KCF的徒然草

KouChan's Factory管理人の心の叫びor反省文

幻想の安全

2015-06-30 23:33:29 | Railway&RailwayModels
「東海道新幹線は車内から白煙のため運転見合わせ」

という、昼のニュース記事からはじまり、そのうち、

「新幹線の車内で火災」
「乗客が石油をかぶり、からだに火をつけた」

と、ショッキングな見出しが次々飛び込んでくる。一体何が起きているんだと、昼休み中に覗いたスマホ画面とにらめっこしながら、こんなことを思っていた。

新幹線火災、71歳男が放火か(共同通信)

事件当初はテロの恐れもあるとして、国家レベルでの警戒体制も一時敷かれていたと聞く。

何のつもりだったのか?本来持ち込み禁止のはずの危険物を車内に持ち込み、自殺目的だったのか、結果的には無関係な人をも巻き込んだ凄惨な事件になってしまった。

 無責任なメディアなどは「新幹線の安全神話が崩壊」なんて書きたてているようだが、そもそも、「新幹線は安全」だと誰が言ったのだろうか?建設当時から高速で走らせるためのありとあらゆる安全策を講じてきても、まさに内からの、こうした事件については今まで起きてこなかっただけ。想定外だったのではと思うが、この「想定外」という言葉、最近は悪い意味に使われることが多いような。


 考えてもごらん。時速280キロのスピードで、しかも「のぞみ」ならば基本、新横浜~名古屋はノンストップ。最低でも1時間半は外に出られず、密室にこもることと同じ状態になる。その閉鎖空間で今回のような無法者がいたとすれば、パニックになるのは必定だろう。

 危険物持ち込みの禁止&新幹線は全車禁煙で火気を使うことなど基本ありえない、ということを前提に考えてると、今回のような、車内で油被って火をつけるなんて想像もつかない。それが常識であるという、いつのまにか人々が信じ込んでいた「安全」という幻想を今回もろくも消し去ってしまった。


 新幹線も公共交通のひとつと見るならば、警備強化という声もあるだろうが、やはり乗客の良心、マナーを信じて、皆で快適な環境を作っていくようにしなければならないと、改めて思う。

今回の事件を機に、もしもハイジャック対策並の警備が敷かれ、結果新幹線が利用しづらくなった、ということがないよう、切に願うばかりだ。
コメント
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