希望&夢

希望や夢あふれる社会になるといいな!
明日や将来のことを思うと、おもわずぼやいてしまいます。

予防可能がん負担1兆円超 国立研究センターなど初推計

2023年08月03日 | 健康・病気

生活習慣や環境などの予防可能なリスク要因に関連するがんによる日本社会の経済的負担は約1兆240億円に上るとの推計を、国立がん研究センターなどのチームが8月1日、発表した。

がん全体の負担は約2兆8597億円。

リスク要因別で最も負担が大きかったのはピロリ菌やヒトパピローマウイルス(HPV)などへの「感染」(約4788億円)で、「能動喫煙」(約4340億円)「飲酒」(約1721億円)と続いた。

がんは医療費に加え、治療中の一時的な就業中断によって社会に重い経済的負担を引き起こす。

同センターが予防可能ながんの経済的負担を推計した研究は初めて。

チームは「適切な対策で予防・管理することは、命を救うだけでなく、社会の経済的負担の軽減にもつながる」とし、定期的ながん検診やHPVワクチンの接種、禁煙を推進するよう呼びかけている。

予防可能ながんのうち、男女ともに胃がんの負担が最も高く、このうちピロリ菌感染によるものが約2110億円でほとんどを占めた。

次いで男性は能動喫煙などによる肺がん、女性はHPV感染による子宮頚がんで約640億円と推計された。

2015年のレセプト(診療報酬明細書)やがん統計などの関連データを用いて、予防可能なリスク要因によって引き起こされるがんの直接医療費と、治療を受けるための欠勤や休職による労働損失、死亡した場合は生涯収入を推計し、経済的負担を評価した。

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長い昼寝は肥満のもと? 米やスペインのチームが調査

2023年06月14日 | 健康・病気

スペインでは夏の暑い日中に昼寝する「シエスタ」という習慣がある。

米国やスペインの研究チームが地元の約3300人を調べると、長いシエスタを取る人は肥満や生活習慣病のリスクが高いことが分かった。

昼寝時間が30分超の人は、昼寝しない人に比べて肥満度や血圧が高く、メタボリック症候群のリスクが1・4倍に上昇していた。

昼食のカロリー摂取量が多く、夜寝るのが遅いことが関係している可能性がある。

一方で30分以下の昼寝にとどめている人は、ずっと起きている人より血圧が低い傾向がみられた。

チームは「短時間の昼寝が健康に与えるメリットについて探る必要がある」としている。

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がん5年生存率66% 算出法「正確に」

2023年03月19日 | 健康・病気

国立がん研究センターは3月15日、専門的な治療をする全国のがん診療連携拠点病院などで、2014~2015年にがんと診断された人の5年後の生存率が66・2%だったとの集計結果を発表した。

発表は8回目で、今回から「ネット・サバイバル」という算出法を採用。

前回までの集計と単純に比較できなくなったが、担当者は「より正確な数字になった」と説明した。

少しずつ改善している傾向は変わらないという。

従来は、原因を問わず亡くなった全ての人から、がん以外の原因による死亡を除く方法で間接的に生存率を推計しており、高齢者に多いがんでは実際よりも高くなっている可能性があった。

