良い事ばかりなのだとおもっていた。 が、今年のガイドさんのお話しによると、氾濫が起きなくなってナイル周辺の土壌は生き返らなくなり・疲弊。水も、さらに上流に建設されるというエチオピアのダムが出来ると、ここまで充分な量が流れてくるか、懸念されているそうな。

モニュメントは、このダムがソ連の協力によってつくられたことを、アラビア語とロシア語で刻んでいる。

全景はこのように↓

アスワンハイダムから下流の流れ、アスワンの街を見る↓

上流・ダム湖 ナセル湖方向を見る↓

ダムに沈むところをひきあげられた「カラブシャ神殿」が見える↓

ダムに沈むはずだったのを救われたのは、アブシンベル神殿だけではない。

このダムが「現代のピラミッド」と呼ばれたのは、断面がこんなかたちだったというのも理由だろう。ピラミッドより巨大な建造物ではあるけれど↓

***

下流にあるアスワン・ダムの方は1903年にイギリスによって建設された。その堰堤は今でもこんなに狭い↓

このダム建設で出来た人口湖には、半分水没していたイシス神殿が、あたらしいフィラエ島に移築されている。観光客を運ぶボートと、その右奥に神殿が見える↓

さぁ、これからあの島へ行ってみよう。

 

 

 

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コモンボ神殿、ガラベーヤ・パーティー

2016-12-07 21:28:06 | エジプト

午後四時過ぎ、クルーズ船はコモンボに到着。ここは船着き場から歩いて遺跡まで近い。観光している間にちょうど日が暮れてゆく。

 

この神殿は珍しいことに、善と悪、二つの神を並列して祭ってある↓下の写真でど真ん中からふたつの神殿に分かれている。右が悪の「ソベク神」」、左が善の「ホルス神」↓ホルス神のためのいちばん大きな神殿は、今朝訪れたエドフのもの。だから、ここコモンボではソベク神を主に扱っている。

「悪の神?」 そう、悪の神。ワニの姿をしている↓下の写真は、併設している博物館に展示されているもの↓

ヤギの角を鬘の様につけた頭に、太陽円盤がついた冠をかぶっている。

ナイル川にはワニがいる。今はアスワンハイダムから下流には降りてこられなくなったが、かつては全流域にいて、古代エジプトの人々にとってはコワイ生きものだった。

なので逆にそれを祀れば命を与えてくれると考えたのである。

下の写真ではワニが乗せられた輿の下から出た二つの手が、「アンク=命のカギ」を与えてくれております↓

神殿には巨大なワニのミイラがたくさん置かれていた。その一部が見られる↓ 「すっごく大きい」と思うが、ガイドさんによるとこれでも生きている時の三分の一の大きさなのだそうだ↓頭蓋骨はそれほど小さくなっていないとすると、身体の方が半分ぐらいにはなっているようにみえた。それでも大きなものは二メートルを優に超える大きさ。

神殿に併設してあった「ナイルメーター」は、ここでは井戸の様な形をしている。かつてはここにワニが飼われていたのだそうだ↓

 

神殿の後ろには、病院があったと推察されている。壁画には、誕生する人↓

座った女性の下から、頭を下にした子供が顔をだしております。

近くの壁には手術器具がずらり↓現代のものとよく似ているのだそうだ↓

***クルーズ船にもどって夕食

そして、いよいよガラベーヤ・パーティ!↓

言葉が通じなくても、お互いの姿を見て大笑い↓

小松はこんな、うさんくさい?(笑)姿に・・・↓

 

・・・続く

  下の写真は「ミイラ・ゲーム」。カップルで参加して、ひとりをトイレットペーパーで『ミイラ』に巻いていきます↓

下は、爆弾に見立てたペットボトルを回していく「爆弾ゲーム」↓

  

明日の朝は、アスワンに到着します。

 

 

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エドフのホルス神殿

2016-12-07 15:45:48 | エジプト

夜が明ける頃、船はエドフに向かってクルーズしている。クルーズ船はどれも同じではなくて、この船は起きた時にちゃんとそういう景色が楽しめるように考えて、夜中に時間を決めてエスナを出航していたのだ。こういう配慮が良いですね(^^)

ナイルの川岸は田舎、ばかりではない。工場も最近よくみかけるようになり、そこから排出される煙が長く長くたなびいていた↓

 

エドフの港からホルス神殿までは馬車で行く。一頭立ての馬車に二人ずつ。ガイドさんにわっとむらがる馬車引きたち。選んで手配、たいへんだとおもいます。

朝の町を抜けてゆく

ホルス神殿には現在立派な馬車のための駐車場ができた↓以前は市場のど真ん中で降ろされておろおろしていた頃をおもえば、ずいぶんと進歩したものだ↓

お土産物屋も集められている↓いつも思うのだが、同じ場所に同じような店がこれだけ集まっていて、みんなやっていけているのだろうか?

