熊本熊的日常

日常生活についての雑記

歯科検診

2010年01月25日 | Weblog
今日、歯科検診を受けた。ロンドンにいた1年3ヶ月を除いて、ほぼ半年毎に歯科医で口腔の検査を受けている。特に持病があるとか歯や歯茎が弱いというようなことはないのだが、なんとなく他人の口臭が気になることがあるので、自分は大丈夫だろうかと気になったのが定期的に歯科検診を受けるようになったきっかけである。

定期的といっても2005年からなので、まだ定期と呼ぶことのできるほどの頻度にはなっていない。最初のときは、現在は使用されていない素材の詰め物を、現在の医療基準に適合するものに入れ替えるということをした。しかし、大掛かりだったのはこのときだけで、以降は検診と歯のクリーニングだけで済んでいる。今回も特にこれといった問題が無かったので、クリーニングだけで終わった。それでも、視診、歯周ポケットの計測、歯石除去、クリーニングという一連の作業で約1時間ほどかかるのである。

毎回、歯がほぼきちんと磨けていると褒めて頂いている。歯は1日に2回、朝食後と就寝前に磨いている。特に就寝前は丁寧に磨くように心がけている。歯ブラシはストレートハンドルのコンパクトヘッドのものと決めて使っている。歯磨きは薬用を使っている。歯ブラシや歯磨きを意識するきっかけになったのが、20年ほど前の留学である。

留学先のプログラムに企業から仕事を受託するというものがいくつかあり、その1つが欧州の歯ブラシ市場調査だった。依頼人はP&Gのドイツ現法で口腔衛生部門を担うBlendaxという会社だ。当時、マインツに本社と本社工場があり、最初の顔合わせの時はそこにお邪魔して調査の趣旨について説明を受け、本社工場の見学をし、工場の社員食堂で工員さんたちに混じってランチを頂いた。学内ではInternational Business Project、略してIBと呼ばれる授業単位で、所要期間は3ヶ月、6人のチームで取り組んだ。私以外の5人の国籍はイギリス人が2人、ギリシャ人が1人、インド人が1人、バングラディシュ人が1人だった。どうしてこのメンバーかと言えば、やはりそれぞれに思惑があったようで、皆、就職活動も同時並行して行っていたので、なるべく独自性のある経験をアピールできるようにしたいというのが共通したものだったように思う。多国籍チームで自分がこういうところにイニシアティブを取った、とか、チームにこんな貢献をした、というようなことを言えるネタが欲しいのだ。あわよくば、仕事を受託した会社にそのまま就職、という思惑を持った奴もいないわけではない。私は企業派遣での留学だったので就職の心配はなく、この点では他のメンバーとは比べ物にならないほど気楽だった。このプログラムが2年間にわたるMBA課程の最終プロジェクトだった。

このおかげで、歯ブラシについてはこだわりを持つようになった。いろいろな種類のものが店頭に並んでいるが、きちんと磨くにはストレートハンドルが基本で、口腔内で動かしやすい小さめのヘッドが望ましい歯ブラシ、なのだそうだ。きちんとブラッシングをすれば、歯磨きペーストは必要ないとも聞いた。むしろ、つけすぎるとペーストが泡立って口腔に広がり、磨き終えていないのに口腔内のものを吐き出して歯磨きをやめてしまいがちなので、使う目安としてはマッチ棒の先端ほどの量で十分なのだそうだ。広告で歯ブラシの上いっぱいにペーストが乗っている映像を目にするが、あれはあのように使えというのではなく、単にメーカー側が消費者の視覚に訴える製品イメージにすぎない。

おかげさまで、以来、口腔衛生に関しては特に問題なく過ごしているが、加齢に伴って身体のあちこちに故障が出るのは自然なことで、口腔というのは栄養摂取の入り口であるから生命活動の基礎をなす器官といっても大袈裟ではないだろう。その上、臭いの出やすい場所でもある。健康管理と身だしなみのための基本動作のひとつとして、定期的に検診を受けている次第である。