ネット・サバイバルは、患者一人一人が、がんによって亡くなる確率を推計して平均値を出す。

がんの影響を直接的に計算でき、国際的に普及している手法。

計447施設、約94万人分の「院内がん登録」データから集計した。

がんの種類別の傾向はこれまでと大きくは変わっていない。

前立腺がんが95・1%、女性の乳がんが91・6%と高く、小細胞肺がんは11・5%、膵臓がんは12・7%と低い。

算出法の変更の影響が比較的大きいとみられる胃がんと大腸がんは、それぞれ70・2%と70・9%。

従来法での計算に比べ2ポイントほど低くなった。

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がん検診率60%へ 診療のデジタル化も

2022年12月11日 | 健康・病気

厚生労働省は12月7日、有識者協議会を開き、2023年度から6年間の国の取り組みを定める「第4期がん対策推進基本計画案」をまとめた。

死亡率を減らすため、検診の受診率を60%に向上させることを目指すほか、全国どこにいても質の高いがん医療が受けられるよう、医療提供体制の格差是正や集約化を進める。

利便性向上のためオンライン診療などのデジタル化も推進する。

来年3月に閣議決定する方針。

がん検診の受診率は、いずれのがんでも増加傾向にあるが、2019年時点で、男性の肺がん検診を除いて第3期計画の目標だった50%を達成できていない。

新型コロナウイルスの影響で、検診の受診者が1~2割程度減少しているとの報告もある。

がんによる死亡を減らすためには検診による早期発見、早期治療が不可欠であることから、普及啓発などにより受診率向上を図る。

精密検査の受診率は90%を目指す。

新型コロナの流行を踏まえ、感染症のまん延で一時的に検診の提供体制を縮小してもすぐに受診行動を回復できるよう、平時から対応の検討を呼びかける。

医療提供体制に関しては、地域や診療科による格差も見られることから、国や都道府県は地域の実情に応じて格差の是正を推進する。

一方、全ての施設で対応が難しい高度な技術を要する手術などについては、医療機関間で連携し、地域の役割分担を踏まえた集約化を進める。

高度化する治療を誰もが受けられるよう、国は患者、家族の経済的な課題を明らかにし、課題解決に向けた施策についても検討する。

このほか患者や家族らが医療や情報に容易にアクセスできるようにするため、デジタル化を推進。

オンラインを活用した情報提供や診療、相談などの取り組みを進める。

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骨粗しょう症検診拡大検討

2022年10月01日 | 健康・病気

骨量が減り軽い転倒などで骨折しやすくなる「骨粗しょう症」の検診に関し、厚生労働省が実施要領を見直す検討を始めたことが9月29日、同省への取材で分かった。

対象者拡充も想定し、早期に患者や羊備軍を把握することで治療や適切な健康管理を促す狙い。

政府が掲げる健康寿命の延伸に向け、対策を強化する。

骨粗しょう症は加齢などに伴い、古い骨を壊す細胞と新しい骨をつくる細胞のバランスが崩れることが主要因で起こる。

骨がもろくなり、立ち上がる際に体が痛んだり身長が縮んだりすることがある。

お年寄りでは骨折がきっかけで寝たきりになってしまう例もみられる。

女性は閉経後のホルモン減少も影響し患者数が多いとされる。

現在、健康増進法に基づく骨粗しょう症検診は、40歳から5歳ごに70歳までの女性が対象。

運動習慣や食生活の内容などを確認し、エックス線や超音波で腰椎や足の骨密度を測る。

受診率は全国平均で毎年5%前後と低い。

検診見直しで厚労省は、整形外科医らによる研究班を設置。

病気のリスク要因を改めて整理し、受診率の年齢差なども分析した上で、対象年齢を広げるか、男性を追加するか、といった見直し内容を議論する。

受診率が上がるような検診の在り方も考える。

受診者に、問診や骨密度の測定値をもとに精密検査や保健指導をする基準も精査。

病院や自治体向けの検診に関する国の手引は2000年に作成されてから変わっていないため、改訂を進める。

日本骨粗しょう症学会などによると、同症の患者数は女性980万人、男性300万人の計1280万人に上ると推計される。

高齢化が進み、さらに患者数が増えると見込まれている。

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「腹囲2センチ・体重2キロ減」メタボ指導成果の目安 2024年度から

2022年07月29日 | 健康・病気

厚生労働省は7月26日、メタボリック症候群を予防、解消する特定保健指導に関し、開始から3ヵ月後に「腹囲2センチ・体重2キロ減」を達成することを成果の目安とする案を有識者会議に示した。

正式決定を経て、住民や従業員向けに保健事業を実施する自治体、企業を評価する指標として、2024年度から導入。

より効果的な取り組みを促す。

特定保健指導は、40~74歳が対象の特定健康診査(メタボ健診)で生活習慣の改`励必要と診断された人が受ける。

これまで、継続的に医師が生活面の助言などをする期間の長さを重視してきた。

厚労省は新たに、3ヵ月後に腹囲が2センチ、体重が2キロそれぞれ減れば目的を達成したと扱う具体的な数値を示した。

効果が出づらい人に配慮し「腹囲1センチ・体重1キロ減」でも改善傾向と評価。

運動や食事の習慣の見直しなどと合わせ、改善を進めてもらう。

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女性のやせ形実態調査 過剰減量 リスク発信

2022年07月06日 | 健康・病気

健康などに影響が出やすいやせ形の若年女性を減らすための対策強化で厚生労働省が研究班を設置し、本年度から体形への意識や食事内容、生活習慣を把握する実態調査を始めることが7月4日、同省への取材で分かった。

