希望&夢

希望や夢あふれる社会になるといいな!
明日や将来のことを思うと、おもわずぼやいてしまいます。

不妊症の原因半分は男性に 酸化ストレスで精子損傷

2023年05月15日 | 出産・育児

夫婦の5・5組に1組が悩むとされる不妊症。

「女性に原因」と思われがちだったが、世界保健機関(WHO)め調査では48%に男性にも原因があったという。

男性不妊の治療に当たってきた井手順天堂大特任教授は 「不妊症検査は夫婦ともに」と訴えている。

厚生労働省の調査では、男性不妊で治療を受ける人の82・4%が、精子を正常に作れない造精機能障害。

中でも原因不明の特発陛が42・1%、精巣につながる血管にこぶができる精索静脈瘤が30・2%に上る。

「精子の数は過去40年間で半減しており、これは世界的傾向」と井手さん。

環境ホルモンなどが原因ともいわれるが、無視できないのが酸化ストレス。

喫煙や深酒、肥満、加齢、不規則な生活などさまざまな原因で起きる酸化は男性不妊の約80%に関与するとされる。

精子は精巣で約74日間かけて育つが、その間に受けるストレスで、頭部に収めるDNAがちぎれるなどの損傷を受け、これが不妊につながる。

こうした損傷精子を減らすには例えば禁煙や抗酸化剤の服用。

禁欲期間の短縮も精子がストレスにさらされる時間を減らしてくれる。

さらに精巣の温度が上がると精子がダメージを受けることにも注意が必要だ。

不妊治療を行う男性600人以上を調べた米国の調査で、股間の温度が上がりやすい、ぴったりしたパンツをはく人は、ゆったりしたボクサー型をはく人より、精子の数や濃度が減るとの結果も報告されているという。

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大企業の男性育休取得率 4月から公表義務化

2023年03月27日 | 出産・育児

男性が育児休業を取得した割合について、4月から従業員千人超の大企業を対象に公表が義務付けられる。

男性の育休取得率は女性に比べ低い。

政府は少子化対策として、女性に偏る子育て負担の解消に向け男性の育休取得を促す。

育休の取得状況は、働きやすさや多様性を表す指標とされ、就職活動中の学生や投資家にも注目される。

厚生労働省の2021年度調査では、中小を含む企業の育休取得率は、女性の85%に対し男性は14%。

育休中は収入が減るほか、職場の理解がないことや同僚に迷惑が掛かるとの遠慮が背景にある。

公表義務化は、2021年に成立した改正育児・介護休業法に基づく。

厚労省によると、全国約4400社(2022年3月末時点)が対象となる。

男性の育休取得率は、子どもが生まれた従業員数に対し、妻の出産後に最大4週間取得できる「産後パパ育休」も含め育休を取った人の割合。

企業が育児目的に設けた独自の休暇制度の利用者を算入した割合も認める。

事業年度の終了からおおむね3ヵ月以内に、ホームページや厚労省のウェブサイトに掲載する。

例えば、3月期決算の場合は6月末までとなる。

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男性の育休取得 「2030年度85%」目標表明

2023年03月20日 | 出産・育児

岸田首相は3月17日、首相官邸で記者会見し、こども・子育て政策に関する基本的な考え方を説明した。

首相は「異次元」と位置づける少子化対策をめぐり「社会全体の意識、構造を変えていく」と強調。

育児参加を促すため、男性の育児休業の取得率を「2025年までに30%」とする現在の政府目標から「2025年度に50%、2030年度に85%」に引き上げると表明した。

首相は冒頭、昨年の出生数が初めて80万人を割り込んだことを挙げ「少子化問題は一刻の遅れも許されない時間との闘い」と強調。

「2030年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスだ」と訴えた。

その上で対策の基本理念として、(1)若い世代の所得増、(2)社会全体の構造・意識変化、(3)全ての子育て世帯への切れ目ない支援を掲げた。

男性の育休取得率は現在14%。目標達成に向け、企業ごとの取り組み状況を開示し、中小企業に対しては、育休取得者の業務を引き継ぐ社員への応援手当などを支給する企業への支援を検討する。

国家公務員は「男性育休の全員取得」を目標とし、先行して2025年度に85%以上が1週間以上取得するための計画を策定する。

 育休の充実策では、産後の一定期間、男女で育休を取得した場合に国から支払われる給付を、手取り賃金が100%補えるよう引き上げる。

時短勤務時も給付するよう制度を見直す。

現在は給付されていない非正規労働者やフリーランス、自営業者にも新たな経済的支援を創設するとした。

子育て世代の所得増では、社会保険料の負担がないように時間を抑えて働く「年収の壁」の解消策として、「壁を越えても手取りの逆転を生じさせない取り組みの支援を導入し、制度の見直しに取り組む」とした。

