踊る小児科医のblog

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インフルエンザが八戸でも流行期に

2005年02月08日 | こども・小児科
今年は1月下旬までインフルエンザの流行がまったくみられない異例のシーズンになりましたが、院内報にも書いたとおり、1月最終週で関東から中部にかけて明らかな流行期に入り、2月第1週には八戸市内や五戸などで流行が始まっているようです。当院でも、その頃からそれらしい患者さんが増え始めていましたが、先週末から数名インフルエンザの迅速診断キットで陽性になっていますので、本格的に流行シーズンに入ったと言って間違いなさそうです。

流行は立ち上がりから2週間程度でピークとなり、1か月後にはほぼ終息しますが、いくつかの異なるタイプのウイルスが重なって、流行が長引く場合もあります。ここ数年はA型から始まって、流行の終わり頃にB型がみられるパターンでしたが、今年はまずB型の流行で始まって、その中でA型もみられ始めている混合流行の様相を呈しています。

インフルエンザにかからないためには手洗い・うがいなどが言われていますが、最近ではうがいよりも手洗いの方が強調されるようです。しかし、最大の防御は、必要もないのに人混みに出ないこと、そして「具合の悪い子は無理して登校・登園しないこと」です。

※皆勤賞を狙って微熱があるのに登校する
 →他の子にうつる→その子の家族にうつる
 →高齢者が肺炎などで入院したり亡くなったりする

最初の無理して登校した子どもは罪に問われたりはしませんが(もちろん特定もできないし因果関係も問えない)、亡くなるほどではなくてもこの図式に類することが全国で繰り広げられていることをご理解下さい。たとえ抗インフルエンザ薬(タミフル)が処方されてすぐに熱が下がったとしても、5日から1週間を目安に長めに休んだり養生するようにしましょう。前の晩に熱があって朝下がったから学校に行くなどは論外です。

ワクチンは今年は全国的に在庫・返品があり、当院でも予約して確保した分を取り寄せて接種することはまだ可能です。ただし、もともと感染予防効果の高くないワクチンですので、流行が始まってからの接種での効果は期待するほどではないことをご承知おき下さい。

インフルエンザ(感染症情報センター)→インフルエンザ流行レベルマップ
MLインフルエンザ流行前線情報DB