過剰なダイエットや不規則な食事によるリスクなどの情報発信を拡充し、適切な健康管理を促す。

政府は2013年度からの健康づくり計画「健康日本21(第2次)」で、体重を身長の2乗で割った体格指数(BMI)が18・5未満の「やせ」に該当する20代女性の割合を20%に下げる目標を設定。

だが、思うように達成できていない。

研究班は、若年女性に特化した調査項目を検討し、食生活や栄養に関する意識、傾向などを探る。

研究結果を基に厚労省は、より多くの人に適正体重を維持する大切さを理解してもらえるよう啓発を強める。

2019年の国民健康・栄養調査では、20代女性で「やせ」に当たるのは20・7%。

BMIが18・5以上25未満の「普通」が70・4%、25以上の「肥満」が8・9%だった。

中高年と比べ「やせ」の割合が大きく、他の先進国と比べても高水準となっている。

厚労省などによると、食事制限で栄養不足に陥ると貧血になることがあるほか、やせたいという願望が強くなりすぎて拒食症になってしまうケースもある。

また、「やせ」の女性の赤ちゃんは、低出生体重児(2500愕未満)で生まれるリスクが懸念される。

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アルツハイマーを抑制 京大チーム 家族性患者に治験

2022年07月03日 | 健康・病気

京都大の井上教授らのチームは6月30日、遺伝子変異が原因で起こる家族性アルツハイマー病の患者に別の病気の治療薬を投与する臨床試験(治験)を実施した結果、病状の進行を抑制する傾向を確認したと発表した。

チームは人工多能性幹細胞(ⅰPS細胞)を使って有効な薬を探し出す「ⅰPS創薬」の手法を活用。

パーキンソン病の治療で使われる「ブロモクリプチン」盲治療薬候補として特定していた。

井上教授は6月30日記者会見し「早期の実用化を目指したい」と話した。

チームによると、対象は特定の遺伝子に変異を持つ家族性アルツハイマー病の患者8人で、薬を飲む5人と偽薬を飲む3人の二つのグループに分け、20週間毎日投与した。

薬を飲んだグループで認知機能の低下が認められたのは5人中1人だけだったが、偽薬を飲んだグループは3人のうち2人が低下した。

自発性の低下といった行動や心理症状については、薬を飲んだ5人は全員症状の進行が認められず、偽薬のグループは3人中1人で進行が確認された。

 チームは2017年、アルツハイマー病患者由来のⅰPS細胞を神経細胞に変

化させ、約1200種類の既存薬を試し、病気の原因となるタンパク質を抑制する効果がブロモクリプチンにあると突き止めていた。

国内のアルツハイマー病患者は数百万人。

比較的若い時期に発症する家族性アルツハイマー病の患者は1%未満で、大部分は孤発性と呼ばれる別のタイプ。

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命に関わる「屋内での熱中症」 扇風機だけに頼るのはかえって危険

2022年07月02日 | 健康・病気

熱中症といえば「屋外の炎天下」というイメージがあるが、実は熱中症の死亡者のうち56・5%が「家庭」で発症している。

まずは熱中症について正しく理解する必要がある。

医師の上氏が解説する。

「熱中症に関し特に注意すべきなのが、脱水だ。 人間は汗をかくことで体温を調整するが、脱水を起こすと熱を逃す働きが弱くなり、体温が下げられずにさまざまな機能障害や循環器不全につながる。 高血圧、糖尿病の人は脱水になると血管中の水分が減り、血がドロドロになって血管が詰まりやすくなるので脳梗塞のリスクも上がる。 脱水を避けるためのこまめな水分補給は、熱中症対策としても、夏場の脳梗塞・脳卒中予防としても有効。」

そもそも、高齢になると体温の調整機能や感覚機能が鈍り、暑さや喉の渇きに気がつかないことが多い、と上医師は言う。

「高齢者がエアコンの風を嫌う傾向があるのは、身体が冷え切って初めて“寒い”と気づくから。 それを理解して、自分の肌感覚で温度調節をしないこと。 室内の温度計を見ながら、常に室温を26~28度に保つことが重要だ。」