そのほか、兄弟姉妹の多い家庭の負担や、高等教育にかかる教育負担などを踏まえ、児童手当の拡充や若い子育て世帯への住宅支援などを行う考えも表明。

高等教育費の負担軽減では、結婚や出産をした場合の奨学金の月々の返済額を軽減できる制度の見直しも行う考えを示した。

子ども優先の社会づくりに向け、子連れの人が苦労して並ばずにすむよう国立博物館など国の施設に「こどもファスト・トラック」を設け、その後、全国展開する。

子育て支援サービスの強化を図るため、当事者の申請に基づいて提供される現在の方式を「行政からアプローチする形に可能な限り転換していく」として、伴走型支援・プッシュ型支援への移行を表明した。

首相は、こうした対策を3月末にまとめる少子化対策のたたき台に盛り込む方針。

その上で6月の骨太方針までに、将来的な子ども予算の倍増に向けた大枠を示す方針を改めて示した。

ただ、予算倍増の基準や時期について問われた首相は、「政策の中身を詰めなければ、この倍増の基準や時期は申し上げることは適当ではない」と述べるにとどまった。

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外遊び30分で影響軽減 1日1時間以上のスマホ育児

2023年02月23日 | 出産・育児

スマートフォンやテレビを2歳の幼児が1日1時間以上視聴しても、成長や発達に与える影響は限定的との調査結果を、大阪大や浜松医大のチームが2月20日までに米専門誌に発表した。

チームによると、1日30分の外遊びを増やすことで影響を軽減する効果も確認された。

子どもにおとなしくしてほしい時などにスマホを渡すのは「スマホ育児」と呼ばれ、発達などへの影響を懸念する声もある。

世界保健機関(WHO)は2歳児のテレビやスマホの視聴を1時間以内にするよう指針で推奨している。

これに対し調査に当たったチームの土屋大阪大特任教授は「現代社会でデジタル機器の視聴は避けられず、上手な付き合い方を模索すべきだ」と話している。

調査によると、2歳時点で視聴が1時間以上の子どもは、あいさつしたり謝ったりできる「社会機能」に4歳時点で影響がなかったが、意見を言ったり他人の言い分を理解したりできる「コミュニケーション機能」と、後片付けやお手伝いができる「日常生活機能」がやや低下した。

