国立がん研究センターは4月14日、2009~2011年にがんと診断された患者の5年後の生存率は64・1%だったと発表した。
前回調査の2006~2008年の患者に比べて2ポイント向上しており、センターは、早期発見が進んだことや治療法の改善が貢献したとみている。
患者数の多いがんを部位別に見ると、大腸が71・4%、胃が66・6%、肝臓が35・8%、肺が34・9%で、いずれも前回より向上した。
各府県の全ての医療機関が対象となる「地域がん登録」のデータのうち基準を
満たした22府県の約59万2千人を分析した。
男女別では男性が62・0%、女性が66・9%で、女性の方が4・9ポイント高かった。
男性は前立腺が99・1%で最も高く皮膚、甲状腺、喉頭、ぼうこうなどが70%を上回った。
女性は甲状腺が95・8%と最も高く、乳房は92・3%だった。
早期発見が難しい眸臓は一男女とも8%台で最も低く、胆のう・胆管も20%台、と低かった。
がんの進行度を3段階に分けると、がんが臓器や組織にとどまっている早期は全体で92・4%だったが、周辺へ広がった中期は58・1%、離れた部位にも転移した段階では15・7%に下がった。