エアコンに頼らず、扇風機を使う人もいるが、使い方には注意が必要だ。

気象予報士・森氏は、「エアコンと併用して室内の空気を循環させるのはいいが、扇風機だけに頼るのはかえって危険。 温風を浴び続けることになり、熱中症になりかねない。」と指摘する。

アスファルトやコンクリートに覆われた都市部では、夜でも日中の熱が冷めにくい。

熱帯夜に窓を開けると、夜中でも暑い空気が入ってくる可能性がある。

熱中症の予防ポイントとして、上医師、森氏ともに口を揃えるのが「湿度管理の重要性」だ。

人間の体には、汗が蒸発する際の気化熱で体温を下げる働きがある。

湿度が高い環境では汗をかいても蒸発せず、体の中に熱がこもりやすくなって熱中症を発症しやすい。

熱中症危険度は、室温28度の場合、湿度70%で「警戒レベル」、71%以上では「厳重警戒レベル」となるが、湿度50~60%なら危険度は下がる。

「食事の煮炊きでも部屋の湿度は上がる。 外が暑いと、窓を開けても温度や湿度は下がない。 そんな時は上手にエアコンを利用してほしい。」(森氏)

近年は、部屋の温度を下げ過ぎずに除湿ができる「再熱除湿」機能付きエアコンも増えてきた。

今年の夏は節電要請などでエアコンを使うことが憚られる状況になると考えられるが、酷暑の室内における熱中症予防には、エアコンと折り合いをつけて付き合うことが欠かせない。

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子どもの近視「深刻に」(その2) 対策は?

2022年06月27日 | 健康・病気

子どもの視力低下の実態の調査をまとめた東京医科歯科大学の大野教授は、「小学校高学年の時点で大人の平均に達していて、早い年齢で近視が進行していると見受けられる。 眼軸の長さは体の成長にあわせてさらに延びる危険性もあると考えられる。 コロナ禍でスマートフォンやタブレット端末を見る機会が増えていることがどう影響しているか、今後、さらに分析したい」と話している。

「小児眼科外来」がある東京 千代田区の眼科の診療所、「お茶の水・井上眼科クリニック」には、多い日では1日に100人の子どもたちが診療に訪れる。

受診する子どもは年々増え、昨年度は4割近くが近視やその疑いを理由に受診していたということだ。

近視は、30センチ以内の近いところを見る時間が長くなると進行するため、視能訓練士が子どもや保護者に対し、スマートフォンやタブレット端末などを見るときは、姿勢を正して、30センチ以上離すこと、30分に1回は20秒以上、遠くを見て、目を休めてほしいと伝えていた。

受診に訪れた小学3年生の女の子の母親は「学校の授業でタブレット端末が使われ、家でもスマートフォンで動画ばかり見ている。 小さいときからスマホが身近にあり、目を使いすぎていると感じる。」と話していた。

この診療所の永野医師は「いまの親の世代よりも低い年齢で近視になるケースが増えていて、中には近視になる幼稚園児もいる。 近視が進行すると網膜剥離や緑内障など別の病気を引き起こすリスクもあるので、画面から目を離し、目を休めることを習慣にしてほしい」と話していた。

近視はアジアを中心に世界で急増していて、オーストラリアなどの研究グループが2016年に出した試算では、2050年には世界の人口のおよそ半数にあたるおよそ48億人が近視になると予想されている。

WHOも深刻な公衆衛生上の懸念があるとしていて、世界各地で様々な対策が取られている。

眼軸の長さが延びることで起きる近視は、30センチ以内の近いところを見る時間が長くなると進行するとされ、アメリカ眼科学会は、20分間継続して近くを見たあとは、20フィート、およそ6メートル以上離れたものを20秒間眺めるという「20―20―20」ルールを推奨している。

さらに近年では、1日およそ2時間、屋外で活動し、十分な光を浴びることで近視の進行を抑えられることが分かってきていて、台湾ではおよそ10年前から小学校で1日に2時間以上、屋外で光を浴びるようにした結果、視力0.8未満の小学生の割合が5%以上減ったということだ。

