皇太子の生まれた昭和35年(1960年)2月には私の姉も生まれ、私は昭和37年、皇室では秋篠宮は昭和40年、紀宮は昭和44年ということですから、ほぼ同世代という親近感(同時代人としての共感)は結構あります。お誕生日が2月なのは将来の祝日としては嬉しくないのですが、、まあこれは仕方ないですね。
45歳の誕生日である23日の記者会見(皇太子殿下のお誕生日に際しての記者会見の内容)で、「子ども」という詩を紹介していますが、これは下記のような変遷を経てすでにベストセラーとなっており、読んだことのある方も多いと思います。この訳について、ちょっとまとめてみたのが一点。
もう一つは、この詩が掲載されていたという『あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書』のこと。愛子ちゃんの将来の教育のために入手したとしたら気が早すぎるように思えますが、詩を引用する目的なら原著で最新版の『子どもが育つ魔法の言葉』から紹介すればいいものを、わざわざこの本から紹介したのは何か意図するものがあったのではないかと深読みしています(その意図については推測に過ぎませんのでここには書きませんが)。『アメリカインディアンの教え』と『子どもが育つ魔法の言葉』は持っていたのですが、詩以外の内容について是非読んでみたいと思ったので、Amazonで即日注文してみました。
Dorothy Law Nolte による "Children Learn What They Live" が辿った経緯は、『子どもが育つ魔法の言葉』の前書きに書かれていますが、日本では当初『アメリカインディアンの教え』として紹介され、その後著者自身によって手を加えられた最新版が『子どもが育つ魔法の言葉』として翻訳され共にベストセラーになっています。今回紹介された『あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書』も含めて3つの翻訳が存在することになりますが、こちらのサイト(下記のc)に書かれているように、表現が若干違うだけでなく意味合いも異なったものになっているので、ここで原典と4つの翻訳を並べて比較してみることにしました。今回の「子ども」は『アメリカインディアンの教え』と同じ古いバージョンから訳されていることがわかります。やはり c) が一番しっくりくる感じですね。
"Children Learn What They Live" by Dorothy Law Nolte
a) 「子供たちはこうして生きかたを学びます」(『アメリカインディアンの教え』加藤諦三著、吉永 宏訳)
b) 「子は親の鏡」(『子どもが育つ魔法の言葉』石井千春訳)
c) 「子は親の鏡」子どもたちは、こうして生き方を学びます
http://www.geocities.co.jp/SweetHome/1925/bgc/koredake.html
d) 「子ども」(『あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書』川上邦夫訳)
If children live with criticism, they learn to condemn.
a) 批判ばかり受けて育った子は、非難ばかりします
a) If a child lives with criticism, He learnes to condemn.
b) けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
c) 批判ばかり受けて育った子は、人をけなすようになります
d) 批判ばかりされた子どもは、非難することをおぼえる
If children live with hostility, they learn to fight.
a) 敵意にみちた中で育った子は、だれとでも戦います
a) If a child lives with hostility, He learnes to fight.
b) とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
c) いがみあう家庭で育った子は、人と争うようになります
d) 殴られて大きくなった子どもは、力にたよることをおぼえる
If children live with fear, they learn to be apprehensive.
b) 不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
c) 恐れのある家庭で育った子は、びくびくするようになります
If children live with pity, they learn to feel sorry for themselves.
b) 「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
c) あわれみを伴って育てられた子は、「自分はみじめな人間なんだ」と思うようになります
If children live with ridicule, they learn to feel shy.
a) ひやかしを受けて育った子は、はにかみ屋になります
a) If a child lives with ridicule, He learnes to be shy.
b) 子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
c) 嘲笑を受けて育った子は、はにかみ屋になります
d) 笑いものにされた子どもは、ものを言わずにいることをおぼえる
If children live with jealousy, they learn to feel envy.
b) 親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
c) 親が他人に対して嫉妬ばかりしていると、子どもも人を羨むようになります
If children live with shame, they learn to feel guilty.
a) ねたみを受けて育った子は、いつも悪いことをしているような気持ちになります
a) If a child lives with shame, He learnes to feel guilty.
b) 叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
c) 辱めを受けて育った子は、「自分は悪い子なんだ」と思うようになります
d) 皮肉にさらされた子どもは、鈍い良心のもちぬしとなる
If children live with encouragement, they learn confidence.
a) はげましを受けて育った子は、自信を持ちます
a) If a child lives with encouragement, He learnes confidence.
b) 励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
c) 励まされて育った子は、自信を持つようになります
d) しかし、激励をうけた子どもは、自信をおぼえる
If children live with tolerance, they learn patience.
a) 心が寛大な人の中で育った子は、がまん強くなります
a) If a child lives with tolerance, He learnes to be patient.