ただ30分以上の外遊びを2歳8力月時点で週6日以上する子どもは、日常生活機能への影響が大幅に軽減していた。

コミュニケーション機能への影響は軽減しなかった。

チームはテレビやスマホ、ゲーム機などの画面を視聴する1日当たりの時間をデジタル視聴時間とし、885人の子どもを調査した過去のデータを2022年にかけて分析。

研究に参加した子どもの視聴は平均2・6時間だった。

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流産・死産も産休対象 管理職が知ってほしい

2023年01月26日 | 出産・育児

流産や死産だった場合も産後休業の対象となる。

働く女性が利用できる出産を巡る既存の制度について、厚生労働省がウェブサイトで改めて情報発信を強化している。

制度を使えることが、事業者や当事者にあまり認知されていないことが理由。

女性の社会進出や晩産化に伴い、流産や死産に対する支援の必要性が高まっていることも背景にある。

厚労省は「特に企業の管理職や労務担当者に知ってもらい、従業員の心身のケアと円滑な職場復帰につなげてほしい」としている。

労働基準法は原則産後8週間は働かせてはいけないと定める。

この産後休業は妊娠4ヵ月以降に流産、死産した女性にも適用される。

男女雇用機会均等法は事業主に対し、産後1年間は健康管理のために医師の診察を受ける時間を確保することや、医師から指導があれば仕事を休ませることを義務付ける。

この制度は妊娠週数にかかわらず対象になる。

厚労省が昨年に当事者団体から聞き取ったところ、本人や勤務先の人事担当者が仕組みを把握していない事例が判明。

公的な情報周知が足りないとの指摘もあった。

厚労省の研究班によると、流産は10~15%の頻度で起こる。

省担当者は「周囲も対応に戸惑うかもしれないが、一定の確率で起こり得るという認識を持ってサポートに当たってほしい」と呼びかけている。

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「無園児」を定期預かり 孤立防止へ保育所活用

2023年01月17日 | 出産・育児

保育所や幼稚園に通っていない0~5歳児の育児負担を軽減するため、政府は4月から、保育所の空き定員を活用した週に数回の定期預かり事業を始める。

こうした未就園の子どもは「無園児」とも呼ばれ、周囲のサポートがなければ親子が孤立し、虐待のリスクも高まる恐れがある。

2023年度に20~30自治体でモデル事業を実施し、4月に発足するこども家庭庁の重要政策として全国展開を図る。

政府関係者が1月15日、明らかにした。

未就園の子どもは家庭での養育を選んでいるケース以外に、保護者が就労要件を満たしていなかったり、経済的に余裕がなかったりして、希望しても入園できない場合がある。

共同通信が過去15年間の重大な児童虐待に関する自治体の報告書を分析したところ、0~5歳児の事案の約2割に当たる43件で未就園と虐待の関連性が指摘されていた。

未就園がただちに虐待につながるわけではないが、育児の悩みを抱え込む前の対応が必要だ。

モデル事業では、政府が今後、参加する市区町村を公募する。

定員に空きがある保育所や認定こども園で週1~2日程度、子どもを継続的に預かる。

保護者が就労していない場合も対象とし、自治体が広報などで利用を呼びかける。

育児の息抜きのほか、集団生活を通じた子どもの発達を促す狙いもある。

保育所などは「友達と遊んでいるか」「元気よくあいさつしているか」「箸を使えるか」といった育ちを記録した支援計画を作成。

保育士が保護者と定期的に面談して育児相談にも応じる。

子どもが痩せすぎていたり、毎日同じ服を着ていたりするなど、不適切な養育が疑われるケースがあれば自治体に状況を伝え、生活支援や心のケアを検討する。

虐待が疑われる場合は児童相談所が対応する。

政府はモデル事業に2023年度予算案で約2億円を計上。

自治体に対し、事業費の9割を補助する。

認可保育所などの待機児童は2017年(4月1日時点)に2万6千人を超えたが、その後減少し、2022年は過去最少の2944人だった。

大半の自治体でゼロとなり、定員割れの保育所も増えている。

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卵巣凍結がん患者出産 生殖能力温存に選択肢

2022年11月22日 | 出産・育児

がん患者の女性から卵巣を取り出した後、急速に冷凍して保存し、治療が一段落したら再び移植する不妊治療で30~40代の3人が出産していたことが分かった。

聖マリアンナ医大が手法を開発し臨床研究を進めていた。

国内ではこの手法で、若くして月経がなくなった早発卵巣不全の女性が出産した例があるが、がん治療を受けた患者の出産が明らかになるのは初めて。

がん患者が治療前に生殖能力を温存するための選択肢が広がり、特に月経が始まっておらず卵子を採取するのが難しい小児がん患者の重要な手段になると期待される。

がん患者は抗がん剤や放射線治療によって卵巣の機能が失われ、不妊になるリスクがある。

これを防ぐため、聖マリアンナ医大のチームは、患者の卵巣を腹腔鏡手術で摘出し、短冊状に切り分けて急速に冷凍して保存、がんの治療が一段落した時点で、卵巣を融解して体内の元々あった場所や近くの腹膜に移植する治療法を開発した。

