厚生労働省は3月17日、今国会に提出する働き方改革関連法案を一部修正する方針を固めた。
働く人の健康管理に役立てるため、法律で企業に勤務時間の把握を義務付ける。
当初は省令で規定する予定だったが、健康確保措置の強化にこだわる公明党の要請を受け、法律に格上げする。
労使の代表と調整した上で、3月下旬に与党に正式提案する。
具体的には、労働安全衛生法に基づく医師の面接指導を受けるため、企業が働いた時間を客観的に把握するよう定める。
把握の手段としては、職場の出退勤ゲートや業務用のパソコンの記録などを想定。
現行制度でも、指針の形で同様の対応を求めている。
全ての労働者を対象とするが、主に労働基準法で定める時間規制が適用されない管理職や、厳密な管理が難しい裁量労働制の人の健康に配慮した措置。
賃金支払いの根拠となる労基法の厳密な時間管理とは異なり、違反した場合も罰則はない。
法案は残業時間に罰則付きの上限を設ける内容や、非正規労働者の処遇改善に向けた「同一労働同一賃金」導入などが柱。
政府は厚労省の労働時間調査に不適切なデータ処理や異常値が多数見つかったことを踏まえ、当初予定していた裁量労働制に関する改正の全面削除を決めた。
公明党は削除される部分に労働者の健康確保措置の強化も含まれていたことから、代替策を盛り込むよう厚労省に求めていた。