b) 広い心で接すれば、キレる子にはならない
c) 寛大な家庭で育った子は、我慢することを学びます
d) 寛容にであった子どもは、忍耐をおぼえる
If children live with praise, they learn appreciation.
a) ほめられる中で育った子は、いつも感謝することを知ります
a) If a child lives with praise, He learnes to appreciate.
b) 誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
c) ほめられて育った子は、感謝することを学びます
d) 賞賛をうけた子どもは、評価することをおぼえる
If children live with acceptance, they learn to love.
a) 仲間の愛の中で育った子は、世界に愛をみつけます
a) If a child lives with acceptance and friendship, He learnes to find love in the world.
b) 愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
c) 心から受け入れられて育った子は、愛することを学びます
d) 可愛がられ抱きしめられた子どもは、世界中の愛情を感じとることをおぼえる
If children live with approval, they learn to like themselves.
a) 人に認めてもらえる中で育った子は、自分を大事にします
a) If a child lives with approval, He learnes to like himself.
b) 認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
c) 認められて育った子は、自分が好きになります
If children live with recognition, they learn it is good to have a goal.
b) 見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
c) 子どものなしとげたことを認めてあげれば、目的を持つことの素晴らしさを学びます
If chilren live with sharing, they learn generosity.
b) 分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
c) 分かち合う家庭で育った子は、思いやりを学びます
If children live with honesty, they learn truthfulness.
b) 親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
c) 正直な家庭で育った子は、誠実であることの大切さを学びます
If children live with fairness, they learn justice.
a) 公明正大な中で育った子は、正義心を持ちます
a) If a child lives with fairness, He learnes justice.
b) 子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
c) 公明正大な家庭で育った子は、正義を学びます
d) フェアプレーを経験した子どもは、公正をおぼえる
If children live with kindness and consideration, they learn respect.
b) やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
c) やさしさと思いやりのある家庭で育った子は、他人を尊敬することを学びます
d) 友情を知る子どもは、親切をおぼえる
If children live with security, they learn to have faith in themselves and in those about them.
a) 思いやりのある中で育った子は、信仰心を持ちます
a) If a child lives with security, He learnes to have faith.
b) 守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
c) 安心できる家庭で育った子は、自らを信じ、人をも信じられるようになります
d) 安心を経験した子どもは、信頼をおぼえる
If children live with friendliness, they learn the world is a nice place in which to live.
b) 和気あいあいとした家庭で育てば、 子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
c) 和気あいあいとした家庭で育った子は、この世の中はいいところだと思えるようになります
Copyright(c) 1972, 1998 by Dorothy Law Nolte
なお、文中の敬称は最低限の形にさせていただいております。
45歳の誕生日である23日の記者会見(皇太子殿下のお誕生日に際しての記者会見の内容)で、「子ども」という詩を紹介していますが、これは下記のような変遷を経てすでにベストセラーとなっており、読んだことのある方も多いと思います。この訳について、ちょっとまとめてみたのが一点。
もう一つは、この詩が掲載されていたという『あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書』のこと。愛子ちゃんの将来の教育のために入手したとしたら気が早すぎるように思えますが、詩を引用する目的なら原著で最新版の『子どもが育つ魔法の言葉』から紹介すればいいものを、わざわざこの本から紹介したのは何か意図するものがあったのではないかと深読みしています(その意図については推測に過ぎませんのでここには書きませんが)。『アメリカインディアンの教え』と『子どもが育つ魔法の言葉』は持っていたのですが、詩以外の内容について是非読んでみたいと思ったので、Amazonで即日注文してみました。
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Dorothy Law Nolte による "Children Learn What They Live" が辿った経緯は、『子どもが育つ魔法の言葉』の前書きに書かれていますが、日本では当初『アメリカインディアンの教え』として紹介され、その後著者自身によって手を加えられた最新版が『子どもが育つ魔法の言葉』として翻訳され共にベストセラーになっています。今回紹介された『あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書』も含めて3つの翻訳が存在することになりますが、こちらのサイト(下記のc)に書かれているように、表現が若干違うだけでなく意味合いも異なったものになっているので、ここで原典と4つの翻訳を並べて比較してみることにしました。今回の「子ども」は『アメリカインディアンの教え』と同じ古いバージョンから訳されていることがわかります。やはり c) が一番しっくりくる感じですね。
"Children Learn What They Live" by Dorothy Law Nolte
a) 「子供たちはこうして生きかたを学びます」(『アメリカインディアンの教え』加藤諦三著、吉永 宏訳)
b) 「子は親の鏡」(『子どもが育つ魔法の言葉』石井千春訳)
c) 「子は親の鏡」子どもたちは、こうして生き方を学びます
http://www.geocities.co.jp/SweetHome/1925/bgc/koredake.html
d) 「子ども」(『あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書』川上邦夫訳)
If children live with criticism, they learn to condemn.
