まだ暗い朝04:10にクルーズ船を出発桟橋から小船に乗ってナイル川西岸にわたる。西岸の砂漠に着くと、すでにたくさんの気球が膨らみ始めていた。
地平線に蒼い夜明けの気配が漂う。バーナーのオレンジ色の炎と冷たい砂漠の朝の空気。
「ああ、この景色のためにエジプトに来たかったんだ」そう思う。
気球の運ぶ・人の乗るバスケットの大きさは様々だが、ここルクソールのモノはかなり大きい。我々小松含めて十四人を乗せて、さらにオーストラリア人とスペイン人の家族も加え二十人も楽々運んでくれる。
横倒しにしてあったバスケットが、バルーンが立ちあがってゆくのに引っ張られて立ち上がる。※上のサイトから動画をごらんください。
バスケットのふちは胸の高さぐらいまではあるから、乗り込むのがちょっとたいへん。女性は「お姫様抱っこ」してくれたりする↓
ふわり、という音さえたてず、バスケットが宙に浮かぶ。ゆっくりと地面が離れる。風の音さえ聞こえないのは、我々が風と一緒に移動しているから。だから、風が強い時には気球は飛べない。夜明けに飛ばすのは、夜と朝の境目が、いちばん風が凪ぐ時だから。
時々「ご~」っと頭の上で、キャプテンがバーナーの炎を開く音だけが聞こえる↓ルクソール西岸の砂漠は、空から見てはじめて分かる、広大な遺跡がひろがっている↓
※⇒動画はこちら
人々が暮らす家、天井に雨が降り込みそうな穴があいている。これも気球から見てはじめて知った。雨など年に数回しか降らないから、風が通る事の方が重要なのだろう↓
塀が囲っているかまぼこ型の家は外国の発掘隊の基地だそうだと、キャプテンが教えてくれた↓
いつのまにか、たくさんの気球が浮かんでいる↓
ナイル川の向こう、東の地平線から太陽が顔を出した↓
西岸の岩山が赤く照らされていく↓
この山のふもとに「王家の谷」「王妃の谷」「クルナ村の貴族の墓」「ハトシェプスト女王葬祭殿」がある。下の写真でみえてきたのは、「王妃の谷」ちょうど、きのう入ったネフェルタリの墓入口が見えた↓
四十分ほど過ぎ、気球は砂漠の方向へ流れてゆく。これも計算通り。眼下には我々を待って移動してきた車が見える。それといっしょに近所の村の子供たちがロバに乗ってやってくるのが見えた↓
進行方向に見えてきたあの建物は?↓
コプト教会(エジプトのキリスト教)の修道院だ。入口に十字架が見える。ドームは修道士の個室らしい↓
敷地の中に見える穴は墓なのだろうけれど、ごみがたくさん詰まっていて、まるでゴミだめみたい。やれやれ、エジプトの改革はまずゴミ拾いからしなくちゃね。↓
キャプテンがバーナーを調整して、ゆっくり高度をさげてゆく。「ランディング・ポジッション!」と声がかかり、事前に練習していたスタイルをとった↓
が、すぐに「今日は大丈夫」ということで、みな風景を見ながら、気球はすとんと砂漠へ着地した↓
村の子供たちがあつまってきた↓
バルーンの頂上を開けて、熱い空気を抜く↓
スタッフがすぐにたたみにかかる↓
そして、我々がおりるばん↓