筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新薬が9年ぶりに登場した。
症状の進行を遅らせる効果があるとして、厚生労働省が製造販売を承認。
徳島大や千葉大の研究チームが臨床試験(治験)を長期解析した結果、早期の投与で生存期間を既存薬よりも500日以上延ばせたとする新たなデータも9月30日までに発表し、患者らの期待が高まっている。
薬はエーザイが開発した「ロゼバラミン」。
ビタミン B12の一種のメコバラミンが有効成分で、この成分を使った薬では、末梢神経障害の治療薬などが保険適用されている。
徳島大などのチームが発症1年以内に登録した患者約130人を対象に治験を実施。
高用量のメコバラミンを週2回注射すると、4ヵ月後の症状の進行を約43%抑制することが分かり、厚労省は9月24日、ALS新薬として承認した。
その後も投与を続けて効果を解析すると、先に投与を始めたグループは4ヵ月後から投与したグループと比べ、生存期間が平均約500日以上長かった。
既存薬の生存期間の延長効果は90日程度とされており、チームの梶龍徳島大特任教授は「考えられないほど良い結果。 世界中の人に使ってほしい」と語った。
進行抑制と長期生存の二つの効果が確認されたALS治療薬は世界初という。
メコバラミンがALSに効く仕組みは解明されていないが、神経を保護する作用によるものと考えられる。
患者として研究に参加した日本ALS協会三保理事は「新薬の誕生に大きく期待している。 将来この病気が治療可能になると信じている」とコメントした。
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