a) 批判ばかり受けて育った子は、非難ばかりします
a) If a child lives with criticism, He learnes to condemn.
b) けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
c) 批判ばかり受けて育った子は、人をけなすようになります
d) 批判ばかりされた子どもは、非難することをおぼえる
If children live with hostility, they learn to fight.
a) 敵意にみちた中で育った子は、だれとでも戦います
a) If a child lives with hostility, He learnes to fight.
b) とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
c) いがみあう家庭で育った子は、人と争うようになります
d) 殴られて大きくなった子どもは、力にたよることをおぼえる
If children live with fear, they learn to be apprehensive.
b) 不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
c) 恐れのある家庭で育った子は、びくびくするようになります
If children live with pity, they learn to feel sorry for themselves.
b) 「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
c) あわれみを伴って育てられた子は、「自分はみじめな人間なんだ」と思うようになります
If children live with ridicule, they learn to feel shy.
a) ひやかしを受けて育った子は、はにかみ屋になります
a) If a child lives with ridicule, He learnes to be shy.
b) 子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
c) 嘲笑を受けて育った子は、はにかみ屋になります
d) 笑いものにされた子どもは、ものを言わずにいることをおぼえる
If children live with jealousy, they learn to feel envy.
b) 親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
c) 親が他人に対して嫉妬ばかりしていると、子どもも人を羨むようになります
If children live with shame, they learn to feel guilty.
a) ねたみを受けて育った子は、いつも悪いことをしているような気持ちになります
a) If a child lives with shame, He learnes to feel guilty.
b) 叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
c) 辱めを受けて育った子は、「自分は悪い子なんだ」と思うようになります
d) 皮肉にさらされた子どもは、鈍い良心のもちぬしとなる
If children live with encouragement, they learn confidence.
a) はげましを受けて育った子は、自信を持ちます
a) If a child lives with encouragement, He learnes confidence.
b) 励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
c) 励まされて育った子は、自信を持つようになります
d) しかし、激励をうけた子どもは、自信をおぼえる
If children live with tolerance, they learn patience.
a) 心が寛大な人の中で育った子は、がまん強くなります
a) If a child lives with tolerance, He learnes to be patient.
b) 広い心で接すれば、キレる子にはならない
c) 寛大な家庭で育った子は、我慢することを学びます
d) 寛容にであった子どもは、忍耐をおぼえる
If children live with praise, they learn appreciation.
a) ほめられる中で育った子は、いつも感謝することを知ります
a) If a child lives with praise, He learnes to appreciate.
b) 誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
c) ほめられて育った子は、感謝することを学びます
d) 賞賛をうけた子どもは、評価することをおぼえる
If children live with acceptance, they learn to love.
a) 仲間の愛の中で育った子は、世界に愛をみつけます
a) If a child lives with acceptance and friendship, He learnes to find love in the world.
b) 愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
c) 心から受け入れられて育った子は、愛することを学びます
d) 可愛がられ抱きしめられた子どもは、世界中の愛情を感じとることをおぼえる
If children live with approval, they learn to like themselves.
a) 人に認めてもらえる中で育った子は、自分を大事にします
a) If a child lives with approval, He learnes to like himself.
b) 認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
c) 認められて育った子は、自分が好きになります
If children live with recognition, they learn it is good to have a goal.
b) 見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
c) 子どものなしとげたことを認めてあげれば、目的を持つことの素晴らしさを学びます
If chilren live with sharing, they learn generosity.
b) 分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
c) 分かち合う家庭で育った子は、思いやりを学びます
If children live with honesty, they learn truthfulness.
b) 親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
c) 正直な家庭で育った子は、誠実であることの大切さを学びます
If children live with fairness, they learn justice.
a) 公明正大な中で育った子は、正義心を持ちます
a) If a child lives with fairness, He learnes justice.
b) 子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
c) 公明正大な家庭で育った子は、正義を学びます
d) フェアプレーを経験した子どもは、公正をおぼえる
If children live with kindness and consideration, they learn respect.
b) やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
c) やさしさと思いやりのある家庭で育った子は、他人を尊敬することを学びます
d) 友情を知る子どもは、親切をおぼえる
If children live with security, they learn to have faith in themselves and in those about them.
a) 思いやりのある中で育った子は、信仰心を持ちます
a) If a child lives with security, He learnes to have faith.
b) 守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
c) 安心できる家庭で育った子は、自らを信じ、人をも信じられるようになります
d) 安心を経験した子どもは、信頼をおぼえる
If children live with friendliness, they learn the world is a nice place in which to live.
b) 和気あいあいとした家庭で育てば、 子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
c) 和気あいあいとした家庭で育った子は、この世の中はいいところだと思えるようになります
Copyright(c) 1972, 1998 by Dorothy Law Nolte
なお、文中の敬称は最低限の形にさせていただいております。