卵巣には卵子のもとである原始卵胞が大量にある。

2010年から臨床研究として実施しており、これまで13人が凍結した卵巣を移植。

2020年から今年にかけて、乳がんや悪性リンパ腫で治療をしていた兵庫県などの女性3人が自然妊娠や体外受精で出産した。

受精卵や卵子を凍結する手法もあるが、がん治療開始までの期間と月経の周期がうまく重ならないと実施が難しかったり、がん治療を一時中断する必要があったりした。

そのため、タイミングが制限されない卵巣の凍結が選択肢となった。

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出産後現金給付を検討 自営業・フリーランス・非正規に

2022年11月21日 | 出産・育児

政府は、自営業やフリーランス、非正規で働く人向けに、子どもが生まれた後の一定期間、現金を受け取ることができる制度の創設に向け検討に入った。

月2万~3万円程度を想定。

子の年齢が低い時期の経済支援を広げ、少子化対策につなげる狙い。

複数の関係者が11月19日、明らかにした。

正社員らは育児休業中に雇用保険から賃金の最大67%が出るのに対し、自営業者らは支援がない。

2023年から政府内で議論を本格的に進め、開始時期などを詰める。

給付の期間は、子どもが1~2歳になるまでが浮上。

一律に定額支給する方向で検討を進める。

今後の調整で、給付額が変動する可能性がある。

出産を機に退職した人を対象に入れる案もある。

政府は岸田首相がトップの全世代型社会保障構築本部で、改革工程表を年末にも策定する方針。

新たな給付が必要になるという趣旨の記述が、工程表へ盛り込まれる見通し。

2024年以降に関連法改正案を国会へ提出することを目指す。

育休給付の原資は、正社員らの保険料などで賄われている。

新制度では、保険料を払わなくても給付金を受けることになる。

公平さを欠くとの指摘が出る可能性があり、政府は慎重に検討を進める。

財源も課題となる。

育休給付は最長で子が2歳になるまで、賃金の最大67%を受給できる。

週20時間以上働き、雇用保険に入るなどの要件を満たす正社員らが対象。

政府は、週20時間未満の人に育休給付を広げることも視野に入れる。

政府は、雇用保険加入者が育休明けに時短勤務をする際、賃金に一定割合を上乗せする新制度の検討も進めている。

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出産費病院ごと公開へ HPで一覧選びやすく

2022年11月14日 | 出産・育児

厚生労働省は11月10日、出産した際にかかる費用を全国の病院やクリニックごとに公表する方向で調整に入った。

ホームページ(HP)などで施設ごとに並べて一覧化し、費用の透明性を高める。

妊婦が医療機関・を選びやすくし、経済的な負担軽減にもつなげる狙い。

政府は、原則42万円が支払われる「出産育児一時金」を来年度から増額する方針。

一時金を増やしても、各医療機関が値上げをすれば効果が薄れる可能性もある。

11月11日の社会保障審議会部会で提案し、議論する。

岸田首相は、子育て支援のため一時金の大幅増額を表明すると同時に、出産費の「見える化」の必要性を強調していた。

正常分娩は、自由診療のため医療機関が独自に価格設定できる。

分娩とは直接関係ない各種サービスがセットになっていることもあり、妊婦にとっては経済的な負担が重くなる。

そのため厚労省は全国の均入院日数のほか、出産費、無痛分娩費などの平均額を公表する。

厚労省集計によると、2021年度の公的病院での平均出産費は約45万5千円。

原則42万円の一時金には、出産事故に備える制度の掛け金1万2千円分が含まれるため、実質的な支援額は40万8千円で、平均出産費とは約4万7千円の差がある。

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再婚後出産 現夫の子に 摘出推定見直し

2022年10月17日 | 出産・育児

政府は10月14日、社会問題になっている子どもの無戸籍状態の解消を目指し、法律上の父親を決める「嫡出推定」を見直す民法改正案を閣議決定した。

離婚後300日以内に生まれた子を前夫の子とする規定は維持する一方、女性が出産時点で再婚していれば現夫の子とする例外を設ける。

嫡出推定の見直しは1898(明治31)年の民法施行以来初めて。

女性は離婚後100日間は再婚できないとの規定は撤廃する。

夫のドメスティックバイオレンス(DV)から逃れるなどした女性が離婚成立後に別の男性との子を産み、300日規定で前夫の子とされることを避けて出生届を出さないケースが問題化。

見直しでこの無戸籍問題の解消を図る。

ただ、離婚後に事実婚を選ぶなど法律上の婚姻を望まない人は対象にならず、救済の課題は残る。

現行民法の嫡出推定は300日規定のほか、結婚から200日を過ぎた後の子は現夫の子とする。

法務省の調査では、今年8月時点の無戸籍者793人のうち約7割は出生届を出さなかった理由が「嫡出推定」だった。

現行規定では、仮に離婚直後に再婚した場合、再婚から200日経過し離婚から300日以内の間に生まれた子どもに関し、前夫と現夫のどちらも父親と推定されてしまう事態が生じる。

