4月1日の夕刊「明日への話題」・・筆者永田和宏氏のエッセイから・・です。氏がドイツの
生化学会に招待され、講演を行ったときのこと・・持ち込んだパソコンから最初のスライド
を映すと、現れたのは氏の夫人が20歳のころの映像でした。会場がどっと沸く中、慌てて
消そうとするが消えてくれず・とその時のエピソードをつづっています。永田さん、自分の
パソコンの壁紙に、若き日の夫人の横顔が貼り付けてあって「自分で言うのもなんだが、
これが可愛い」とあり、何とも無邪気で微笑ましく思いました。
夫人の名は河野裕子氏(2010.8.12歿 64歳)・夫君の永田氏と共に「宮中歌会始」の
選者を務めた歌人です(Wikipedia「河野裕子」より)。
手許に、永田さん執筆のエッセイ集「もうすぐ夏至だ」があります。題名は中の一節から
選んだもので、そこには次のように書いてあります。「もうすぐ夏至だ。冬至の日はうれ
しい。これからどんどん明るくなるのだと思うと、まだ真冬だというのに心が明るむ。夏至
はいやだ・・中略・・妻の河野裕子に乳癌の転移が見つかったのが一昨年の7月。手術
後八年を経過して、ようやく家族みんなが安心し始めたばかりのころだった。」
続けて「転移・再発がどういう状況を意味するのかは、癌に関わる研究をしていた私には、
誰に言われなくてもよくわかる。にわかに妻との時間が抜き差しならない切実なものとして、
心を占め始めた。」とあります。読みながら、こういう事態に私が直面したらどうなるだろう
・・考えるだけでもおそろしいことであります。
氏の「三歳の知恵」(2010.2.8.日経夕刊)を読んで感動したのは、先に№733でお伝えし
ましたが、そのころ(亡くなる半年前)の彼女の歌です。
この家に君との時間はどのくらゐ残っているか梁よ答えよ
去年家を建て替えて、新しい家に住むことになった。せっかくこれからの老後のためにと
建てた家なのに、一緒に過ごせる時間はどのくらい残っているか・・切なくも悲しい歌です。
「もうすぐ夏至だ」は、三歳の知恵が掲載された本を検索して見つけた中古書・・歌なんぞ
門外漢の私に不似合ですが、エッセイ集として心温まる本で、ただ今愛読中であります。
お送りするのは中華風三題・・お試しいただきたいレシピです。
江戸時代に刊行された「豆腐百珍」のなかの一品「えびどうふ」に似せて作った炒めものです。
原作は、食べるときおろし大根を大さじ2杯ほど混ぜたようです。食材から考え中華風に作ると
おいしいだろうと試してみました。えびは川津エビなどの活けを使うと、よりおいしいと思います。
材 料・・2人分
ブラックタイガー 5尾 100g ・・1尾を三つ程にスライス
もめん豆腐 1/2丁 170g ・・指で2㎝大にほぐす
生椎茸 2枚 30g ・・小口より薄切り
芹 1束 100g ・・5㎝巾に切る
調味料
ゴマ油 大さじ 1 10cc
日本酒 大さじ 1 10cc
創味つゆ 小さじ 1 5cc
淡口醤油 小さじ 1 5cc
たかのつめ 適宜
作り方
フライパンにゴマ油を入れ強火にかける。
エビを加えて炒め、崩した豆腐を加えて炒め、
日本酒、創味つゆ、淡口醤油を加えて混ぜる。
白ねぎ、青ネギ、輪切りの鷹の爪を加え、ねぎ
に火が通ったらできあがり。
火が通りやすい食材ばかりなので、短時間で
出来上り、おいしい炒めものです。
1人当りの熱量は165kcal。
タンパク質15g(1日必要量60g)
これに卵2こを加えると、熱量75kcal、タンパク
質が6.2g増える・・タンパク質が不足気味の時
にお勧めです。
芹の代りに小葱を使うと、カルシウムの摂取量が
増える・・小葱100gのカルシウムは100mg・・