東京医科歯科大学の大野京子教授は、「近視がより進行すると、緑内障や眼底出血などの目の病気が引き起こされるリスクが高まり、失明につながる恐れもある。 近年、スマートフォンや携帯ゲームが普及し、コロナ禍で外出の機会が減ったことで、世界中で子どもの近視が進んでいると指摘されている。 学校でもタブレット端末を使う機会が増えているが、20分ぐらい使ったら窓の外を見て休憩すること、昼休みや体育の時間に外に出て太陽光を浴びることが大事だ。 また、自宅で宿題をするときにも目と本の間の距離には気をつけ、特に夜に寝転がってスマホを見るのをやめるといった対策を子ども自身に意識して取り組んでもらうことが重要だ」と話している。

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子どもの近視「深刻に」(その1) 初の実態調査

2022年06月26日 | 健康・病気

遠くのものが見えにくくなる近視の進み具合を示す「目の奥行き」の長さについて、小中学生を対象に初めて調査した結果を文部科学省が発表した。

長ければ長いほど近視が進んでいるとされるが、小学6年生の平均の長さが成人の平均に達していることがわかり、専門家は近視の進行が深刻になっていると指摘している。

調査は、子どもの視力低下の実態を把握しようと、文部科学省が昨年度、各地の小中学生およそ8600人を対象に行った。

近視は、多くの場合、眼球の長さが延び、明るさや色、形などを感じ取る網膜の手前でピントが合ってしまうことで起きる。

一般的には視力検査の値が低下すると近視の疑いがあるとされますが、今回の調査では初めて、正確に調べるために必要な、目の表面の角膜から最も奥にある網膜までの眼球の奥行き、「眼軸」の長さを調べた。

眼軸の長さは成人の平均で24ミリ前後とされていますが、調査の結果、小学6年生の平均では、男子が24・22ミリ、女子が23・75ミリと大人と同じ程度に達し、中学3年生では、男子が24・61ミリ、▽女子が24・18ミリとさらに長くなっていた。

また、視力検査でも裸眼の視力が1・0未満だったのは、小学1年生でおよそ2割だったのが、中学3年生ではおよそ6割に増加し、およそ3割は0・3未満になっていた。

子どもの視力は、1979年に統計を取り始めて以降、40年余りにわたって低下傾向が続いている。

文部科学省が全国の国公私立の幼稚園や小中学校や高校を対象に毎年、行っている「学校保健統計調査」によりますと、視力検査で裸眼の視力が1・0未満だった子どもの割合は、統計を取り始めた、1979年度は小学生で17・91%、中学生で35・19%、高校生で53・02%だった。

しかし、10年後の1989年度には小学生で20・60%、中学生で40・90%、高校生で55・81%となり、20年後の1999年度には小学生で25・77%、中学生で49・69%、高校生で63・31%となるなど視力の低下が続いた。

さらに、2009年度には小学生で29・71%、中学生で52・54%、高校生で59・37%となっていて、最も新しい2020年度のデータでは小学生で37・52%、中学生で58・29%と過去最多になったほか、高校生が63・17%となっている。

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生活習慣改善で「寿命が延びた」 80歳でも効果

2022年06月13日 | 健康・病気

飲酒や喫煙、運動といった生活習慣を改善すると、50~80歳の各年代層でそれぞれ寿命の延伸効果が確認されたとの調査結果を大阪大や北海道大などのチームがまとめた。

高血圧など複数の生活習慣病のある人ほど効果が高く、80歳でも効果が確認された。

チームは、全国の男女4万人以上の健康診断データなどを最大約20年分追跡。

飲酒や喫煙のほか、果物や生鮮・魚介類の摂取、適正な体重の維持、睡眠時間の確保といった生活習慣8項目と死亡時の年齢を集計した。

効果が大きかったのは喫煙と飲酒で、40歳時点で喫煙していない男性は喫煙者に比べて約4年、飲酒量を日本酒換算で1日2合以下に抑えている女性はそうでない女性に比べて約5年、それぞれ寿命が長かった。

三つ以上の生活習慣病がある人が50歳、65歳、80歳の各時点で6項目以上実践していると、2項目以下の人に比べてそれぞれ8・7年、7・2年、3・8年寿命が長かった。

50代から7項目以上を実践して維持した場合の平均寿命は男性87・7歳、女性92・5歳と推定され、日本人の平均寿命より男性で約6年、女性で約5年それぞれ長かった。

(改善で寿命延伸につながる生活習慣8項目)

