65歳以上の高齢者世帯のうち、働いて得られる収入がなく、総所得が公的年金・恩給のみの世帯が半数に上ることが7月2日、厚生労働省の2018年国民生活基礎調査で分かった。
生活状況を聞いたところ、高齢者世帯で「苦しい」と答えた割合は55・1%に上り、前年からO・9ポイント増えた。
金世帯でも1・9ポイント増の57・7%だった。
1世帯当たりの平均所得(2017年)は、全世帯は551万6千円で4年ぶりに前年より低下。
所得が平均を下回る世帯は全体で62・4%、高齢者世帯に限ってみると88・9%だった。
高齢者世帯数は1406万3千に上り、全世帯に占める割合は27・6%で、それぞれ過去最高となった。
老後に2千万円の蓄えが必要とした金融庁審議会報告書で年金不安が高まる中、多くの人が年金頼みで暮らしている可能性が大きいことが浮き彫りになった。
無年金の人らを除く高齢者世帯のうち、総所得に占める公的年金・恩給の割合が100%の世帯は51・1%に上った。
1990年代からこの割合が50%を超える傾向にあるが、2013年以降は微減が続いている。
1世帯当たりの平均所得(2017年)を見ると、全世帯は前年を下回った一方、高齢者世帯は334万9千円で前年から増加。
働く高齢者が増えていることが背景にあるようだ。
高齢者世帯の所得の内訳は多い順に「公的年金・恩給」61・1%、働いて得る「稼働所得」25・4%、家賃収入や預貯金の利子、配当など「財産所得」8・0%だった。
調査は昨年6月と7月に実施。
世帯に関する調査は約4万4千世帯、所得に関する調査は約6千世帯から有効回答を得て、集計した。