芹は34mg、普通の葉ネギは54mg、白ねぎなら
31mgです。
生化学会に招待され、講演を行ったときのこと・・持ち込んだパソコンから最初のスライド
を映すと、現れたのは氏の夫人が20歳のころの映像でした。会場がどっと沸く中、慌てて
消そうとするが消えてくれず・とその時のエピソードをつづっています。永田さん、自分の
パソコンの壁紙に、若き日の夫人の横顔が貼り付けてあって「自分で言うのもなんだが、
これが可愛い」とあり、何とも無邪気で微笑ましく思いました。
夫人の名は河野裕子氏(2010.8.12歿 64歳)・夫君の永田氏と共に「宮中歌会始」の
選者を務めた歌人です(Wikipedia「河野裕子」より)。
手許に、永田さん執筆のエッセイ集「もうすぐ夏至だ」があります。題名は中の一節から
選んだもので、そこには次のように書いてあります。「もうすぐ夏至だ。冬至の日はうれ
しい。これからどんどん明るくなるのだと思うと、まだ真冬だというのに心が明るむ。夏至
はいやだ・・中略・・妻の河野裕子に乳癌の転移が見つかったのが一昨年の7月。手術
後八年を経過して、ようやく家族みんなが安心し始めたばかりのころだった。」
続けて「転移・再発がどういう状況を意味するのかは、癌に関わる研究をしていた私には、
誰に言われなくてもよくわかる。にわかに妻との時間が抜き差しならない切実なものとして、
心を占め始めた。」とあります。読みながら、こういう事態に私が直面したらどうなるだろう
・・考えるだけでもおそろしいことであります。
氏の「三歳の知恵」(2010.2.8.日経夕刊)を読んで感動したのは、先に№733でお伝えし
ましたが、そのころ(亡くなる半年前)の彼女の歌です。
この家に君との時間はどのくらゐ残っているか梁よ答えよ
去年家を建て替えて、新しい家に住むことになった。せっかくこれからの老後のためにと
建てた家なのに、一緒に過ごせる時間はどのくらい残っているか・・切なくも悲しい歌です。
「もうすぐ夏至だ」は、三歳の知恵が掲載された本を検索して見つけた中古書・・歌なんぞ
門外漢の私に不似合ですが、エッセイ集として心温まる本で、ただ今愛読中であります。
お送りするのは中華風三題・・お試しいただきたいレシピです。
江戸時代に刊行された「豆腐百珍」のなかの一品「えびどうふ」に似せて作った炒めものです。
原作は、食べるときおろし大根を大さじ2杯ほど混ぜたようです。食材から考え中華風に作ると
おいしいだろうと試してみました。えびは川津エビなどの活けを使うと、よりおいしいと思います。
材 料・・2人分
ブラックタイガー 5尾 100g ・・1尾を三つ程にスライス
もめん豆腐 1/2丁 170g ・・指で2㎝大にほぐす
生椎茸 2枚 30g ・・小口より薄切り
芹 1束 100g ・・5㎝巾に切る
調味料
ゴマ油 大さじ 1 10cc
日本酒 大さじ 1 10cc
創味つゆ 小さじ 1 5cc
淡口醤油 小さじ 1 5cc
たかのつめ 適宜
作り方
フライパンにゴマ油を入れ強火にかける。
エビを加えて炒め、崩した豆腐を加えて炒め、
日本酒、創味つゆ、淡口醤油を加えて混ぜる。
白ねぎ、青ネギ、輪切りの鷹の爪を加え、ねぎ
に火が通ったらできあがり。
火が通りやすい食材ばかりなので、短時間で
出来上り、おいしい炒めものです。
1人当りの熱量は165kcal。
タンパク質15g(1日必要量60g)
これに卵2こを加えると、熱量75kcal、タンパク
質が6.2g増える・・タンパク質が不足気味の時
にお勧めです。
芹の代りに小葱を使うと、カルシウムの摂取量が
増える・・小葱100gのカルシウムは100mg・・
芹は34mg、普通の葉ネギは54mg、白ねぎなら
31mgです。