  • 果物の摂取(ほば毎日)
  • 生鮮・魚介類の摂取(ほぼ毎日)
  • 乳製品の摂取(週5日以上)
  • 習慣的な運動(週1時間以上)か歩行(1日30分以上)
  • 適正体重の維持
  • 適量の飲酒(日本酒換算で1日2合以下)
  • 喫煙せず
  • 適正な睡眠時間(5・5~7・4時間)
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たばこを吸い始めた年齢とリスクの関係 若いほど高まる死亡率と依存度

2022年06月07日 | 健康・病気

たばこを吸い始めた年齢が若いと、がんでの死亡率が高くなる。

喫煙者が吸うたばこの煙には約5300種類の化学物質が含まれており、発がん性のあるものは約70種類に上る。

肺がんや食道がんなどさまざまながんの原因になるほか、脳卒中や動脈硬化、肺の病気を引き起こすことが分かっている。

また、たばこから出てくる副流煙にも有害物質が含まれ、煙を吸わされる人の肺がんや脳卒中などのリスクが高まることから、2019年から20年にかけて受動喫煙対策が強化された。

喫煙開始年齢が早いと、どんな影響があるのか。

厚生労働省が16年に公表した「喫煙の健康影響に関する検討会報告書(通称・たばこ白書)」では、未成年者への影響について「喫煙開始年齢が若いと、その後の人生で喫煙本数が多くなり、ニコチン依存度がより重く、禁煙が成功しづらく、喫煙年数や生涯の喫煙量が多くなり、その結果、死亡や病気の発症リスクが増加することが国内外の研究で一致して示されていた」とまとめている。

たとえば、たばこを吸い始めた年齢が若いと、がんや心臓病での死亡率が高くなるとの日本の研究結果を神奈川県が子ども向けのリーフレットで紹介している。

がんの場合、男性が19歳以下で吸い始めると、吸わない人に比べて40~69歳での死亡率が2・11倍、20~24歳で吸い始めると1・71倍、25歳以上だと1・65倍になる。

また、吸い始めた年齢が若い人ほど、ニコチン依存度が高いとの国の調査結果もある。たばこの健康影響に詳しい地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センターの中村正和センター長は「若い頃から吸い始めると、たばこをやめたいと思ってもやめにくい重度の依存症になりやすい。

また、受動喫煙と同じように、量が少なくても長い期間吸い続けると肺がんになりやすくなる。

喫煙期間が長くなる若い頃からの喫煙は害が強く出やすい」と指摘する。

だが、こうしたリスクを知らない人も多い。

国立がん研究センターが5月31日に公表した成人年齢とたばこについてのインターネットによる調査(20歳以上の2000人が対象)では、18、19歳は喫煙が禁止されていることを「知らなかった」「あまりよく知らなかった」と回答した人を合わせると全体の31・4%だった。

18~19歳を対象に尋ねても10%に上った。

喫煙開始年齢が若いと病気のリスクが高まることも十分に知られていなかった。

20歳になった時にたばこを吸ってみたいと思った人のうち、きっかけについて「家族が吸っていて、身近にあった」と答えたのは52・0%(複数回答)に上った。

このため、同センターたばこ政策情報室の平野公康室長は「若年層の喫煙開始を防ぐには、子どもの前でたばこを吸わないことが大事だ」と指摘する。

また、調査結果では「20歳になった時、たばこを吸ってみたいと思った」と回答した人は、喫煙者では61・3%だったのに対し、非喫煙者では20・5%と少なく、20歳になった時に吸ってみたいと思ったかどうかが、その後の喫煙状況に影響を与える可能性があることも分かった。

平野室長は「中高生の喫煙率が下がっているのに対し、20代が下がらないのが問題。健康リスクを知ってもらい若年成人の喫煙開始を防ぐための取り組みが必要だ」と話している。

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更年期の症状実態初調査へ ほてりやめまい働けずに解雇事例も

