熊本熊的日常

日常生活についての雑記

ご近所カフェ探訪

2010年01月06日 | Weblog
1週間おきにカイロに通っているが、その行き帰りに通りかかるカフェがある。雰囲気のよさそうなところで、一度訪れてみたいと思いつつ1年近くが過ぎてしまった。カイロの前には飲食を控えなければならないし、カイロの後は昼どきで自分の食事の支度をしないといけないので、この店に入る機会に恵まれなかったのである。今日はカイロの日ではないのだが、自炊を休む日なので、このカフェに行くことにした。

結論としては、良心的な店であることに間違いないのだが、いろいろな面に少しずつ気になるところがあり、近所ではあるけれど、あまり縁がないように思われた。

コーヒーは1杯に25グラムの豆を使うという。一般の喫茶店の3倍の量である。注文を受けてから豆を挽き、3つ穴のペーパードリップで落す。湯の投入方法を工夫すれば半分の量の豆で同じ程度の濃さと、同等以上の香りとコクのあるコーヒーを抽出できる。豆の量が多いのでそれなりの濃さなのだが、単に濃いというだけでそれが味に結びついていない。

ホットドックのような形のサンドイッチを一緒に注文した。パンはデンマークのものだそうで、モチモチとした食感がある。はさんであるソーセージもハーブを練りこんだ白いもので、上手に焼いてある。かぶりついて食べるようになってしまうが、味そのものはとてもおいしい。

以前、ドイツのアウグスブルクという町でホームステイをしたことがあり、そのときお世話になったホスト役の婦人の妹さんが、近くのボービンゲンという村に暮らしていた。この妹さんの家にも泊まりに行ったことがあるのだが、彼女の息子さん夫婦が村でビールの醸造とソーセージの製造をしていた。そこでいろいろな種類のソーセージをご馳走になったのだが、ソーセージにも旬があるということを知って驚いた。言われてみれば、どの季節に潰した牛を使うかによって、そのときに食べていた餌が違うし、季節によって代謝も多少の違いがあるのだろうから、その肉の加工品に旬があるのは尤もなことだ。ビール純粋法などという律儀な法律がある国で、工場からできたてのソーセージを直接いただいて調理するのだから、おいしくないはずはないのだが、どのソーセージもとびきりおいしかった。ふと、そのときのソーセージを思い出した。

2007年9月から2009年1月初めまでロンドンで暮らしていたときに、アウグスブルクを再訪することも当然に考えたのだが、ホスト役の婦人もその妹さんも、ホームステイをしていた当時に既に70歳代だったので、おそらくもうこの世にはおられないと思ったのと、珠玉のような思い出はそのままそっとしておいたほうが良いのではないかとも思い、結局行かずに日本に帰国してしまった。

余談が長くなったが、近所のカフェで気になったのは、室内犬を飼っていることだ。おそらく何かのはずみで出てきてしまったのだろうが、それにしても、食べ物を扱う場所に畜生が居るというのはいただけない。