このため女性に再婚禁止期間が設けられているが、重複がなくなるため、その規定は削除する。

また、嫡出推定を覆す「嫡出否認」の申し立ては、現在は父親にしか認めていないが、その権利を母親・子どもにも拡大。

申し立て期間も出生を知って1年以内から原則3年に延ばす。

施行後1年間は、施行前に出生した子も対象とする。

これら改正案が成立すれば、公布から1年6ヵ月以内に施行。

嫡出推定の見直しは施行日以降に生まれた子どもに適用される。

葉梨康弘法相は閣議後記者会見で「子の利益の保護につながると期待している」と述べた。

改正案には、親権者に子どもを戒めることを認める「懲戒権」の削除も盛り込まれた。

「しつけ」を口実に虐待が正当化されかねないためで、体罰や「健全な発達に有害な言動」も許されないと明記した。

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「内密出産」 国が初指針 母の情報管理明文化

2022年10月04日 | 出産・育児

厚生労働、法務両省は9月30日、病院以外に身元を明かさず出産する「内密出産」に関し、初の指針を公表した。

子どもの出自を知る権利の保障を念頭に、母親の身元情報の管理方法や開示手順に関する規定を明文化するよう医療機関に求めた。

「最も尊重されるべき点は母子の生命・健康の確保」として関係機関に連携を要請しており、支援の在り方が課題となる。

内密出産は熊本市の慈恵病院が独自に導入。

指針について厚労省は、市からの一照会に回答した内容や、現行法下での対応を整理したものだとしている。

国に制度化を求めていた慈恵病院は、指針公表を受け「内容を精査している」とした。

大西・熊本市長は定例記者会見で「(指針策定で)新たな事案にも着実に対応できる」と評価した。

法整備に至らなかったことを、加藤勝信厚労相は9月30日の記者会見で「制度を作ることが内密出産を促すことになるのではないかという議論もある」と説明。

予期せぬ妊娠に悩む女性の包括支援を続ける考えを示した。

指針によると、医療機関は、母親の名前や住所、生年月日を確認・管理する担当者などを規定に盛り込み、情報を永年保存することが望ましい。

医師らは診療録などを作り、開示に関する母親との同意内容も記録。

子どもを要保護児童として児童相談所に通告し、出生日など戸籍作成に必要な情報も提供する。

市区町村は、児相から必要な情報提供を受け、母の欄を空欄とした戸籍を首長の職権で作成できる。

子どもの監護者に母子手帳を交付する。

児相は子どもを適切に保護し、特別養子縁組制度や里親委託なども調整。

援助方針を立てるため母子の状況などを調査する際は、匿名を希望する母親の意向を考慮して対応する。

都道府県では、病院から内密出産受け入れの事前連絡があった際には関係機関で情報を共有。

病院の対応に違法性がないかどうかも確認する。

「内密出産」指針のポイント

(医療機関)

  • 母親の身元情報管理の規定 を明文化
  • 妊婦とのやりとりを含む診療録などを作成
  • 児童相談所に通告し、戸籍 作成に必要な情報も提供

(都道府県)

  • 市区町村や児相と情報共有
  • 医療機関での対応に違法性がないか確認

(児相)

  • 戸籍作成に必要な情報を市区町村に提供
  • 子どもの一時保護や特別養子縁組、支援を適切に実施

(市区町村)

  • 戸籍を作成
  • 母子手帳を交付
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困窮妊婦 産科初診無料に 産後も支援継続

2022年10月03日 | 出産・育児

政府が生活に困窮する妊婦の支援を2023年度から本格化させることが10月1日、分かった。

経済的理由で産科受診をためらい妊娠や出産の際に母子に危険が及ぶのを防ぐため初回の受診を実質無料とする方針。

医療機関の情報を基に、自治体が子育て支援機関と連携し、産後も継続的にサポートする。

2023年4月に発足するこども家庭庁は「全国どこでも安全で安心して妊娠・出産ができ、子どもが心身ともに健康に育つ環境整備」を基本方針に掲げる。

新規事業として2023年度予算の概算要求に1億3千万円を計上した。

多くの妊婦は妊娠検査薬で陽性反応があった場合などに、産科を受診し、結果を確認する。

超音波や血液の検査、内診によって子宮外妊娠といった異常がないかや、胎児の状態を把握。

受診を経て自治体に妊娠を届け出るケースが多く、母子健康手帳や出産までの妊婦健診に使えるクーポンを受け取ることができる。

出産は病気ではないため、原則として公的医療保険が適用されず、費用は自己負担となる。

初回の受診料は数千円程度だが、支払う余裕がなく、医療的ケアを一切受けないまま出産に至る人もいる。

医師や助産師に頼らず、1人で出産し、死亡させる「産み落とし」事件も起きている。

厚生労働省の専門委員会が9月に公表した報告書によると、2003年7月以降の虐待死のうち、生後24時間未満だった赤ちゃん173人の出産場所はトイレが44人、風呂場が11人など自宅が多く、医療機関はゼロだった。