入場券をもらってエリアに入ると・・・びっくりするような巨大さで神殿が見えてくる↓

↓人間の大きさと塔門と、比べてみてください↓古代にこれだけの建造物が、当時は色付きで聳えていたなんて驚き↓

神殿の主神・ホルスの花こう岩彫像が入口に立っている

この神殿は半分以上泥に埋まっていたが、オリジナルの屋根も残されていた部分もあった。さらに復元がすすんで、かつての神殿の様子がよく感じられる。上の階への階段さえ途中まで登れるのだ↓

神殿一番奥、至聖所には銀の船がありその後ろに、いわば「ご神体」の像が入れてあった花こう岩の「神棚」が見える↓

この「銀製の」神輿、実は木製のレプリカ。ホンモノは発掘したフランス隊がもって行ってしまった。今は、パリのルーブル美術館で展示されております。小松は一度ルーブルで見た記憶があるのだけれど、今、ルーブルのサイトを検索しても出てきません…あるはずなんですが・・・今度ルーブルへ行ったらもう一度探してみよう。

下の写真は、至聖所の外側と外壁との間にある回廊部分↓ここにはナイルの水位を図るための「ナイルメーター」がある。水位が高ければ収穫できる土地の面積が増えるので、徴収する税をあげるという方針だったそうな↓

この壁にはホルス神が悪役のセト神を成敗する様子が延々と描かれている。カバとして槍で突かれているのがセトであります↓

船に乗ったホルスはとても大きく表現されている↓

***

再び馬車に分乗して、クルーズ船に戻る。お、あれはパン屋さん↓

ウェルカムバックのレモンジュース 

そして今日のお昼はデッキでのバッフェ。グリルのケバブやギリシャやトルコといった地中海諸国でも見かけるドルマ(「詰める」というトルコ語)。ピラフが詰まったズッキーニとか、ぶどうの葉で巻いたものとか。エジプトもまた地中海に面した国なのだった↓

アラブ世界は甘いお菓子もたくさんある。蜜をたっぷりしみこませたスポンジをさっと揚げたお菓子↓

昼食後はデッキでゆっくりしましょ(^^)

過行く河岸には岩を彫り込んだ遺跡も見えてくる↓

夕暮れには、コモンボ神殿に到着するでしょう

 

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ルクソール~カルナック神殿見学、午後クルーズ船出航、ガラベーヤ試着、エスナの水門

2016-12-06 14:31:26 | エジプト

早朝の気球ライドから七時半にクルーズ船にもどった

朝食を食べてキャビンにもどり、しばし休憩。九時半に再出発して、今回のルクソール最後の見学地カルナック大神殿へ到着。広さ28エーカーだそうな。

巨大な模型で、古代エジプト最大と言われる神殿の全貌を俯瞰↓ここは父なる神アモン(もともとルクソールの地方神)に捧げられた神殿と、母なるムート(羊の頭であらわされる)、その娘コンスへ、それぞれの神殿、計三つが複合的に建設されている↓

かつてルクソール神殿との間をつないでいたスフィンクス参道が導いてくれる↓

巨大な列柱が立ち並ぶ内庭がみえてくる↓

何百年にもわたって増築され続け、最後の塔門は未完成。積み上げていくときにつかっていた土塁が完全には除去されずに残されて発見された。これによって、この巨大な壁をどうやって築き・そこに絵を刻んでいったかが分かったのであります↓

 大列柱室に入って下からみあげたところ↓

アガサ・クリスティの「ナイル殺人事件」で巨大な石が落とされたシーンの場所。一本一本の柱はこんなに太い↓

ここには現在もたくさんのオベリスクが残されている↓「オベリスク」とは、ギリシャ語で肉を刺して焼く「串」のこと↓

 

アスワンから切り出された御影石が完璧なフォルムで立っている・・・ばかりではなく、地震で倒壊して壊れた姿そのまま発掘されたものもある↓下の写真で、右側の石がそれであります↓

奉納物の数を記録したヒエログリフが残されている壁↓

スカラベ(ふんころがし)の柱。この周りを七回まわってお願い事↓

***クルーズ船にもどって昼食。そのあいだに静かに出航していた。川沿いの風景が変化しはじめて、はじめて動いているのに気付いた。それほど静かな船旅です↓

デッキでティータイム。乾いたさわやかな空気と微風。

 

船にある小さなお土産屋さんにはたくさんのガラベーヤ(民族衣装)が置いてある。これらは、三泊目の夜に行われるガラベーヤ・パーティのためのもの。「え~そんなの着るの?」などと、はじめは皆さん言いますが、試着しはじめるとなかなか楽しいんです↓

小松に渡された衣装は…ラクダ使いとおなじすね(笑) 民族衣装というのはたいていは女性のもののほうが美しくて様になる

学芸会前の子供のよう      本番が楽しみですね(^^)/

****

ルクソールの南にはエスナの水門がある。かつてはここを通るのに半日も待たされるような混雑ぶりだったが、新水門ができてほんの一時間ほど、デッキで見物している間に通過できるようになった↓

はるか下に見える小舟はのんびりついてきているわけではないのです。

なんと、このデッキの上から見下ろしている我々に向けて商売をしてくる。え?どうやって?

布地を広げて見せて「おーい、スリーダラー~」とか叫ぶ。上から見ている客がちょっとでも反応すると、すかさずビニールにいれて投げ上げてくる。「そんなのいらないよ」とか言っても、彼らはそんなの気にしません。 ついつい広げて見ちゃう我々。欧米人たちも同じようにわいわいやっております↓

「ううん、やっぱりいらないよねぇ」ということになったら、またビニールに入れて投げ落とす。

夕陽は沈み、エスナの古い街のモスクに緑色のライトが灯る。かつて、古い水門の時代には、あまりに長い待ち時間に、あの町にあるエスナ神殿も見学しにいったっけ。なかなかおもしろいんだけれど、スムーズな旅になってあまり寄らなくなってしまった。効率が良いだけが楽しい旅になるわけじゃ、ないのですね。

エスナの古い街↓

***本日に夕食↓チョイスもいろいろで楽しめます↓

    

 

 

 

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