2022年05月09日 | 健康・病気

ほてりやめまい、気分の落ち込みなど40代以降の更年期に生じる症状が日常生活や仕事に与える影響について、厚生労働省は本年度から初の実態調査に乗り出す。

症状が重く働けずに職場を解雇されるなど深刻な事例もあり、現状把握を進めて支援策を検討する。

更年期は女性の場合、閉経前後の10年間ほどを指し、ホルモン減少が主要因で体調不良などの症状が出る。

男性にもあるが、ホルモン低下が女性より緩やかなため、加齢に伴う症状と認識され気付かないケースも多いとされる。

日常生活に支障があるほど症状が重い場合、更年期障害と呼ぶ。

労働基準法に定められている「生理休暇」のような制度は更年期症状にはなく、対応を求める声が出ている。

実態調査の詳細な内容などは今後調整する。

労働組合「総合サポートユニオン」が昨年実施した更年期症状の経験者への調査によると、285件の回答の中で「症状のため仕事で悩みを抱えたり、職場トラブルや労働問題にあったりした」のは37%に上った。

症状が出て会社を休んだことがある人のうち、不利益な扱いを受けたと答えたのは29%で、雇い止めにあったという人もいた。

更年期症状は、体や心にさまざまな影響が出て個人差がある。

初期はだるい、寝付けないといった曖昧なものが多い。発症に気付かないまま思い通りに活動できないストレスを蓄積させ、精神状態を悪化させることもある。

不調が他の病気によるものではないかの確認も重要とされる。

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「肉を食べまくる老人」ほど幸せで長生きする

2022年03月27日 | 健康・病気

80代になっても元気でいるためには、70代の生活で気をつけるべき2つのポイントがある。

それは、活動意欲を維持するということと、運動機能を維持するということの2つ。

まず、意欲の低下を防ぐ意味で、勧めたいのは、「肉を食べる」ということ。

日本人の食生活も欧米化してきたと言われているが、それでも1日当たり80グラムほどしか肉を食べていない。

一方、アメリカ人は300グラムほど食べている。

日本人には肉が不足していて、その傾向は、高齢者ほど強くなる。

歳をとると意欲レベルが低下してくる理由にはいくつかあるが、そのひとつが、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの減少だ。

セロトニンは別名「幸せ物質」とも言われ、人に幸福感をもたらすもの。

このセロトニンが減少してくると、日々の幸福感は薄れ、はつらつとした感情や若々しさ、活動する意欲が低下してしまう。

気分が沈んだり、イライラしたり、感情が不安定になり、うつ病のリスクも高まってくる。

肉がセロトニンの生成を促進する。

セロトニンの材料となるのがトリプトファンというアミノ酸だが、それが多く含まれているのが肉なのだ。

肉を積極的にとることで、セロトニンの生成が促進され、意欲低下の抑止に働く。

また、肉には、コレステロールもたくさん含まれている。

コレステロールは動脈硬化を促進し、心筋梗塞のリスクになるという理由から悪者として見られているが、日本の高齢者にとっては必ずしも忌避すべきものではない。

コレステロールを減らすことによってもたらされる男性ホルモンの減少のほうを恐れるべきだ。

コレステロールは男性ホルモンの原料になる。

そのため、コレステロール値を薬で抑制することで、EDになることはよくあることだ。

男性ホルモンのなかでも特にテストステロンは「意欲」と関係している。

性機能の面だけでなく、他者への関心や集中力などを司っている。

男性ホルモンが減少すると、活動意欲が低下して、元気のない老人になってしまう。

ついでに言うと、記憶力も低下する。

しかし、肉を食べ、コレステロールをよくとっていれば、男性ホルモンの低下にも対抗することができる。

さらには、セロトニンを脳に運ぶ役割も、コレステロールが果たしていると言われている。

つまり、肉を食べることは、セロトニンと男性ホルモンの生成を促進し、人の「意欲」を高め、活動レベルを維持することにたいへん効果的なのだ。

病気を患って急に老け込むということがあるが、そうではない場合、老化は意欲の低下によって加速する。

何事にも関心がもてない、身体を動かすのがおっくうだ、人にも会いたくないし、外にも出たくないといった不活発な傾向が70代ともなると自然と強まってくる。

この意欲の低下を防がないと、日常の活動レベルはどんどん落ちていき、運動機能も脳機能も一気に老け込んでいくことになる。

だから、70代になっても意欲レベルをなるべく維持することが、元気でいるためには必要なのだ。

また、運動機能においても、70代のまだ身体の動く時期にどのように過ごすかで、80代以降の機能が決まってくると言える。

70代に、自分で意識して適切な運動を心がけることが重要となってくる。

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