今回支援の対象は、所得が低いため住民税非課税だったり、直近で収入が大幅に減少したりした世帯の妊婦。

1万円を上限に初回受診料を補助する。

費用は国と市区町村が折半する。

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内密出産 9末に国指針 母親の情報管理と戸籍で

2022年09月28日 | 出産・育児

病院以外に身元を明かさず出産する「内密出産」に関し、国が医療機関や自治体向けに初めて指針をまとめ、9月末にも公表する方針であることが9月24日、政府関係者への取材で分かった。

母親の身元情報を医療機関で適切に管理することや、市区町村長の職権で子どもの戸籍を作成できる点を厚生労働省などが現行法に基づき整理した。

内密出産は国内で法制化されていないが、熊本市の慈恵病院が独自に制度を導入している。

病院は8月までに5例の出産があったと明らかにした。

病院や市は、予期せぬ妊娠などに悩む女性からの相談が全国から寄せられているとして、国にルール作りを求めていた。

指針では、出生届が親や医師から提出されなくても戸籍法に基づき自治体が戸籍を作成できることを示す。

医師法の解釈ではカルテは仮名でも記載することが可能。

医療機関には、内密出産の希望者に、生まれてくる子どもの出自を知る権利について説明する必要があるとし、母親の身元情報を管理し、後に開示希望があった場合に適切に対応できるよう求める。

慈恵病院は、孤立出産を防ごうと2019年に制度を導入。

2021年に10代女性が初めて制度を利用し出産した。

子どもが出自を知る権利の保障や、親の身元情報の開示手続きについて指針の私案をまとめ、今年6月、熊本市に提出した。

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「産後パパ休」 10月開始 計4週間育児参加促す

2022年09月26日 | 出産・育児

妻の産休期間中に夫が取得できる「産後パパ育休」(男性版産休)の制度が10月1日から始まる。

子どもの誕生から8週間以内に育児休業を計4週まで2回に分けて取れるなど、柔軟に利用できるのが特徴。

通常の育休も夫婦がそれぞれ分割して取れるようになる。

男性の育休取得率は13・97%(2021年度)にとどまる。

少子化に歯止めをかけるため、厚生労働省は男性の育児参加で女性の負担を和らげ、子どもを産み育てやすい環境を目指す。

従業員が気兼ねせずに取得できるよう企業側にも呼びかけている。

2021年6月に成立した改正育児・介護休業法の施行に伴う変更。

通常の育休は原則―力月前までに勤務先へ申請する必要があるが産後パパ育休は2週間前までで構わない。

労使が合意すれば休業中も限定的に働くことが認められ、一時的な出社やテレワークができる。

育児休業給付金が通常の育休と同様に支給され、社会保険料免除と合わせると手取り収入の約8割が得られる。

心身とも不安定になる産後の妻のケアにつながるほか、厚労省の担当者は「男性が先の長い子育てへの関わり方や働き方を見直すきっかけになるはず」としている。

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新出生前診断 連携施設204力所認定 3倍以上に増加

2022年09月15日 | 出産・育児

妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる「新出生前診断」の体制つくりを進める日本医学会の運営委員会は9月12日、検査を実施する「連携施設」に全国204ヵ所のクリニックなどを認定したと発表した。

6月に発表した中核的な『基幹施設』と合わせ、計373カ所で検査や相談ができることになる。

認定された施設数は以前の体制の3倍以上に増え、希望する妊婦の利便性が向上する。

連携施設の運用は9月26日から始める予定。

施設名は近くホームページで公表する。

9月12日にオンラインで記者会見した岡委員長は「連携施設ができることで検査を受けるだけでなく、遺伝カウンセリングなどいろいろな情報を得る窓ロが増える」と述べた。

新出生前診断は妊婦の血液にわずかに含まれる胎児のDNAの断片を分析し、ダウン症など3種類の染色体異常があるかどうかを調べる検査。

陽性判定後、さらに羊水検査を受け異常が確定した場合、多くが中絶していることから命の選別につながるとの批判もある。

遺伝カウンセリング体制が重要で、日本医学会は以前、108の施設で実施を認定していた。

だが出産の高齢化で需要が増える中、美容外科など専門外の無認定施設が急増。

検査の意味や結果について十分な説明のないまま多くの妊婦が混乱する事態が発生した。

そのため運営委員会は認定の体制の拡充を検討し、2月、基幹施設と、その下で協力する連携施設を新設するとの指針を公表した。

6月にまず基幹施設169ヵ所を認定、これまで認定された施設がなかった7県にも拡大した。

連携施設はカウンセリングや検査自体を実施。

陽性と判定された場合の確定のための羊水検査は基幹施設に委ねることができる。

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